職務経歴書の枚数は、実際何枚まで? ~ ”2枚でまとめる説”は本当か? ~
職務経歴書は、何枚が適切か?という疑問に対して、多くの転職エージェント、転職サイトなどで「2枚まで」と答えています。
理由としては、「採用担当者に読んでもらいやすい枚数」からと言います。
30~40代の社会人であれば、3枚くらいが適切とも言われます。
私は転職エージェント、再就職支援と併せて12年間、転職支援を経験し、私自身も5回転職を経験。現職では採用業務もしており、読む、添削、自分で書く、それぞれ経験してきました。
私自身の、「職務経歴書は何枚が適切か?」に対する考えですが、結論としては、
「収められるのであれば、3枚までにする」
と考えています。
確かに、3枚まででまとまっていれば、とても読みやすいと感じますし、キャリアが豊富な方であれば、3枚という制約がある中で、きちんと収めているという点で、能力が高いことを期待したりします(当然ですが、これだけで人のことなど分かるわけではありません。あくまでひとつの期待感として)。
ただ私の考えは、”収められるのであれば”なので、3枚を超えても、内容によっては何らマイナスにならないと考えていますし、4枚以上書いた方がむしろ良い方もいらっしゃると考えています。
(20代の方は、社会人経験が30代40代などの方より短くなるので、多くの方は2枚くらいで落ち着くと考えています)。
枚数は一つの目安として考え、それ以外に押さえるべきポイントがいくつかあり、それを押さえれば、枚数は極論、人それぞれと思っています。
これから、そのポイントと考えている事をお話をさせていただきます。
なお、以下は下記の架空人物を例えとして、説明いたします。
【Point1】読みたい内容がきちんと書いてある
書類選考をする採用側が、職務経歴書の中で何を読みたいかというと、
・ 募集職種に関係のある経験内容
になります。
Aさんが機械設計職を募集している会社に応募したのであれば、採用側は、機械設計経験に関係する内容がどこに書いてあるのか?と書類の中身を見ます。
そして、機械設計の経験が書かれている箇所を見つけたら、どんな設計をしてきたのか詳しく知りたいと思っています。
・開発した製品、設計業務全体の流れ。どの工程を担当していたか?
・扱っていたツール、開発のメンバー数、ご自身の役職
・仕事の成果
・その成果を上げられたポイント…
(詳しく知りたいとは言っても、面接の場でないと話せない内容、直接話した方が伝わりやすい内容、要点とあまり関係ない内容は、省略もします)
当然ですが、詳しく書けば、文字数は多くなります。
また、Aさんが13年勤めた3社目で、数多くの設計案件を経験したのであれば、経験した案件数だけ、書く内容も増えていきます。
採用側は、機械設計に関係ある内容は読みたいと思っているので、読みたい所が詳しく書いてあるのは歓迎です(後述しますが、まとまりがなく量が多いのとは意味が異なります)。
読みたい内容がきちんと書いてあり、その結果として、4枚5枚となっていても何ら問題はありません。
むしろ、3枚に収めてあるが内容が薄い方が、せっかく読みたい内容が分かりにくくなってしまいます(それでも前向きな採用担当であれば、詳しくは分からないけど、まずは会ってみようか、となることも多いですが)。
また、Aさんの経験内容であれば、現職の家業での仕事は、機械設計職という面では関連性が低くなります。
関連性が低い内容については簡潔にして、あまり紙面を取らないようにし、
関連性が高い方(相手が読みたがる内容)に紙面を多く割くようにします。
なお、Aさんの1,2社目は、期間が短く、しかもかなり前の話です。
特に1社目は、経験内容も直接の設計業務ではありません。
そのため、このケースでは、1,2社目も簡潔にしたほうがベターでしょう。
(採用企業によっては、1,2社目を目に留めるケースもあるので雑な書き方はしないこと)
【Point2】読みやすいレイアウトにする
読みたい内容とは言え、詳しく書けばその分文字数、紙面を多くとり、興味がある内容であっても読むハードルは高くなります。
そのため、読む側の負担などを考えて、読みやすいレイアウトにすることも重要です。
逆にこれができていないと、深読みする人事やベテランの方であれば、
・「経験は凄そうだけど、扱いにくいかも」
と、余計なイメージを与えかねません。
読みやすいレイアウトは、読み手の事を考えてするものなので、「読みにくい = 読み手(相手)のことをあまり考えない人」と結びつけるからです。
読みやすいレイアウトにするには、例えば、下記のようなものがあります。
パッと見た時に、なんとなく見栄えがスッキリしている、整理されているような印象を感られれば良いでしょう。
【Point3】収める所は収める
読みたい箇所については分量が多くなっても良い一方で、削れる部分はできるだけ削り、まとめられる部分はできるだけまとめて、紙面の削減に努めます。
例えば、
実際、これをすることで、当初5枚の職務経歴書であったのが、内容を全く変えずに3枚に収まったりすることもあり、結構使えます。
ちなみに、私が5回目の転職をした時は、5社分の経験内容を書いたのですが、最初は5枚半でした。
内容を整理したり、詰められるところは詰めまくった結果、3枚ピッタリに収めました。
私自身、なかなか書類選考が通らないのでは?と危機感を持っていたので、必死になって詰めまくりました(笑)
(詰め詰めで作ったため、十分な余白はなく本当にパツンパツンです)
まとめ
職務経歴書は”2枚でまとめる説”というのは、実際には非常に理にかなっているないようではあります。
2枚というのは、
・読みたい箇所を中心に書く
・その他は、簡潔にまとめる
・余分な余白、文字はカットする
・読みやすいレイアウトにまとめる
等が集約されていて、それが出来ている状態であるからです。
ただ、特に30代、40代、50代になれば、経験値、実績も増えてくるため、2枚はおろか、3枚でさえもなかなかその枚数でまとめることは難しいのではないでしょうか。
無理に詰め込むことで、読んでもらった方が絶対いい内容も伝わらない、となると、採用側としても好人材を見逃すことにもつながってしまいます。
私が考える、
「収められるのであれば、3枚までにする」
という考えは、
・まずは3枚までに収まるよう工夫をする
その上で、
・読みたい内容をきちんと伝えることが大切
この点を外さず、あとは経験内容の量に合わせて対応する、というのが良いと思います。
あとは、私が転職エージェントとして、転職支援をさせていただく立場としては、職務経歴書の枚数も個性の一つととらえています。
枚数に固執して、魅力的な部分が伝わりにくくなると非常に勿体ないので、枚数がある程度多くなっても、魅力・個性が伝わるのであればそちらの方が良いと思います。
(一例ですが、最近選考通過した方は、職務経歴書6枚でしたが、私の方で手直しは一切せず、そのまま企業側に推薦させていただきました)
最後までお読みいただきまして有難うございます。