手帳

新しい手帳を買った。
わざわざ手帳を使わなくても、会社のスケジューラーや個人のGoogleを使えば、むしろそっちの方が便利なはずなのに、手帳を使っている。
もう、社会人になって以来からの習慣、変えようがない。

ところで、なぜ今、新しい手帳なのか。
それは、9月始まりの手帳を使っているためだ。
なぜ9月始まりなのか、実は自分でもわからない。
気がついたらいつのまにか9月始まりになっていた。
たぶん、今の会社に転職したのが9月で、そのタイミングで新しい手帳に切り替えてからだとは思うが、昔の手帳をひっくり返すのも面倒だし、何も困っていないので、このまま9月始まりを続けていく。

ところが、この9月始まりの手帳、あまり出回っておらず、大きな店に行かないと売っていない。
種類も少なく、それが逆に、毎年同じ手帳で通せるメリットでもあるのだが、それすら売っていないと、探し求める羽目になる。

さすがに売ってるだろうと、銀座ロフトの文房具売り場に行った。
「9月始まり手帳」コーナーがあり、毎年使っているお目当ての手帳を探した。

あるにはあったが、最後の一冊。
なんとなく、何度も手にされた形跡があり、紙面がヨレヨレになっている所がある。
店員さんに無理言って在庫を出してもらい、それこそ新品の手帳を買うことができた。

せっかくの新しい年の始まり、気持ちよく迎えたいわがままに付き合ってくれた店員さんに御礼を言い、特に必要がないにももかかわらず、ボールペンを一本サービスで買ってあげた。

我ながら、なんて優しい客なんだと自画自賛したものの、よく考えれば、たかだか100円ちょっとのボールペン、向こうにしてみれば、なんの御礼にもなっていないよなと、出口を出、並木通りを歩き始めて、気付いた。

ま、いいか。
カフェに入り、早速9月各週の最初の営業日、グリグリと「休」を大きく書いた。