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【CA】販売店でのオートローンか銀行ローンか

車を購入するときに分割払いを検討される方は多いと思いますが、さて、そのローンをどこでどう組もうか、という点についての御検討はいかがでしょうか。多くの方は手間のかからない販売店でのローン申し込みを選択されるのではないでしょうか。私自身も車を販売する立場としてはやはり販売店でご案内のできるオートローンをすすめがちです。今回記事では、販売店で申し込みをするオリコやジャックスなどのオートローンと銀行に見積もり等を提出した上で申し込みを入れる銀行ローン、どちらが良いのかを考えてみようと思います。

販売店で申し込みのできるオートローンのメリット・デメリットをまずは検討してみます。今回は少し大容量の記事ですから2回に分けます。まずはオートローンのメリット・デメリットを見て行きましょう!

〜メリット〜
・販売店のその場で申し込みをすることができ、時間帯にもよるがその日のうちに結果が判明する。
・車両の販売方法や新車・中古車に対してそれぞれ柔軟な設計の商品が多く、選択肢に幅がある。

XXXデメリットXXX
・銀行ローンと比較した場合に金利が割高である場合が多い
・車両価格にもよるが多くの場合、所有権留保がつく

まずメリットの冒頭、その場ですぐに、というのがオートローンの最大のメリットと言えるでしょう。「よし、この車を買おう!」と気持ちが最大限に高まっているわけです。さああとはローンだ、という状況になった時にその場で申し込みを入れ、その場で結果がわかるというのは(販売店にとっても)非常に良いですね。私が初めて車両販売に携わったときはファックスで申し込みを流して、電話でローン会社の担当者に話を入れ、結果を30分程度でもらうような流れでした。今はスマホからの申し込みのケースが多いと思いますが、商品によっては今でも申込書面での申し込みが必要である場合もあるようです。

メリットの2点目、設計の柔軟性ですが通常にローンを組んで車を購入するシーンにおいては、実はそれほど柔軟性は必要ありません。要するに月々で分割支払うだけですから、金利が何%なのか、賞与払いは含めるかどうか、選択肢は本来このぐらいで十分でした。しかしながら実際にはものすごく多様なローン商品が飛び交っています。その最たるものが残価設定ローンと言えるでしょう。今では当たり前になってきましたが、その昔はONIXが「ワンナップシステム」と呼称して新車36+1回の残価設定ローンを大々的に売り出していました。「新車が半額で乗れる」。このフレーズに聞き覚えがある方も、もしかしたらおられるかもしれません。確か当時の金利で4.9だったかと思います。新車と考えると少し高いですが、非常にシンプルな構造で、新車の車両本体価格の50パーセントを残価として設定して残り50パーセント+諸費用、OP代金を36回分割で支払い、最終回(37回目)が残価である50パーセント分が一括で落ちるのでその前までに車を取り替える(代替して再度新しい車でワンナップシステムをする)、37回目を支払って乗り続けるなどの選択を顧客に迫り、販売店は初検前の良質な中古車を仕入れることができる。お客様は新車を安く乗れる、というものでした。売り方が上手だなあ、と今でもこのシステムには感心しますが、今となっては残価設定はある種の定番みたいになってしまいましたね。あまり目新しさはありません。他、残価上乗せローン(現所有者を売却しても残債が残る場合にその残債を次のローンに乗せる)や、買取残債ローン(同様に残債の残る車を買取った後に残債部分だけを借り換える形で新たにローンを組む)などが最近では見受けられます。またそのうちに別の記事でも触れますが、車を売却するには所有者の許可が必要であり、オートローンを利用している場合、通常は完済するまでの間、ローン会社が所有者です(所有権留保)。つまり、完済するまでの間は売却に制限がかかるわけで、この買取残債ローンはそのフォローをするためのローン、というわけです。

オートローンは所有権を留保する構造から、銀行のローンと比較して審査が多少緩やかです。これはいざという時になったら当該の車を引き上げてしまうことでローン会社も多少の回収が見込めるためです。次回記事で記載いたしますが、銀行ローンの場合は目的ローンですが所有権留保は通常されずにお金を借り受けてそのお金を販売店に支払いますので所有権はご自身の物になります。したがって、ローン中であっても特に手続きを経ることなく売却ができるわけですね。審査は当然ながら銀行系の方が厳しい傾向になります。

次回は銀行系ローンの特色、デメリット、それから全体をみてどちらが良いのか、そんなお話をさせて頂こうと思います。

ありがとうございました。

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