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自分の居場所がないと感じていたら
ここは自分の居場所じゃない……。
ここでは自分を生かせない……。
今の生活は、本当の自分じゃない……。
もし、あなたがそう感じていたら、視点を変えてまわりを見直してみましょう。
現実が思い通りにならなくて落胆するのは、だれにでもよくあること。
でも、それで居場所がないと感じてしまっているなら、あなたは『正解主義』に陥っているかもしれません。
「正解はこれだけ。こうあるべき!」という目で人や組織を見ていませんか?
すると、意にそぐわないものはすべて不完全に見えて、イライラしたり、みじめな気持ちになったりしやすいんですよね。
『正解主義』に陥ると、まわりに対する要求と非難ばかりが増えて、自分はぜんぜん変わろうとしません。
家にいづらいのは、親が×だから。
仕事に集中できないのは、会社が×だから。
飲み会がつまらないのは、友だちが×だから。
こんな調子で人や物事を簡単に○×で判断して、気に入らないと「責める」「中傷する」、あげく「放り出す」「逃げ出す」といったことをくり返しているとすれば……。
どこへ行っても満足できず、結局、どこにも自分の居場所が見つからなくなってしまうでしょう。
今あなたが「不完全で気に入らない」と責めているものを、「不完全ではなく、発展途上なんだ」と考えてみましょう。
組織も、集団も、ほかの人間も、自分という人間も、成長の可能性を秘めた未完成作品。発展途上の仲間だと思って見てみてください。
すると、なかには反面教師を担う人材もいて、お互いの成長を助け合っているようすが見えてきませんか?
ただし、姿かたちが人それぞれちがうように、成長・発展するタイミングとスタイルもひとりひとりちがいます。
ということは、人生においては「ひとつだけの正解」なんてないということ。
あるとするなら、まわり道も、正面からぶつかることも「すべてが正解」なのです。
あなたの人生においても、正解は無数にあります。
しかもそれは、あなた自身が年齢を重ね、体験を積むごとに変わっていくものなのです。
その意味では、置かれた状況を「意にそぐわない」と感じるのは悪いことではないんですよ。人が成長するためには、最初に違和感を覚える必要があるから。
違和感があれば、なんとか快適にしようと工夫するでしょう?
そのときに注意することはひとつ。
「違和感を人のせいにしない」ということです。
居心地が悪いのは自分もまた発展途上だからと考えて、真剣に“自分の課題”を探してみてください。
そうすれば、居心地が悪いと感じた場を、貴重な体験をさせてくれたありがたい場に変えられます。
そこで学べることを十分に学び終えてから、新天地を求めましょう。
『正解主義』から抜け出すことは、時間をかけて自分の世界を拡張していくということなのです。
そうやって世界中に自分の居場所を見つけて、新しい自分、新しい仲間、未知の感動に出会っていくことを楽しみませんか。
★ 著書『やさしくて、ちょっぴり不器用なあなたに。』(サンクチュアリ出版)より★