自伝小説 ままごとかあさん13 こんにちは絶望
その日は突然やって来た。
もうすぐ卒園を迎える
まだ寒い冬の日。
幼稚園の行事でクッキーを焼いた。
母が園まで来てくれて
一緒にクッキーのカタチを作った。
ワタシはいろんな型のクッキーを
作ってみたかったけど
母の面倒くさいに押し切られた。
他の親子を見ると
手馴れた様子で型を上手に使って
キレイに作っている。
お母さんが子供に話しを聞いて
楽しそうだ。
なんでワタシ達はギクシャクしているのだろうか。
なんであんまり楽しくないのだろうか。
隣りの母からはタバコの臭いがした。
車で吸って来たのだろうか。
ワタシはとても恥ずかしくなった。
母は先生との懇談があったので
終わるまで運動場で遊んで待った。
キックボードを思いっ切り蹴って走る。
突然
ワタシは気付いた
こんな何を言っても通じないお母さんと
この先も一緒に生きて行かなきゃなんだ
こんなに面倒なのに…
あと何年?
死ぬまで?
‘’死ぬまで‘’ということが
6歳のワタシには
永遠と同じくらいに
果てしなく長く感じられた。
死ぬまでなんて長すぎる…
このまま
言葉の届かない母や祖母と生きて行くんだ。
心の中でポキっと音がした。
それでもワタシは
見た目は楽しそうに
キックボードを蹴り続けた。
ワタシの顔に
笑顔の仮面が張り付いた。
消えてしまいたかった。
まだ6歳のワタシは
生きて行くことに絶望した。
つづく
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