いつもそのままのあなたで。
別に嫌いなわけじゃないけど、一緒にいるとこっちが疲れちゃう……。
そういうことってありませんか。
もしかしたら、自分がそう思われていることはありませんか。
一生懸命やっているのに、なぜか相手を疲れさせてしまうことがあるとしたら、そのわけは『気を遣う』と『気が利く』のちがいにあります。
『気を遣う』人が動くと、「私いま気を遣っています」という空気をまき散らします。
接待してくれるときも、仕事を手伝ってくれるときも、耳寄りの情報を提供してくれるときもそう。
また、ものすごく相手の炉アクションを気にするので、相手はいちいちお礼を言ったり、ほめたりし、なければならず、かえって気疲れしてしまうんですね。
それとは対照的に『気が利く』人は、動きが自然でさりげないので、相手はしてもらったことに気がつかない場合もあるくらいです。
気が利く人は、はじめから返礼を期待していないので、相手は気を回す必要もなく、好印象だけが残るのです。
『気を遣う』と『気が利く』のちがいはどこにあるのでしょうか?
それは「相手に余計な気を遣わせるかどうか」なのです。
では、相手に余計な気を遣わせないためにはどうすればいいのでしょうか?
答えは「自分が相手に余計な気を遣わない」こと。
あなたが心からリラックスしていると、同じように相手もリラックスしていられるからです。
でも私たちは、ついつい体裁をつくろおうとして緊張してしまうものですよね。それは「このままの自分ではダメだ」と思い込んでいるせいです。
なるべくリラックスした素の自分でいられるように、心に染みついた「このままの自分では好かれない」という思い込みを払拭しましょう。
まず「何か好かれることをしなければいけない」と思って、やたらと気を遣ってしまう自分に気づいてください。
ムリにテンションを上げたり、ガマンして合わせたり、世話を焼きすぎたり、遠慮しすぎたり……。そういう余計なことをしていませんか?
本来はしなくてもいいことに心を奪われている自分に気づいたら、「もう、そんな努力はしなくていい」と自分に許可を与えて、その場でキッパリやめましょう。
「いつだって素の自分で大丈夫なんだよ」と根気よく言い聞かせて、必要のない思い込みを解放しましょう。
いちばん大切なのは、あなた自身が、その場を楽しむことなのです。
次に大切なのは、その場にいる人たちと、しあわせを共有することなのです。
人といても自分が気疲れすることがなくなり、人にしてあげたいことを躊躇なくしてあげられるようになったら、今まで知らなかった心と心の触れ合いがはじまりますよ。
楽しいときは楽しいなりに、悲しいときは悲しいなりに、心がつながっている感覚。そんなかけがえのない一体感を味わえるようになるでしょう。
★ 著書『やさしくて、ちょっぴり不器用なあなたに。』(サンクチュアリ出版)より★