秋晴れ
東京、13時。
天気、快晴。
気温、16.1℃
湿度、34%
強めの北風。
今日のこの天気、私にとって最適の条件だ。
ここまで条件が揃う日はなかなかない。
やや厚めの生地の白いコットンシャツ一枚でランチに出た。
歩く多くの人は寒そうに首をすくめ、あるいはポケットに手を突っ込んでいる。
眩しく射す陽の柔らかさが心地よい。
乾いた冷たい風がシャツの首元から通り抜ける。
扇風機の前に顔を突き出す子供のように、向かってくる風に顔を向け、伸びた前髪をなびかせ目を細め、黄色に色付くにはまだ早い銀杏並木の歩道を歩いた。
短い秋の日の透き通る大気の中を、背中をまっすぐに伸ばし、オフィスに戻る人波を割るように、届かない遠く澄んだ空を追いかけた。
どこまでも歩いていけそうだった。