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弱さは強さ

わたしは、
世界にひとりしかいない。

あなたも、
世界にひとりしかいない。

だれも、代われないって、
すごいことだね。

      *

思春期のころ、私は“強さ”にあこがれました。
「さみしい」「つらい」とぼやくのは心が弱いからだと考えていたし、ましてや人前で泣くなんて最低!と思っていたのです。

だから、自分がさみしくてどうにかなりそうだったときも、泣き叫びたいほどつらかったときも、その感情を打ち消して、平気な顔をしていました。

「強くなりたい」と思うこと自体、本当は弱い証拠なんですが、そのころの私は、とにかく「弱いことはよくない」と思い込んでいて、自分を強く見せることに懸命でした。

もしかしたら、これを読んで「自分のことみたい…」と感じた人がいるかもしれませんね。一緒に“強さ”について考えてみませんか?

はたして、「さみしい」「つらい」といった感情に陥らないことや、どんなときも涙を見せないことは、“強い”といえるのでしょうか?
私は、違うと思います。そういう人は、ありとあらゆる感情を、深く感じとれなくなっていることが多いからです。

「さみしい」ときや「つらい」ときだけじゃなくて、「楽しい」ときや「うれしい」ときにも、泣きたい気持ちが盛り上がってきても、泣けない・・・
たぶん、過去に感情を露出して、とても心が傷ついた経験があるんだと思います。
すると、これ以上傷つかないようにしようとして、感情を深く味わうことを、無意識のうちに拒否してしまうようになるんです。

自分を守るためにしていることが裏目に出て、自由に泣くこともできない苦しみをかみしめるようになるなんて・・・悲しすぎますよね。

本当の強さとは、弱さをなくすことでも隠すことでもありません。
「自分」と「他の人」の弱さを、すっぽりと包み込むことだと思います。

だから、本当に強い人はやさしいし、「自分は弱い」と平気でいうし、大泣きもすれば、人の弱さを寛容に受けとめることができるんです。

まずは、あなたの心に巣食っている「弱いことに対する後ろめたさ」を捨てることからはじめましょう。
弱さは、強い人間には不可欠なもの、 と自分によーくいい聞かせて。

次に、自分が今抱えている「さみしさ」や「つらさ」が、どこから生まれてきたのか、それを探ってみましょう。
本当はこんな気持ち……本当はこんなこと思ってる……ということを胸の奥から引き出してみて。

それがわかったら、もう感情を隠すことはありません。
それがわかったあなたは、他の人が同じような弱さを見せたとき、きっと、相手をいたわることができるはずだから。

感受性が豊かなことは、すばらしいことなのです。
どんな感情もかみしめられる人は、ものすごく魅力的なんですよ。
笑うあなたも、泣くあなたも、喜ぶあなたも、怒るあなたも、どんなあなたも、全部ステキなあなただから。

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