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幸せの青い鳥

「私は幸せ」言葉にするのは簡単だった

けれど 不満はいつも くすぶり続けた

「私は幸せ」そう言えば 人からうらやましがられた

だけど 幸せの定義は どこにもなかった 

「私は幸せ」言葉にすれば満足だった

「私は幸せ」それは呪文だったのかもしれない

人から「幸せそう」と言われる前に自慢しなければ

幸せが逃げてしまうと思っていた

幸せとは青い鳥

必死でつかまえようとしても 大空に飛び立ってしまう

かごに閉じ込めようとしても いなくなってしまう

少しでも目を離せば 二度と帰って来ないに違いない

私は怯えていたのだ

いつの頃からだろう

「私は幸せ」と口にしなくなったのは

それからの私は不幸になったのか

そんなことはない

ささいなことも心の中で感謝していれば

青い鳥は時々 私のところに現れた

側で寄り添ってくれた

肩に止まって歌を歌ってくれた

手のひらの上で羽ばたいてくれた

私は どうして 青い鳥を 独り占めしたかったのだろう

青い鳥は私だけのものではなかったのに

それがわかってからは

幸せな自分に縛られることもなく

不幸な自分を呪うこともなくなった

私の心は解放されたのだ

毎朝 空を見ては 青い鳥の行き先を思い浮かべる

「みんなが幸せになりますように」



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