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良いエージェントの見分け方~現役転職エージェント+転職エージェント利用経験者の、両方の立場から解説~

現在、日本国内の人材紹介会社は25,684ヶ所(2019年時点/厚生労働省「職業紹介事業報告書」より)あり、コンビニエンスストア最大手のセブンイレブンジャパン総店舗数21,353店(2022年9月末、公式HPより)を上回るまでになりました。

様々な会社がある中で、よく複数社登録した方が良いと言われますが、その理由としては、

  • エージェントによって得意分野が違うから

  • エージェントの担当者との相性があるから

  • そのエージェントでしか取り扱っていない求人案件があるから

等があると思います。

私自身、これまで在籍していた転職エージェントは、エージェント業界内では準大手、外資系、中小企業(現在はココ)に所属。
自分が転職をする時にエージェントにお世話になった経験もあります。

それらの経験から、上記3点は正にその通りと思います。
実際私自身も、利用者として複数社(大手、中堅、小規模まで)利用していて、それぞれのメリットを享受していました。

一方、実際に転職エージェントを選ぶときに、「評判の良いエージェントはどこ?」「転職エージェントの選び方は?」という事もよく話題として上がります。

これについても、

  • 大手の方が求人をたくさん持っているので、1社入れた方が良い

  • 業界に強い会社を選んだ方が良い

  • キャリアアドバイザーとの相性が一番大事

などと言われています。
これらについても、私も正にその通りだと思います。

改めて、人から「良いエージェントの見分け方って何ですか?」と聞かれた時に、どのように答えるかを考えたことがあるのですが、私の意見としては、

”自分の転職活動の進め方”に合うエージェントを検討する

を持っています。

その結果として、

数多くの求人を紹介してもらえたほうが進めやすいと思う方は大手を利用する。
専門職で詳しい人でないと相談がしにくいと思えば、専門特化型エージェントを利用する。
細かいこと含めて色々質問したい、相談をしたいとなれば、相性第一でエージェントを選ぶ。

という選択になってくると思います。

良いエージェントというのは数多く存在していますが、AさんにとってエージェントC社が良い会社であったとしても、Bさんには合わない、という事もあります。

この記事では、求職者が志向する転職活動の進め方毎に、どういうエージェントが合いやすいかを解説いたします。

なお、この記事は特定のエージェントを広告宣伝したり批判する意図はなく、私が所属する会社を推すことも目的としていません。
「おすすめエージェント」という形で具体的な会社を取り上げることはありませんので、その点をご理解いただければ幸いです。

① 数多くの求人を見て、沢山の案件にどんどん応募をしていきたい

この考え方の場合は、大手のエージェント会社を1社以上利用しての活動が合っていると思います。

大手エージェントの強みは、求人数とシステム化されている点にあります。
希望条件や年齢等にもよりますが、10件単位で数多く案件を紹介してもらえます。
加えて、大手エージェントはシステム化が進んでおり、一度希望条件を伝えると、その条件に基づき定期的に紹介されるため、求人に関する連絡が絶え間なくきます。

10件20件とドンドン応募をしていきたい場合、求人数はどうしても必要になるため、大量に案件を紹介してもらえるエージェントは有効です。

また、離職して転職活動をする場合は、在職中の人以上に面接を受けられる時間ができるので、案件を多く持つ大手エージェントは有効です。

留意点①:何社応募できるかを確認する

特に在職中の人は、事前にひと月で何社位の面接が受けられるか?そこから逆算して何社位なら応募ができるかを確認する必要があります。

在職中の人は普段の仕事があるため、物理的に面接を受けられる社数が限られてきます。大量に応募をしたいと考えていても、実際にそれができないことが多くあるからです。

また、大量に紹介をする大手エージェントは、大量応募を勧めてくる傾向があります。
大量応募に対応できる状態であれば問題ありませんが、それが難しい場合、エージェントからの案内、連絡が精神的な負担になる可能性もあります。

物理的に、自分が何社くらい応募できる状態なのかを確認してからの利用が良いでしょう。

▼なお、何社応募すればいいのか?については、下記の記事でも解説しています。宜しければご覧ください▼

留意点②:自分で判断していく

大手エージェントのようにシステム化が進んでいる会社は、定期的に一定数以上の案件を紹介してもらえる強みがある一方、機械的なマッチングであることから、自分の希望に合わない案件もどんどん紹介されるという事が起こります。

また、大量応募を勧めてくるエージェントは、エージェント都合の考え方として一定以上の応募数を担保したいがために、希望に合わない案件でも案内し、応募を勧めるという事も実際に起こっています。

さらに、サービス体制として、求人企業担当と求職者担当(キャリアアドバイザー。通称CA)が分かれている分業制を取っていることが多くあります。

CAは、一部の例外を除いて通常は企業対応をしていないため、求人企業の事やその会社での仕事に精通しておらず、案件の事に詳しくないという可能性があります。

そのため、色々案件を紹介された中でも、それを自分の目で精査して、自分の判断で取捨選択することが求められます。
紹介された案件数が多くなっても、自己判断のもとで管理する。その余裕がある人の方が、大手エージェント利用は合っていると思います。

② 自分に合うと思える求人に絞って応募をしていきたい

在職中の方であれば、限られた活動時間を有効に使いたい、できるだけ負担をかけず効率良く進めたい、という方などはこのように考える方もいらっしゃるでしょう。

この場合は、業界特化型エージェントで、できれば企業担当と求職者担当を同じ人間が担当している両面型(または両手型)のエージェントが合っていると思います。

業界特化型は特定業界に精通しているため、案件紹介も深い専門知識に基づき合っているものを厳選して紹介する傾向があるからです。

また、両面型は企業、求職者の両方と接点があるため、求職者から見れば企業とその案件内容に精通しており、企業から見ても求職者の事を深く知っている担当者として信頼されていたりします。

仮に大手エージェントでも同じ案件を持っていたとしても、中身の詳しさや得ている情報は、業界特化型エージェントの担当者の方が上、という事もあります。

求人を絞って応募したい場合、合う確率の高い案件を紹介してもらえる傾向があります。

留意点①:担当者が持っている求人の数

両面型エージェントは、企業側対応と求職者対応の両方を仕事としているため、求人案件の数でいくと物理的に分業型よりも少なくなる傾向があります。

在職者の人で面接を受けられる社数が限られていたとしても、とはいえある程度応募数を担保しておきたい、と考える場合は、この会社だけを頼るのではなく、類似のエージェントにも紹介を依頼するなどの対応が必要になります。

留意点②:特定の企業推しになっていないか?

両面型エージェントの担当者は、担当企業の採用支援をしている立場でもあるため、中には求職者の意向よりも、その担当者が決めたい求人案件に無理やり決めさせようする所も存在します。

求職者本人の意向を、きちんと組む担当者であるかを判断することが必要です。

③ まずは色々な求人を見ながら、自分のペースで応募をしていきたい

求人情報を色々見たい、かつ応募可否はじめ連絡対応なども自分のペースでやりたい、という人がエージェントを利用したい場合は、大手エージェントの方が合っています。

エージェントからの求人紹介やそれに関連する連絡などが来ても、その都度返信することに煩わしさがあり、マイペースに求人を見て、自分のタイミングで返信などしたい、という場合。

求職者がその対応を続けていると、エージェントとしてはどうしても積極的な連絡をしないようになってきます。

但し、大手エージェントの場合はシステム化が進んでいるため、システムで自動的に求人紹介の案内を受け取ることができます。

システムですので、それに対して毎回返信などをする必要がなく、その点での気楽さがありますので、その点を活用するという考え方もあります。

留意点:エージェント側は連絡がつく人を優先して対応する傾向がある

エージェント側も仕事紹介は信用ビジネスとして行っています。
企業側と信頼を作るには、求職者と連絡が取れる状態を作っておくことが必要不可欠となります。
そのため、エージェントの立場としては、連絡がきちんとつく人を優先して対応する傾向があります。

システムでの紹介はあくまで機械がやっているため、きめ細やかなサポートを受けようと思えば、やはり人に対応してもらう必要があります。

そのためには、連絡対応に煩わしさを感じる人であっても、ある程度その点は辛抱をして頂いた方が、きめ細やかなサポートを受けられやすくなるでしょう。

④ すぐの転職は考えていないが、興味が持てるような会社を提案された時に応募を検討したい

基本、応募数は絞り、且つ求人の中身もよく理解するという点で、業界特化型で出来れば両面型エージェントが合っています。

留意点:一定の積極性を持つ

転職ありき、応募ありきというスタンスでないことが行き過ぎて、要望が多くなりすぎ、結果として、エージェントから見て求人紹介が難しくなる人も一部出てきたりします。

また、求人提案をされても、受け身が行き過ぎて連絡をきちんとしない(特に応募を希望しない案件だった場合など)人もいたりします。

勿論、エージェント側からの提案の内容が求職者の希望を的確に捉えていなければいけませんが、もしピンと来ない求人であれば、どういう理由で求人を紹介されたのかをエージェントに質問するなどしてコミュニケーションを取ることが必要です。

その質問によって、実はとても良い案件であるという事が分かる場合もあります。
また、結果として応募をしないとなっても、エージェント側もそのやり取りを通じてその求職者の理解が深まり、次はより合う案件を紹介する可能性が出てきます。

自ら連絡する、質問するなどの積極性を持っていただくと良いでしょう。

⑤ まとめ

どの転職活動の進め方を取るにせよ、まず自分がどのような進め方をするのか?それに合わせてどのようにエージェントを利用していくのか?という考えを持つことが、自分に合うエージェントに出会えるポイントになってくると思います。

エージェントによって得意分野やスタイルがあり、どれが良い悪いという事はありません。
自分の活動の進め方に合うかどうかで、検討されると良いでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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