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不老不死


科学系の月刊誌「Newton」を好んで読む。
数学、物理、生物、化学など、理系全般の情報が組まれる。

元々、高校生の時、国立理系の大学を志望するクラスに入るほど、自分では理系の人間だと思っていたが、フタを開ければ私立文系に進むという真逆の進路を歩んだ。
それもこれも、受験のための理系の勉強がさっぱり面白くない上、サッパリわからない、かつ、ついていけずイヤになったからだ。
しかし、理系の話は好きだし興味もある。
よって、科学誌を読むのが好きなのである。

今月の主題目は「不死」。
ざっくり言えば、近い将来、人は老化することなく、極端な話永遠に生きることが可能となるかもしれない、そんな内容である。

読むと、確かに理論的には実現できそうだし、また実際に研究も進んでいるし、ビジネスとしてもすでに動き始めている。
100歳など当たり前になり、150歳、200歳と寿命がどんどん長くなることがほぼ確実視されている。
死にたくない、長生きしたい、という人には朗報かもしれない。

しかし、読み進めているうちに、長生きすることが本当に幸せなのか、人として正しいのか、そもそも長生きする意味があるのか、という疑問が生じてきた。

単純に地球上の人間が増える。
それだけでも地球は人は、大きな影響を受ける。
住むところが足りなくなる。
食料が足りなくなる。
各資源が足りなくなる。
奪い合いが起きる。
紛争が多発する。
自然の摂理が崩壊する。
簡単に考えただけでも、とても心安らかに生きていけるとは思えない。


人はその役割を終えたら、さっさと次の人に道を譲って、潔く身を引くべきだと自分なりに考える。
そして、いつまでもいたずらに生きるのではなく、健康なまま死にたいと、そう願ってもいる。
自然とは、循環するものでもある。
しかし、こればかりはそううまく事は運ばない。
天のみぞ知る、だ。

が、作為的に長生きするより、天に任せて生きた方が、よっぽど気が楽だと、読み終えて強く感じた。



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