そらふねの桟橋 ボランティア精神あふれるおじさん
観光地のトイレはきれい
25年ほど前の夏休み、そのころ売り出されたボンゴフレンディというキャンプ車のようなワゴンで、車中泊しながら家族で関東まで行った。
その時、印象に残ったのは信州地方の景観の美しさだった。
車道脇の花壇がきれいに整備され 家屋は茶色系で統一されていて、美しい山並みや街路樹とマッチしていた。
それから10数年、九州も街並みがきれいになってきたと感じるようになった。
街並みだけではなく、観光地のトイレも新設され使いやすくなっているし、古いトイレも管理され、清掃されているところが多くなった。
予算が組まれ、清掃者が配置されているところも多いと思うが、観光客がトイレをきれいに使ってない場合や、オムツがトイレの汚物入れに入らない状態で放置されている状態を見たりする時は、清掃の方は大変だなと思う。
阿蘇市 そらふねの桟橋
ネットで見た夫が空撮したいと、阿蘇市役所に尋ねてみると、係の方は親切に管理事務所に尋ねて頂き、空撮の了解を得た。
「他の観光客の邪魔にならないように撮影してください。ヤギも飼ってあるので気を付けてください。」ということだった。
曇りの日だったので、その日、他の場所の撮影申請をするついでに そらふねの桟橋を下見にも行ってみた。駐車場の脇にヤギが飼ってあって、その前を通って木々の間を抜け5~600m登っていくと桟橋という感じで、桟橋の周りに放し飼いにされているのを想像していたので、ドローンが危害を与える心配は全くなさそうだった。
撮影を予定していた21日朝、阿蘇の外輪山に回り、雲海を撮ったので予定していたように桟橋からの朝日の時間には間に合わなかったが、天気が良く期待を持ってそらふねの桟橋に向かった。
ヤギ小屋の前には、この前も会った管理人のおじさんがヤギ用の観光客が100円で購入する人参をカップに入れていた。
そのおじさんに子ヤギがずっとすり寄って人参を欲しがって、おじさんの邪魔をする様子がほほえましかった。
夫はそこを抜け、坂を上って行ったが、私が挨拶をし声をかけると私とおじさんの話は止まらなくなり それから20分ほどの長話になった。
おじさんは草刈りなどの山の管理が大変なことを話してくれた。
貰っている管理費以上の働きをされ、山がきれいに保たれていることがうかがえる。
他の観光地でも草取や花壇の管理、トイレの掃除など、半分ボランティアのような仕事だと思う。
話を終え、紅葉がきれいな坂道を上って行くと、夫が桟橋で若い男性を空撮しているのが見え、ドローンに向かって手を振る男性の姿が絵になっていた。
男性は30歳で富山から自動車旅行の途中、ネットで見た桟橋に立ち寄り、これから宮崎の高千穂峡に向かうということだった。
その後、名古屋から来られたご家族ずれを空撮しようとした時、さっきのおじさんも登ってきて、そのご家族に声をかけスマホを受け取り撮影を始めた。
おじさんは途中、3人に桟橋の端に腰かけるように助言。
桟橋の下はまさに断崖絶壁、(それは無理でしょ)と思ってみていると、素直で体力のある娘さんとお父さんは桟橋の端によじ登って座った。
事故もなくスマホには空に浮かんでいるような映像が撮れていた。
見た目は70代中ごろに見えるボランティア精神あふれるおじさんは、まるでスーパーマンかスパイダーマンのような活躍だった。
今日も地方の観光地は、こんなおじさんやおばさんの働きで美観や活気が保たれている。
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