【MMPI研究】MMPI-2に学ぶ妥当性尺度 ~妥当性尺度の基本(トレーニングスライド前半)
「MMPIでMMPI-2を使う」ことを目指して学んでいます。「MMPI2(by1)」計画と呼んでます。その学びの一端をシェアしたいと思います。本ノートはMMPIヘビーユーザー向けです。
以下は、MMPI-2トレーニングスライド、なるもの。今回は前半。妥当性尺度の基本について。
検索すると結構でてきます。出所もミネソタ出版とか心理検査会社のPearsonclinical社です。かなりオフィシャルな見解なのでしょう。
MMPI2(by1)計画には、「解釈テキストがほしい!」と考えて探していたら行き当たったものです。これが、現行のMMPIユーザーにとっても、以下の視点はとても有益です。現在入手可能な日本語のテキストの中でも、以下のようにスマートにまとめているのはなかったように思います。本質的にはMMPIもMMPI-2も同じ要素があります。妥当性尺度はバージョンが改まってもその本質と使い方はかわりません。まさにMMPIのアドバンテージ。
いやはや、すごいですねえ。少しコメント添えます。
まず冒頭スライド1の「印象管理」、これはちゃんと心理学用語ですね。
印象管理によって、結果がかわるぞ、という知見はMMPIならでは、でしょう。代表的なのが人事評価とか入社面接。こういう状況下だったらだれだって「よくみられるような」態度をとります。それが回答に影響するんですね。いわゆる「受験態度」。
整理の仕方がぼくとしてはとてもすっきり理解しやすくていいです。「内容ベースcontent-base」「非内容ベースnon content base」は、項目内容を基礎とした反応かそうでないか、という視点でしょう。それを上位概念として、それぞれ非内容ベースは「無回答」「ランダム回答」「とらわれ回答」。内容ベースは「過剰報告」「過少報告」としています。ざっくりとらえれば、MMPIのLFKの逆V字パタンは「過剰報告」、V字パタンが「過少報告」。「とらわれ回答」の「黙認Acquiescence(yea saying)」「反・黙認counter-Acquiescence(nay saying」も心理学用語。(APAのサイトにのっています。yea saying https://dictionary.apa.org/yea-sayin nay saying https://dictionary.apa.org/nay-saying)
「なんでもはいはいってこたえちゃう(yea saying)、なんでもいやいやいっちゃう(nay saying)」と理解しています。(なお原文はFIxed responding。
fixed「固定された」。とらわれ、としてみました)
そして最後の一覧が、各妥当性尺度が、妥当性を脅かすどの「脅威」を、測定しうるか、を示しています。なるほど。MMPIをお使いの方も、VRIN→CLS、TRIN→TPer、としてみれば(多少難ありですが)、同じ視点でみることができます。来るべきMMPI-2に備えることができますし、あらためて妥当性尺度を検証してみなおすことができるでしょう。
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