「わたしはわたし」 飾らないままでいたら それ以上にも それ以下にもならない
偽りは悲しい。
なかでも自分を偽ることは、一番つらくて悲しいこと。
心の底をのぞいてみれば、
何の飾りもない、素顔の自分が微笑んでいるはず。
その愛すべき自分に、
したいようにさせてあげよう。
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もしもあなたが、「自分を飾らないと人から嫌われる、素のままではうまくいかない」と思い込んでいたら……
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飾るとは、自分以外のだれか別人になろうとすることです。
それは他人だけでなく、あなた自身をあざむく行為。だから、飾れば飾るほど、心が疲れ擦り切れていくんですね。
「素のままではうまくいかない」と感じたときは、自分を飾るときではありません。
「私を好いてほしい=人の心を思い通りに動かしたい(好感を抱かせたい)」という欲望を捨てるときなのです。
どの人にももれなく、自己保存の本能が備わっているから、その意味ではみんな自己本位です。
しかしその一方で、他者を思いやる ”無条件のやさしさ” と、やさしさに乗っ取って振る舞うことのできる知性を、みんな備えています。
つまり、あなたは間違いなく、無条件のやさしさと行動する力を生まれながらに持っているということ。
それを、ただ差し出せば、素の自分を殺してまで、人に好かれようとむなしい努力をする必要はありません。
背伸びをしない、無理をしない範囲で、無条件のやさしさを人に渡す練習をしましょう。
「自分が相手にどう映るか」より「自分が本当に喜んで相手にそれをできるかどうか」だけ、考えて動くようにしたらいいんですよ。
そこには飾らないあなたがいるから、相手は素直にあなたの好意を受け取ってくれると思います。
でも、もしそこで相手に拒まれる体験をしたときは、こう考えたらいい。
そのときその人の心には、「人のやさしさを退けたい理由があったのだ」って。だから、そのままそっとしておいてあげましょう。
それも、大切な思いやりのひとつなのです。
★ 著書『ひとりで抱えこまないで』(幻冬舎)一部修正★