【論文紹介】日本では東京が成功しやすい?|クラウドファンディングによる資金調達の成功要因 ―実証的研究と日米比較―(2018)
こんにちは、本日ご紹介する論文は2018年に出された『クラウドファンディングによる資金調達の成功要因 ―実証的研究と日米比較―』です。
こちらの論文は要旨は以下の通りです。
日本の購入型クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」のデータを用いた実証分析を行い、米国の「Kickstarter」を対象とした研究と比較した結果、以下の 3 点が明らかになった。
第一に、日米ともに目標金額と募集日数の増加により資金調達の成功率が下がり、積極的な PR により成功率が上がる。
第二に、動画の使用が成功率向上に有効とした米国での研究結果に対し、日本では動画が成功率に影響を与えるとは言えない。
第三に、日本では首都圏に所在する資金調達者が実施したプロジェクトの成功率が高い。
これらは、今後の日本のクラウドファンディングの発展過程の理解に資すると考えられる。
(太字は私が)
先日ご紹介した、中田敦彦による「成功するクラウドファンディング」解説動画では、50万円以上のプロジェクトでは動画の有無で20%も成功率が変わるとありましたが、この論文による研究では少し違う結果になりましたね。
動画が必ずしも無駄になるとは言いませんが、作成には手間がかかります。動画作成はプロジェクトのPRにおいて、プライオリティ低めでも良いのかもしれません。
この研究で、特に目を引くのが3つ目の結果です。資金調達者の所在地が首都圏所在(東京・神奈川・埼玉・千葉)だと成功率が高いそうです。
確かに、人、モノ、情報、お金の流れは東京などの首都圏に集中していますけれど、私は地方で活動している人間なので、ちょっとこの結果は悲しいですね。なんでも首都圏一極集中なのかと。
最後になりますが、お時間があれば、この論文はゆっくり読んで欲しいです。特にクラウドファンディングをこれから始めようと思われている方にはぜひ。
と言いますのも、クラウドファンディングに関する先行研究を丁寧に押さえているので、この部分を読むだけでも勉強になります。
論文はこちら