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快晴の緑の下で



昨日の午後のよからぬ事態を引きずるかのように、夢にまで出てきたあの物体。
なぜか目の前に大量のあの物体コロッケがあり、たくさん作ったから食べるようにと、まったく身に覚えのない女性から怒涛の如くすすめられ、恐怖のあまり走ったら、突然どこかに落下した。
おかげで一旦目が覚め、再び寝て起きたら9時になろうとしていた。


今日の東京は、すっきりと晴れた。
昨日焙煎したばかりの中煎りコロンビアで珈琲を淹れ、トーストを焼き日向夏ジャムを塗り、ダッシュで食べて出かけた。

─はよ厄祓いせんと、たまらんわ。

と決意した割には、着いた先が、寺。
寺に行っても神様がいるわけもなく、当然のようにいたのは、喪服を着た人ばかり。
なんかむしろ不吉な予感がしてきた。


「大仏」といえば頭に浮かぶのが奈良の大仏、関東だと鎌倉の大仏。
あとはあまり思い浮かばないが、この2つについで3番目に大きい大仏が、東京・板橋の外れにある。
ただし3番目に大きいといっても、青銅製でかつ座っている大仏、というのが条件だ。
国内には、特に◯◯観音と称した、鉄筋コンクリート製の100メートル級の仏像が他にたくさんある。
それらと比べたら、何十番目の大きさに過ぎない。
まぁでも、奈良・鎌倉・板橋となるのだから、もう少し上手く宣伝すればいいのにと、板橋の外れ、少々遠いが、大仏のある「乗蓮寺」に行った。
3番目なんだから、なんとかしてくれるだろう、と。


乗蓮寺の本堂
やや離れて大仏を見る
近くから大仏を見る


一応、大願成就と、その割には小さい文字で書いているものの、お祓いすれば成就するはずと、大仏様に、「頼むからこれ以上オレの身の回りにあの物体を金輪際近づけないでくれ」と頼んでみた。
頼み終わって、見上げてみると、本当に大丈夫なのかどうか、なんの変化もなく、身じろぎもせず、まるで「そんなん知らんわ」とでも言ってるかのように、まさに仏頂面だった。

頼み終わったあと、大仏様の裏側に回って歩いた。
すると、導かれたように、『がまんの鬼』なるものが出てきた。

「そんなしょーもないこと頼まんと、10月いっぱい我慢せい」
そう鬼にトドメを刺された。
気がした。

何でも耐えるがまんの鬼


結局わざわざ行った割にはなんの成果もあげられず、最寄り駅まで30分、ひたすら歩いて帰った。




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