女子大生、オナホを売る【要約/リコピン】
まいど英也です!
今回は『女子大生、オナホを売る』をご紹介いたします。
インパクトのあるタイトルですが、中身はいたって真面目。
とても学ぶことが多いマーケティング本です。
難しい言葉を使っておらず、素人の方でもわかりやすくマーケティングを理解することができます。
著者である神山理子(リコピン)さんが明治大学商学部在籍中に、D2Cブランド(※Direct to Consumerといって直接メーカーが直接お客さんに販売をするブランドのこと)を立ち上げ、なぜかオナホ(*)を開発してAmazon売れ筋ランキングで4位というヒット商品にするまでの顛末を描いた一冊。
エロが苦手だった女子大生がオナホを開発し、成功するまでの過程が綴られています。
WEBマーケティングについて知りたい人や勉強したい人、集客したい、またはいい商品やサービスをつくりたい人。
副業、起業、新規事業をしたいと思っている方にぴったりな一冊です。
今回も個人的に良かったところを何点か解説していきたいと思います!
それでは早速参りましょう!
勝てる事業領域を選べ!
リコピンさんはどんな領域でもまずは、顧客の本当の悩みを発見し、それを解決するコンセプトを設定すること。
コンセプト力で売れるコンテンツを作ることが大切だといいます。
以下の条件で当てはまる市場を選定するのがよいです。
■ クリエイティブな要因で勝負している。
オナホールは「男性器は人によって違う」ので、レビューがあまり参考にならず、パケ買いやなんとなく買いなど、消費者の感覚で購入されていることが多いことがわかった。
→明確に買う理由のあるコンセプト力の高い商品を開発すれば勝ちやすい。
■ 買う側が冒険できる。
繰り返し使えるオナホの価格相場は3~5,000円台。
→価格が手ごろで、購入したものが失敗でもそこまでダメージにならないモノがよい。
■ 満たす欲求(=3大欲求+承認欲求)が深い。
人間の三大欲求は言わずもがな、ですが、最近はそれと同等に承認欲求を満たされたい人が多い。
「人に認められたい=承認欲求」はもちろん、「自分を認めてあげたい=自己肯定感を高く持つこと」にもとくに若者は敏感。
■ 決済者と受益者が異なる。
自分用に買うものには厳しい予算設定をして少しでも安く買おうとする人が多い判明、プレゼントなど、他者のために購入するものになった途端に予算の幅はゆるみがち。
■ 未解決の深い悩みがある。
「男性器は人によって違う」ので、良いかどうかは買ってみないと分からないけど、買うかどうかはパッケージしか判断する余地がない。
ユーザーのニーズというのはあらゆるところにあり、実は解決されていない問題ばかりかもしれない。
「どれを買ったらいいか分からない」の奥に潜むニーズは「自分に合うオナホを買いたい」。
この領域にユーザが買うべき理由がある商品を投入すれば良い。
顧客の本当に欲しいもの(インサイト)の発掘方法
事業の成功には良いコンセプトは必須です。
良いコンセプトとは、良いインサイトに突き刺していること。
インサイトとは、消費者の購入行動の動機・根拠のことを指します。
良いインサイトを見つけるとは、
『顧客の気持ちを顧客以上に理解し、彼らすらも気づいていない悩みを見つけること。』
その悩みを解決するのがコンセプトであり、事業となります。
では、どのようにインサイトを見つけるのでしょうか?
思い込みを排除し、本音を探るインタビューを通して見つけます。
ポイントは、顧客の欲求を深く理解するため、たった一人に突き刺さるインサイトを見つけること。
市場全体をとらえるというよりは、細かくペルソナを設定し、たった一人に突き刺さるコンセプトを徹底的に突き詰めることで、そのペルソナに合う人の心をわしづかみにします。
インタビューについて
事前準備:共通認識や行動パターンなど顧客の世界観を把握する
前半:本気で相手に興味を持ち、どうして?と思考を深堀する
→本音を引き出すことに注力する
後半:前半の話を踏まえて、仮設を検証していく
このインタビューを通して顧客を理解し、深い悩みを見つけていきます。
良抜きんでたコンセプトとは?
性能要件
・顧客が未解決の悩みを解決できる
・同じコンセプトの商品が市場にない
→一般的な消費者目線を踏まえたうえで、今までにないものを創造するクリエイティブ力が必要。
今までにないものを考えるには、ほかの人がしていない自分だけの体験が役に立ちます。
もちろん、見つけたインサイトも考慮します。
表現要件
・商品の最大の特徴がすぐにわかる
・1文で表現できる
→購入する際の流れは
商品名で気になる
↓キャッチコピーを見て購入を検討
↓商品の詳細を確認し必要性を理解
です。
そのため、商品名やキャッチコピーにコンセプトを盛り込み興味をひくことが大切です。
また、キャッチコピーは以下に注意して考えるといいです。
コンセプトを語呂よく組み込む
使うとどうなるのかという理想の姿をイメージさせるもの
人は理想の姿に近づくために商品を購入するので、商品詳細まで確認してもらえれば、いくらでも伝えたい情報を伝えられます。そのため、商品名やキャッチコピーは本当に伝えたい情報にのみ絞りましょう。
↑ 本書で紹介されていたオナホ
結局行動力のあるぶっ飛んだ人が突き抜けていく
そもそもリコピンさんがオナホールを選んだ理由は師匠もある起業家bot氏から、「オナホールでも売ってみれば?」と言われたことがきっかけだそうです。
「なんでやねん!」と思いながらも改めてオナホールの市場調査をした結果、ワンチャン大勝ちできるかも…!!
と、オナホールにマーケティングの可能性を見出したそうです。
まず普通なら、100%冗談で片付けてしまうような一言を拾い上げて、徹底的に市場調査するところが流石、良い意味でぶっ飛んでいますよね。
しかもリコピンさんはビジネスハイパー女子大生。
今回のエピソードに限らず、
中学生の時ブログでバズっていたり、
高校生の時、学校で生鮭を焼いて停学になってアルバイトもできなくなったため、パソコンで音楽を売って収益を上げていたり、
20歳の時、シンガポールでインターンとして働いた会社でWebマーケティングの修行をし、音楽メディアを立ち上げ業界No.1になり、数千万円で売却。
マグロ漁船にひと月乗ったり、ヒヨコのオスメスを仕分けするバイトをした…など、数々の不思議な武勇伝がさらりと語られ、それらがビジネスの成功に結びついていく爽快感もすさまじい。
その行動力はオナホールの開発でも存分に発揮。
アダルトグッズ店から出てくる客やマッチングアプリで出会った人にオナホールについてとにかくアンケートやインタビューしまくったり、毎日16時間働きまくって過労になるまで続けたり…
マーケティングのリサーチとしては普通のことかもしれませんが、モノがモノだけになかなかできることではありませんよね。
極めつけはオナホ使用中の"リアルタイムインタビュー"…..
「友人に他社のオナホの使用レビューを電話で聞く予定だったんです。でもなかなか電話がかかってこないので、こちらから電話したら、ちょうど使っている途中で『待って、待って、今やってるから!』って言われたから『じゃあ今教えて!』って。
終わってから感想を聞いても、賢者タイムで落ち着いちゃって、感想が変わっちゃうんじゃないかと思ったんですよ。
終わる前に聞かないとダメだと。
最初はたまたまでしたが、ほかにふたり、リアルタイムでレビューを聞かせてもらいました。
みんな、ビジネスをしている友人で意図を伝えたら『マーケティング的にはそうだよね』と納得してくれたので、ありがたかったです」
当然本書に記載されているマーケティングの基礎は絶対に大事ですが、やっぱ最終的にビジネスで勝てるかどうかは行動量に集約されるような気がします。
リコピンさんは「やらないと気が済まない」といいますが、衝動性は言い換えれば、行動力。
理由はともあれ、多岐にわたる好奇心と突発的な衝動性が合わさることで、多面的な知識や経験を身につけられたのではないでしょうか。
現代はモノが溢れ、どこもかしこもレッドオーシャン。
お客の奪い合いで、新規参入する余地がないように見えます。
しかし、じっくり市場を見てみればまだまだ入り込む余地があります。
どんなこの本を読めば考え方でビジネスを考えれば良いか分かります。
WEBマーケティングの基礎的なことを中心に、非常に勉強になる一冊。
WEBマーケティングをこれからやる人や、初心者の人にでも、とても読みやすく、とっつきやすいのではないでしょうか。