見出し画像

映画大好きポンポさん、もう終わっちゃうの?(ネタバレ、追記あり)

もう当地での上映が終了してしまうというので見に行ってきたのはこちらにも追記したのであるが、全国的には上映が拡大されると言うし、今後videoになったとき見てもらいたい、あるいは原作を読んでほしいという思いからポンポさんを語ってみたい。

ノベルティグッズに映画のセリフを取り上げた万年日めくりカレンダーがあったので、わざわざ通販で取り寄せたのであるぞ(*^^*)

というわけでこの記事タイトルの写真もそのカレンダーから。けだし名言。ほんとに映画の魅力の一つはこれにつきる。別記事にも書いたが「夏への扉」も女優清原果耶の素晴らしい表情をたくさん見せてくれた。そしてこの映画では猫のピートの表情も素晴らしかったので、女優(ニャン優?)として扱われていたのであるな?

今気づいたけど、このカレンダーを紹介するのってめっちゃネタバレやん?そうなると見ていない人を焚きつける記事にはならないなぁ、どうしても。ということで見た人限定、またはネタバレ気にならない方限定で読んでくださいね。未見の人はここまでで退出して、映画見てから改めて来てくださるようお願いしますm(_ _)m

ということでカレンダーの名言の続き;

幸福は創造の敵

このセリフもグサっときた。自分の中に満たされないものがあればあるほど、それは創造の源になりうるのだ。リア充に作れるものなんて知れている、と言われれば、急に何もなかった自分の人生が宝の山に思えてきてしまう?


しかしそこで持ち上げただけでは終わらずに、それも単なる要素の一つに過ぎなくて、結局は納得の行くものを創造しようとすれば、リア充であろうがなかろうが自分を追い込むことでしか到達できない場所があるのだ。それは、クリエイターならば、表現者ならば誰でも通る道。それをしっかりと描いてくれている。

ということでカレンダーの紹介はここまでにして、映画の感想を語ると、原作になかったアランくんの絡んでくるオリジナル部分がアツかった!(でもあのプレゼン守秘義務的にはアウトだよね〜ってのは誰かも言ってたな。)
まあほんとに真似する人はいないだろうから、あくまでも映画の中のお話。
なにせファンタジーワールド「ニャリウッド」なのだから!

それから作中映画MEISTERのストーリー上での「足りない」部分と、ジーンくんにとっての映画製作の上で「足りない」ものをぴったり合わせてくる映画オリジナルの演出はお見事!このバランスがピッタリだったから、90分でこの話を描ききることができたんだなと思う。

(7/25追記)『映画大好きポンポさん』をフィルムver.へ「リデザイン」/完成品試写にご招待!というクラウドファンディングが始まっています。

劇中、ポンポさんのおじいちゃん(ペーターゼン)は、倉庫で作業を行っていました。フィルムを切って貼って編集する、あの静謐な空間と時間。これは現在の作業工程上存在しません。映画はフィルムからデジタルの時代へと移り変わったからです。

この企画は、その「フィルム化する工程」を完全再現するプロジェクトです。

そのうえで、本来デジタル作品である『ポンポさん』にそれを施し、データにはない質感や味わい――かつての「名作ってやつの匂い」――を纏わせます。フィルム用にリデザインされた本作は、これまでとは違った魅力を見せてくれるはずです。

映画愛に溢れた原作とアニメ映画を応援してきた一人として、このような形で反響が広がっていることを素直に喜びたい。地方在住なので試写会に参加することはできないけれど、ファンディングに参加を検討している次第です。

         <>     <>     <>


あとは原作厨として、ポンポさん2や3の話も映像で見てみたいなぁ(*^^*)

筆者のお気に入りは2で、これもタイトル写真の名言(映画は女優を魅力的に撮れればOK)を裏付けるものでもあるけれど、ペーターゼン社をクビになったジーンくんの脚本に惚れ込んだベテラン女優ミスティアが、にわかプロデューサーとして資金集めに奔走するエピソード(実質的にポンポさん2の後半全部がこのエピソードなのだけど)。

スクリーンショット 2021-07-01 8.16.26

ぜひ原作を読んでほしいのでネタバレは控えるが、ミスティアの女優としての気高さが描かれたエピソードで、良い映画を撮ることしか興味がなく映画については妥協しないけれど、一般常識は全く持ち合わせていないジーンを支え、そうすることでまだ誰も見たことがない自分の美しさをこの監督なら映像にしてくれると見抜き、そのためには自分のできることは惜しまないという女優魂。そのことが結果的にポンポさんの意識にアツい気づきをもたらすラストの一言まで、本当に一コマの無駄もなく、すべてのセリフが名言と言って良いほどスッキリと構築されたお話。

そして3でも、ミスティアの女優魂が炸裂する。

ミスティア

ベテラン女優としてのミスティアは、ジーンを「女優としての自分を美しく撮ってくれる監督」として好意的に見ており、「是非自分を主演女優として撮って欲しい」と協力を惜しまない。それがミスティアの夢の実現につながると見抜いているから尚更のこと。しかしまだ一般常識が残っている新米女優ナタリーは、ジーンを「映画を撮ること以外はダメ人間」と見ている(どちらも正しい)という対比から引き起こされるドタバタ(そういう監督として「ジーンが好き」というミスティアの一言に慌てるナタリー)も楽しい。

ジーンのダメ人間ぷりを後押しするペーターゼンおじいちゃんの一言にも笑った(^o^) 職人監督ばかりになった(別に悪いことではないが)現代ではもうこんな豪快な映画監督はいなくなってしまったのであろうか?


原作者は、薀蓄を語りすぎずに映画愛をマンガとして表すことに本当に優れているので、「90分で終わる映画が素晴らしい」とストーリー内で語っていることと言行一致(?)させるかのように、マンガのコマ運びも無駄がなくテンポよくスイスイと進み、あっという間に読めてしまうのに何度も読み返したくなるエッセンスが詰まっている。

本当は2で終わるつもりだったのかな、と思わせるほど見事なラストでの****回収の見事さもぜひ多くの人に味わってほしい。次回の映画化では、2や3やオムニバスを合わせての映像化も期待したい(*^^*)

思えば映画でミスティアの登場シーンが増えたオリジナル部分では、ちゃんと2や3で語られる彼女の性格やベテラン女優としてのプライドを押さえた上で構成されているのもGOOD!

(7/25改変)クラウドファンディングの一報を受けて、ぜひ続編を作らせてもらえる流れを期待したいな(*^^*)




いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集