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ミシュラン三つ星レストランへの挑戦 ~これまでの御礼と、ひと区切りのご挨拶~

東京・港区白金のフレンチレストラン「ラ クレリエール」のオーナーシェフ柴田秀之が日々考えていることを綴っているnoteです。2020年10月「ミシュラン三つ星レストランへの挑戦」からスタートし、「クレリエールの料理」を経て、連載第3弾は「クレリエールを今から100年続くレストランにする」をテーマに食材や生産者さんとクレリエールのお話をしてきました。
★過去の連載は文末にリンクがございます。ご一読いただけたら嬉しいです。

2020年10月8日に「ミシュラン三つ星レストランへの挑戦」をお伝えするためにスタートしたこのnoteですが、僕の中で第1段階がクリアできたため、今回でひと区切りとさせていただくことにしました。

ひと区切りの振り返り

コロナ禍の中、料理以外のことに初挑戦をし始めた2020年。当時、「ミシュラン三つ星を目指す!」と宣言した僕のもとには、応援の声と共に、いや、それよりも遥かに多い批判の声が届いていました。当然来るだろうと覚悟していたので批判されること自体は何とも思わなかったのですが、宣言の真意というか、僕の伝えたい事が伝わっていないことがもどかしくモヤモヤしていたところでした。そんな時に提案いただいて始めたのが、このnoteです。

最初は戸惑いました。僕の話が面白いものになるのか分からないし、読み物になる話ができる自信もありません。でも、迷ったのは一瞬。すぐに「やってみよう!」と決めました。興味を持てたら何でも挑戦しようと思っていた時でしたし、noteの課金制度にも興味がありました。別に「そこで稼ぎたい」というのではなく、僕が喋ったこと=料理以外で自分が作り出したものの価値が可視化される仕組みは、今後のクレリエールの一つのピースになるかもしれないと感じたのです。

約1ケ月後に連載開始。先ずは「なぜミシュラン三つ星を目指すようになったのか」を伝えるために、僕のこれまでを綴ることにしました。だって僕は「独立」を目指した20歳の時から「三つ星」を目指していたのですから。批判の多くが僕の宣言を単なる話題作りと決めつけていたこともあって、そうじゃないことを伝えたかった。それに、僕の「レストラン観」「仕事観」「フランス料理観」などを知っていただくことで、なぜそんな宣言をしたのか、僕の真意が少しでも伝われば・・・という思いもありました。連載は約9ヶ月、全32回で終了。その後は、料理を切り口にさらに掘り下げた「ラ クレリエールの料理集」を経て、レストランを取り巻く周辺に視野を広げた「100年続くレストランを目指して」へと続き、今に至ります。

ドキドキの初note

面白かった!

振り返っての感想は、「面白かった!」。それに尽きます。
instagramなどでもお伝えしていますが、僕自身はnoteの文章は書いていません。担当の外部スタッフがインタビュー形式で僕に質問をし、その回答を元に文章を作っています。もちろん、公開前に必ず僕が確認して、少しでも違えば納得のいくまで直します。だから、書く作業をしていないだけで、僕の言葉に間違いありません。

「面白かった!」というのは感情の話だけでなく、思いがけない副産物があったからでもあります。
自分でも驚くほど「最後のご挨拶」が上手になったんです!
「最後のご挨拶」というのは、いわゆる「シェフのご挨拶」のこと。シェフが食後のお客様のテーブルに伺って来店のお礼と一言二言お話をする、あれです。短すぎると素っ気ないし、事務的に感じるお客さまもいらっしゃる。反対に長すぎると客さまには煩わしく、お食事の余韻も壊しかねません。僕自身、お客さまからお話や質問がなければ、15秒程度が望ましいと考えています。たかが15秒、されど15秒。実際にクレリエールのサービスを受けてクレリエールのお料理を召し上がったお客さまに、その上、何をどこまで伝えるか?

Noteのインタビューは大抵1~2時間ほど。その中で、自分の考えを様々な角度から見つめ直し、伝える作業を重ねていきます。そうして次々と放たれる質問に答えるうちに、自分の考えがどんどんクリアになっていきました。さらに、自分の話したことを第三者の文章で改めて読むことで、言葉で伝える難しさを学び、伝える技術も磨くことができました。その成果を、お客さまとの大切な15秒で実感しています。

自分がこれから先にやろうとしていることは、自分ひとりではできません。いろいろな方々に手伝っていただかないとたどり着けないゴールです。そのためにお話をする機会は増え、伝えるべきことを的確に伝えられる技量もいっそう求められるでしょう。その時にnoteに取り組んだ成果は必ず活きてくると確信しています。そんなこと、noteを始めようと思った時は想像もしませんでした。本当に、面白いですよね。

次の段階へ!

今回、ひと区切りと考えた理由は大きく2つありました。一つは、いま伝えたいことはある程度伝えられたと思えたこと。もう一つは、noteにかけていた時間をもっと他のことに使いたいと考えたことです。2020年からレストラン ラ クレリエールとして、柴田秀之として、様々な形で情報発信をしたり変化を試みたりしてきました。そうしたアウトプットに注力した段階から、次はまたインプットに重点を置く段階に進むべきだと判断しました。アウトプットの量や質はインプットの量や質に直結します。ストックがまだある内に、数多くの良質なインプットを積極的に取り入れていきたい。そのために時間を使っていきたいと思っています。

とはいえ、まったくアウトプットしない訳ではありません。レストランで新しいお料理も出しますし、noteで産地訪問やイベントのご報告をすることもあるでしょう。「アウトプットしたい!」と思うことがあれば、バンバン出していきます!(笑)
ですので、noteはクローズしません。クローズどころか、次の展開を楽しみにしていただきたい!と思っています。そのご期待にしっかりと応えられるようインプットしていきますので!!

2022年のnoteはこれがラストとなります。
今年もありがとうございました。
noteをご覧くださった方、いいねをくださった方、お店に足を運んでくださった方、レストラン ラ クレリエールや柴田に関心を持ってくださった方、そして応援やお力添えをくださった方・・・
心より御礼申し上げます。
そして、2023年も全力でまいりますので、引き続きチームクレリエールをよろしくお願いいたします。

2023年が皆さまにとって健やかで幸多き一年となりますようお祈り申し上げます。

★過去の連載はコチラからご覧ください。

最初の連載「ミシュラン三つ星レストランへの挑戦」はコチラからどうぞ

 → 第一章 レストランのシェフになる
 → 第二章 プロの世界へ
 → 第三章 「料理長」を見据えて
 → 第四章 レストラン ラ クレリエール
 → 第五章 オーナーシェフの「仕事」
 → 第六章 ミシュラン三つ星を目指す

2つ目の連載「料理集」はコチラからどうぞ

 → 「ラ クレリエールの料理集1(第一皿~第五皿)」
 → 「ラ クレリエールの料理集1(第六皿~第十皿)」

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このnoteを初めて読んでくださった方へ
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はじめに初めまして。ラ クレリエールの柴田です。
白金でフレンチレストランのオーナーシェフをしています。
2020年のコロナ自粛の間、レストランのあり方や自分が今後進むべき道など色々と考えました。その中で「ミシュランで三つ星を獲得すること」を一つの指標として強く意識するようになりました。
そして、どのようにすれば三つ星を獲得できるのか、三つ星にふさわしいと皆様から認めていただけるのか、日々、考えたことや行動したことを記録に残そうと考えました。
ご興味を持っていただけたら幸いです。

お店の公式Facebook、youtubeチャンネルもご覧ください。


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