うるせえデスゲームだ
●デスゲームは突然に
「今から皆には殺し合いをしてもらうよ」
鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)は当たり前のように悪夢めいた台詞を口走った。説明はこの一言で充分なのに、あと500文字ぐらい喋らないといけないのが億劫だなあ、等という顔をしながら。
「大丈夫だよ、キマイラフューチャーにありがちな謎仮想現実ゲームだから。例えゲーム内で爆死してバラバラ死体になっても無傷で生還できるよ。好きでしょう、デスゲーム」
好きじゃねえよ。
何が大丈夫なのかも全然わからない。
「まあ、要するに僕が遊びたいから付き合ってよという話だ。……あと300文字も喋らないといけない。どうしよう、話すことがないよ」
仕方ないので、デスゲームとはなんなのか改めて説明しよう。
デスゲームとは。
脱出不可能な空間(学校だったり地下室だったり電脳空間だったり時には別の星だったりするが、今回の舞台は定番の孤島である)に多数の人物が閉じ込められ、偉い人(じゃない時もあるが)に理不尽なゲームを強要され、誰か一人(ただしイレギュラーが起きがち)が勝ち残るまで殺し合うジャンルの作品全般を指す。
デスゲームに詳しい鵜飼章曰く『とりあえずデスゲームにしておけばどんな駄作もそこそこエンタメとして機能する』らしく、UDCアースではとっても人気だ。
「これだけ説明すれば何をすればいいか大体わかる人だけ来てくれればいいよ。ああ、僕も参加します。暇潰しに殺し合いを強要する人の役でね」
もちろん僕を殺しに来ても構わないからね。
そうお約束を口にして、章はうっすらと笑った。
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↑の仮原稿版です。提出しなかったので供養。
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