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【パスポート所持率17%の衝撃】海外旅行者の増加がインバウンド観光の質を伸ばす。

外務省が毎年発表する「旅券統計」によると、2023年末時点で、日本国内在住日本人の有効旅券数は2064万5745冊。つまり、パスポート保有者の割合は全国民の「17.0%」で、コロナ前の78%にとどまる。

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衝撃の数字だ。日本人の17%したパスポートを所持していない。日本のパスポートは世界最強と言われ、先人たちが築いてきた外交努力により他の多くの国々に比べてVisa(査証)なしで入国できる国が多い。私自身も特に東南アジアの国々の入国審査では日本国民というだけで、顔パスのように入国審査を通過できたことが多々ある。

「なぜ日本人はパスポートを持たないのか?」という問いに答えるのはやや愚問であると感じている。コロナ、物価高騰、円安(ちょっと円高になってきたけど…)などすぐにでも答えが見つかる。

しかしながら、私はパスポート所持率が低いことは、まわりに回って日本の観光立国に遅れを取るのでは無いのかと懸念をしている。それらについて考察したい。


1:アウトバウンド観光の需要喚起がインバウンド観光の質をあげることに比例する

やはり、観光というものは現地に行く、現地で感じる「リアル・ホンモノ」というものが大切だと考える。私のnoteで何度もお伝えしているが、あの海外の空気感やなんとも言えない興奮した気持ちはやっぱり現地に行かないとわからない。「国内でも非日常を!」という気持ちもわかるが、やはり異国の地に行って感じるホンモノの空気感や雰囲気は全然違う。

そして旅行者自身が体験・経験したことはその人にしかない絶対的な財産になる。同じ旅程でもその人にしか無い感性があり、その人にしか無いonly oneの旅がある。(同じ映画を見て感想が違うのと一緒。)

だからこそ、旅の楽しさ、面白さの原体験を感じない人が観光業としてホスピタリティやサービスを提供するのはやや無理を感じる。インバウンドが好調で日本には様々な国の人がやってくる。彼らが何を異国の地・日本でどんなことを求めて何が欲しいのか。まずその基礎を原体験するには自らが海外に行き異国の地を楽しむ経験が必要不可欠なのでは無いだろうか。

パスポート所持率の低さと相関関係があるかは確かではないが、観光業や観光人材の人手不足は顕著である。人手不足の中でも高度観光人材と呼ばれる専門的なスキルを体得した観光人材はさらに少ない。

これらの全ての基礎の基礎になるのが、まずは自ら旅の原体験を持つことが必要なのでは無いだろうか。

2:海外旅行に行きたいけどどうしていいかわからない人へ情報を伝える

そして海外旅行不足を深掘りすると「情報不足」が大きな課題の1つでは無いかと感じる。今ではLCCやOTAの登場により一昔前より海外旅行にかかるコストは大きく下がった。

7月の3連休でタイに3泊4日で渡航したが航空券は往復で4万円以内、現地滞在費用は4万円程度、この際は友人宅に宿泊したがドミトリーや少し安めのホテルであれば3000円〜/泊も可能だろう。

海外LCCの情報では「危ない」と上がってくることも多いが実体験として危険と感じたことはない。機材の影響が全く0ではないが最低限の安全は確保されているし、工夫をすれば機内で楽しむこともたくさんできる。

国内であれば、JAL・ANAは年齢制限を設けて当日空席のある飛行機に定価よりかなり安く乗る事も可能である。(not PR)

https://www.jal.co.jp/jp/ja/dom/fare/skymate-fare/

https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/plan/fare/domestic/smart-u25/

こういった情報を発信はしているが、「海外に行きたいけど行ってみたい層」に届いていないのが現実ではないだろうか。旅行情報などを見るとパブリックに対しての広告より、旅行マニアや同じ界隈に向けたニュースや広告が多いように感じる。マーケティングとしてそうせざるを得ないと思うが、国レベルで日本の特に若者に対するアウトバウンド旅行需要を換気する施策を打っていかないと、周りに回って日本の観光産業が伸びるに伸びなくなってしまう。

3:最後に

観光庁や国の方針としてインバウンド観光に注力していることは、間違いなく正しい方向であり、観光業を国を挙げて一大産業にしようとすることは良い方向だ。しかしながら、さらなる観光業の発展していくためには、アウトバウンド観光施策にも力を入れていくことが必要であると思う。

という課題からこのnoteを書こうと考えたが、一番は、特に若者に海外に行って欲しいという願いだ。まずは台湾でも韓国でも近場でも良い。とにかく自分が住んでいる日本を客観的に見直る意味でも、この夏の大冒険をぜひしてほしい。

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