ショウガに含まれる6-ジンゲロールがPDEを阻害!PDE4阻害剤と言えばモイゼルト!を解説します。
未解明だったショウガが免疫細胞に作用するメカニズムを解明!
ショウガのことを知ってもしょうがなかったのが、しょうがなくなくなったというお話です。
ショウガは優れた抗炎症効果を持つことも知られていますが、人間の免疫細胞にどのような変化を起こすかは解明されていませんでした。
今回の研究ではそのメカニズムが解明され、ショウガに含まれる6‐ジンゲロールが慢性炎症性疾患を治療するだけでなく、アトピー性皮膚炎の改善も期待できると示されています。
研究者たちはマウスと人間、両方に対してショウガを経口摂取してもらい、免疫機能の影響を調べることにしました🫚
7日間にわたりショウガサプリを毎日100㎎ずつ経口摂取するように求めたところ、マウスの場合と同じように人間の好中球でもcAMPが上昇し、好中球の自爆攻撃が抑制されていることが判明。
自己免疫疾患に対して効果が期待できることを示しました✨
ただし現時点では、ショウガサプリを治療目的で使用するのは避けるべき・ショウガサプリの使用を本格的に開始する前には、医師に相談すべきと記事では述べています🫚
まだ研究が必要なもののこれからに期待が持てそうですね✨
PDE阻害薬といえば?
未解明だったショウガの抗炎症作用のメカニズムが解明されました。
ショウガに含まれる6-ジンゲロールがPDE阻害作用を示します。同様の作用を示す薬といえばPDE4阻害剤モイゼルト(一般名:ジファミラスト)がありますね。
PDE(ホスホジエステラーゼ)とは、細胞内に存在するcAMPという物質を分解する酵素です。いきなり難しいですね。
cAMPは、細胞外からの情報を細胞内で伝達をする物質の1つで、代謝など様々な生理応答を調節します。PDEはこのcAMPを分解することで情報伝達を調節します。
少し『PDE4阻害剤(モイゼルト)』について解説していきましょう😊
PDEはこれまで11種類発見されており、PDE4は主に炎症や免疫に関わる細胞に存在しています。
つまり、PDEが活性化して過剰に働くと、多くのcAMPが分解され細胞内のcAMP濃度が低下してしまいます。すると、炎症に関わる物質が過剰に産生され、炎症が悪化してしまうことが報告されています。
実際に、アトピー患者さんはPDE4が過剰に働いていることがわかっています。PDE4阻害剤は、PDE4の働きを阻害することで細胞内のcAMP濃度の低下を抑制し、炎症が悪化するのを防ぎます。
現在発売されているモイゼルト軟膏は重篤な副作用報告はなく安全性の高い薬です😊その他副作用やお子様への使用・妊婦、授乳中の方。注意点など詳しく知りたい方はこちらがとても分かりやすいので、ご覧ください。
モイゼルトが炎症を改善させる詳細なメカニズムが判明
元々モイゼルト(ジファミラスト)はPDE4を阻害する薬として登場しましたが、アトピー性皮膚炎においてPDE4阻害薬がどのような細胞を標的として治療効果を示しているのかはよくわかっていませんでした。
しかし、2023年10月13日、東京医科歯科大学が行った研究によると、そのPDE4がどこの細胞を標的として作用するのかを突き止めることが出来た。と発表しています。
ものすごく簡単に言うと、これまで効果は示されていたものの具体的にどこに効いているかまではわかっていませんでした。それが具体的にわかったことで今後の開発の進展が期待できるようになったということです。
では、どのようなことが分かったのか少し解説していきましょう。
東京医科歯科大学は、アトピー性皮膚炎の治療薬モイゼルトが、希少な免疫細胞である好塩基球からのインターロイキン4(IL-4)産生を阻害し、マウスモデルの症状を改善していることを発表しました。
モイゼルトの塗布により炎症を起こした皮膚におけるIL-4の量が減少することを見出した研究グループは、モイゼルト軟膏の治療効果は皮膚におけるIL-4産生を抑制することによるためではないかと考えました。
そこで、IL−4欠損マウスを用いた実験を行った結果、モイゼルト軟膏の治療効果はIL-4欠損マウスでは見られなくなることがわかりました。
さらに、同モデルにおけるIL-4の産生細胞を検討すると、希少な免疫細胞である好塩基球が、皮膚における主要なIL-4産生細胞であることがわかりました。
これを調べるために好塩基球を除去したマウスや好塩基球特異的にIL-4を欠損したマウスを用いてモイゼルトの効果を検討したところ、これらのマウスでもモイゼルトの治療効果は認められませんでした。
以上から、モイゼルトは好塩基球からのIL-4産生を抑制することでアトピー性皮膚炎への治療効果を示すことが解明されたということになります。
さらに、研究を進めた結果、モイゼルトはERKシグナル経路を一部抑制することで好塩基球からのIL-4産生を抑制することが示唆されています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
好塩基球やその産生する分子が治療標的としての可能性が高まり、今後の研究や治療法の開発が進展することが期待されます。これからのアトピー性皮膚炎の治療における新しいアプローチや治療標的の開発に期待していきたいですね。
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