書類選考の通過率はどのくらい?~通過率を決める要因~
求人案件に応募をして、最初に直面するのが「書類選考」
面接に進むために、どのくらい応募をすればよいのか?を考える時に、書類選考の通過率がどのくらいかを知りたいところだと思います。
また、応募しても面接にすら進めず書類で落とされ、気落ちしている時、ふつうはどのくらい面接に行けるのか?と気にする方もいらっしゃるかもしれません。
私は転職エージェント、再就職支援と併せて12年間、転職支援を経験し、私自身も5回転職を経験。
現職では採用業務もしており、企業に推薦をする立場も、自分自身が求職者として応募する立場も、採用担当として書類内容を検討させていただく立場も経験してきました。
この記事では、書類選考の通過率は実際どのくらいなのか、について解説いたします。
尚、私は転職エージェントとしての経験が一番長く、エージェント経験を中心として、他の応募方法について勉強したこと、自分自身の経験とも組み合わせてお話をいたします。
この記事で不足している情報などがありましたら、コメント等を頂ければ幸いです。
① 書類選考の通過率
書類選考の通過率ですが、一つの目安としては30%となります。
転職エージェント業界内では、応募数 → 1次面接数 の目安を30%としております。
私自身も、転職エージェントの仕事して、現在専門でやっている技術系以外にも、営業系、管理系、事務系など他の職種でもやってきました。
また、年によって少し波もありましたが、だいたい30%くらいで落ち着いていました。
1-1 書類選考の通過率が上がる要因
30%と言っても、あくまで「目安」となります。
応募する職種、年齢、その求人の人気、採用企業の選考基準などが変動要因となります。
通過率が上がる要因としては、下記が挙げられます。
自分の経験と職種が合っている
転職回数が少ない
企業側が求めている年齢層と、自分の年齢が合っている
その求人に、あまり応募がきていない
企業側からすれば、求めている経験や年齢層が希望に近ければ、即戦力が欲しいと思う中では、それだけ面接で会いたいとなってきます。
なかなか応募者が来ず、面接すらできなくて困っていれば、面接を組みたい、という気持ちになる会社も出てきます。
1-2 書類選考の通過率が下がる要因
逆に、通過率が下がる要因としては、下記が挙げられます。
未経験、または経験があまりない職種である
転職回数が多いと判断される
企業側が求めている年齢層と、自分の年齢が合っていない
応募者がたくさん来ている
通過率が上がる要因とも併せて考えると、企業側のニーズが合うと思える時に上がり、そう思われない場合に下がります。
1-3 目安は、有効な指標になる
前述のように、変動要因は色々とありますが、仮に経験がピッタリだと思う求人であっても、企業側が求めている年齢とはズレていたり、応募者が非常に多い人気企業であったりすると、通過率は下がります。
逆に、未経験、または経験があまりない仕事であっても、未経験でもいいので若い人が欲しい、と企業側が思っていれば、若い方でしたら通過率は上がったりもします。
上がる要因1つ - 下がる要因2つ = 下がる
上がる要因3つ - 下がる要因1つ = 上がる
といった、加点減点もあったりするので、一定の期間でならしていくと、だいたい30%というところに落ち着いていたのだと考えられます。
求職者一人一人の状況により変わってきますが、目安は参考としていただいてよいと思います。
ちなみに、私が43歳で5回目の転職をした時は、書類選考通過率は28%(40社応募 → 7社面接)でした。
ただ、私が当時応募していた案件は、人材系業界の会社と、業界不問で人事職(採用担当)の大きくは2種類の案件に応募していました。
通過率の内訳は、下記の結果でした。
お蔭様で、業界経験に近いところはかなり通過しましたが、未経験職種の人事はほぼ通過しませんでした。
そして、全体をならすと28%。
私の一個人の結果ですが、参考情報になればと思います。
② 応募方法別 通過率の変動要因につながる特徴
求人への応募方法は、大きく分けると次のようになります。
転職エージェント経由
一般応募
ハローワーク経由
知人紹介
2-1 転職エージェント経由
転職エージェントの担当者が、求職者の希望や職歴などを考慮して、求人を選んで紹介し、求職者が応募を希望した際に、応募(推薦)となる形です。
この方法の特徴は、次のようになります。
エージェント側が選定する分、企業側が求めるスキル、年齢に合う確率が高くなる。
求人企業と関係が深い案件であれば、エージェントの信用度も加味されて通過率が高くなる。
求人企業は、成果報酬をエージェント側に支払うため、選考基準が一般応募などよりも高くなる。
2-2 一般応募
リクナビ、マイナビ、エン転職をはじめとした、自己応募型の求人募集。
最近流行っている、企業側からのスカウトメール(ダイレクトソーシング)も含みます。
この方法の特徴は、次のようになります。
エージェントのように、スキルなどで事前にふるいにかけられない形になる為、応募者数自体は集まりやすいが、スキル、年齢に合わない確率も高くなる。
求人企業は、広告掲載費は支払っているものの、追加の支払いはないため、その分、エージェント経由ほど選考基準が高くならない可能性がある。
2-3 ハローワーク経由
ハローワークは、ハローワーク担当者からの「紹介状」を得て、ハローワーク担当者の指示に従って応募をします。
この方法の特徴は、次のようになります。
ハローワークの案件は、様々なルールから「年齢不問」「経験不問」としている案件が多く、応募の間口が広い反面、スキル、年齢が合わない確率も高くなる。
ハローワークは「公共職業安定所」という何の通り、失業者をなくすことを目的の一つとしている。そのため、ハローワークの紹介担当者は、求人企業に対して「面接をしてください」というスタンスで、ある意味強気に接します。その影響で、通過率が高くなる。
求人企業側も、上記のハローワークの対応や、ハローワークとのお付き合い関係なども考慮して、面接をする確率が高くなる。
ハローワークには、求人企業は無料で掲載ができる他、条件により企業は助成金が得られるため、通過率が高くなる要因となる。
2-4 知人紹介
友人知人や、取引先企業、家族親族などからのつながりで、面接をセッティングし採用につながる、という流れです。
この方法の特徴は、次のようになります。
一定以上、求職者のことが分かり、信頼されている上で話が進むため、面接になる確率は高くなる(面接、というよりは面談、雑談のような感じなることも多い)。
信頼関係だけで話が進むケースが少なくないため、スキル面で実は合っていない、ということも起こりえる。
細かな求人要項がなく、口頭ベースで話が進むことが多いため、特に条件面で折り合わない、というケースもある。
③ まとめ
応募をたくさんしていても、思ったように面接に進まない、ということは起こりうることです。
人間の心理として、面接に進んだ数よりも、落とされた数の方がクローズアップされて、精神的に苦しい思いをする方も少なくないと思います。
その中で、まずは目安を頭に入れて、実際どのくらいの通過率なのかを確認しましょう。
その上で、これまでの応募方法と、応募時の変動要因を考えて、今の通過率が妥当なのか、何等か改善をしなくてはいけないのか、などを考えていくことで、応募活動がより効率よく、また精神的な負担も軽くなってくると思います。
最後までお読みいただきまして有難うございました。