ひとりぼっち
幼いころ、ひとりで留守番していると、さみしくてたまりませんでした。
学校に通いはじめると、自分のことをわかってくれる友だちがそばにいないと、さみしくて不安でした。
でも、もっとひどいさみしさを知ったのは、そのあと。
「たくさん人がいても、私のことなんてだれも気にしていない。私は別にいなくたってかまわない人間なんだ・・・」と、感じたときです。
それは、身を切られるような孤独でした。
なんとかしてその孤独から抜け出そうともがくうちに、ハッと気づきました。
「自分のさみしさをわかってほしいと、そればかり考えていたとき、私は人の気持ちなんてまるで考えてなかった。もしかしたら、私と同じようにさみしがっている人がいたかもしれないのに・・・」と。
そこで、友だちの顔を思い浮かべて、
「私にあなたの気持ちをわからせて…」と心の中で言って、いろいろなことを想像してみました。
わかるようになりたいと一所懸命がんばっていたら、胸の奥がジワーッと温かくなって、不思議なことに、私の心は晴れていったのです。
あなたが孤独に押しつぶされそうになったら、友だちか、家族か、世界の片すみでヒザを抱えて泣いている人のことでもいい、自分以外のだれかのことを、本気でわかろうとしてみてください。
すると、自分のことしか考えられなくて、しょぼくれて小さく固まっていた心が、やわらかくなっていくから。
そのときあなたは、
「みんなひとりぼっちでも、決してひとりきりで生きてるわけじゃない!」と気がつくでしょう。