自伝小説 ままごとかあさん16 罰ゲーム
祖父も父も喘息だった。
ふたりとも大人になってから
症状が出てきたらしい。
ワタシも小学校2年生になる頃には
季節の変わり目ごとに
喘息の発作が出るようになっていた。
ハウスダストが悪いと医者から指摘され
カーペットが片付けられたが
毎日使う布団は古いまま
床はホコリだらけのまま。
母が掃除機をかけることは無い。
たまに気が付いた父が
ブツブツ怒りながら掃除機をかけてくれた。
症状が改善することは無かった。
喘息の発作は
学校でも出るようになっていた。
午後、掃除の時間に
廊下を履いたり
雑巾がけをしていると
ノドからヒューヒューと音が出始める。
息苦しくなり身体が重くなってくる。
ワタシはなるべく喘鳴を抑えて
みんなに気づかれないようにした。
帰りの会を何とかやり過ごし
重くて息が出来ない身体を
引きずるようにして家まで帰る。
学校と家が徒歩3分くらいの近場だったので
何とか自力で帰ることができた。
家までの急な坂はキツくて
ほんの3分の距離をノロノロと
長い時間をかけて這って行った。
家に着くと
具合が悪いと母に言い
直ぐに近所の医院へ連れて行ってもらった。
点滴をしてもらうと
少しずつ呼吸が楽になってくる。
息が吸えるようになり
苦しさから開放される。
点滴が終わるまで2時間近くかかったので
母はいつもワタシを置いて
用事を足しに帰って行った。
2時間以上過ぎても
なかなか迎えに来てくれないことが多かった。
ワタシは医院の窓から見える空を
ぼんやり見ながら
‘’また喘鳴になってしまった‘’
と自分を責めた。
きっと
フツーに生きれていないから
バツを受けるんだ。
いったい
どうすれば
この罰ゲームから
開放されるのだろう。
どんなに考えても答えは見つからなかった。
つづく
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