3つのメガネ
私は「自分の身に起こった出来事が無色なら、それを自分が苦しくなるような”色メガネ”で見るのはよそう。代わりに、もっと気が晴れる”メガネ”を探そう」と思いました。
そうやって手に入れた“お気に入りのメガネ”を3つ紹介します。
イヤな目に遭って落ち込むと、あれこれ悩みはじめる前にサッとこのメガネをかけます。
「これを乗り切れば次はいいことがある」メガネ。
「痛い思いをした経験は必ず活きてくる」メガネ。
「今に見ていろ!」メガネ。
ときには、いっぺんに全部かけることもあります。
かけると、「よし!」と勇気が出てきます。
あなたもぜひ試してみてください。
とはいっても、このメガネはカンフル剤のようなもの。
元気を取り戻したら、メガネをいったんはずして、起きた出来事をもう一度見つめなおすことが重要です。
すると、ただ落ち込みから逃れるだけに終わらず、その気持ちをもう一段高いステージに押し上げることができるからです。
自分のことだけで頭がいっぱいだった状態から、客観的に物事を判断して、ほかの人のことにも心を配れるようになるのです。
『物事は、無数の因縁によって起こるべくして起こる』
仏教ではこう言われています。
起きたことをありのままに、つまり何の色もつけずに眺められるようになると、それが起こった原因や、ほかの人に及ぼした影響をまざまざと感じとれるようになるんですね。
たとえば、あなたを非難した人が、心の内では「私の気持ちをわかってよ!」と泣き叫んでいるとか、言い訳ばかりする人が、本当は「私を責めないで!」とおびえている……といったことがわかるようになります。
あるいは、なぜ自分につらく当たるんだろうと思っていた人が、「このくらいでヘコたれないで、もっと強く、もっと大きくなるのよ」と見守っていてくれたことに気づくかもしれません。
すると、それぞれの人の気持ちに寄り添って、慰めたり励ましたり、感謝することができるので、きっとこれまでにない触れ合いが生まれるでしょう。
もう一度、言います。
あなたは、人生に起きる中立な出来事に、好きな色を塗ってもいいし、塗らなくてもいい。
ものすごい自由の持ち主なのです。
自分の解釈しだいで、体験への想いも、相手に対する見方も、その後の人生も、一変させることができるんですよ。
*
Poem/純で自由な心
人生には、
いいことと、
悪いことが起こる。
そうかなぁ……?
心に、
やさしい気持ちと、
こわい気持ちがあるだけかも。
こわいときって、
たいてい、
自分のことしか考えてないけど、
やさしいときは、
自分のことなんて忘れてる。
だから、
いいことが起こるのかな。
★ 著書『ありのままのあなたで』(かんき出版)より★