バレンボイム/シカゴ響のブルックナー8番

最近、またブルックナーを聞きだしました。一頃、オペラと室内楽ばかり聞いて、交響曲はベートーヴェンしか聞かなかったです。先週、フルトヴェングラーの2種類のブルックナー8番、ショルティの5番などを聞いて、再びブルックナーにはまりました。

そこで、今聞いているのが、バレンボイム指揮、シカゴ交響楽団のブルックナー交響曲第8番の演奏です。1980年12月のスタジオ録音だそうです。

私はアメリカのオーケストラに偏見があり、これまでほとんど聞いてこなかったのですが、大変後悔しています。シカゴ交響楽団の金管セクションの音の良さはとても素晴らしいです。これからはアメリカのオーケストラの録音もたくさん聞こうと思います。

第1楽章ですが、なかなか良いです。なかなか金管が冒頭から強めで、剛毅な音です。個人的にはもう少し金管は弱くても良いかなとは思いますが、提示部の第2主題などとてもロマンティックな響きで聞きほれました。少し、フルトヴェングラーの演奏に似ている箇所もあるかなと思います。
先ほど金管が少し強めと言いましたが、これは私の好みで、逆に金管を常に弱めにすればよいというものでもないと思います。
ところで展開部のクライマックスで、指揮者の唸り声のようなものが聞こえる気がするのですが、気のせいでしょうか。同じことはフルトヴェングラーの1944年盤にも言えます。空耳かもしれません。

第2楽章のスケルツォも良い演奏です。フルトヴェングラーほど快速ではありませんが、テンポの変動は少し似ています。スケルツォ最後で盛り上がる箇所のティンパニ、金管の音に大変魅了されました。ここはどの演奏で聞いても良い箇所です。

第3楽章ですが、個人的に好きでもあり嫌いでもある音楽です。悪い演奏だとダレますね。このバレンボイムの演奏はどうでしょうか。ハープの音色はさすがにグッときます。聞かせどころです。
バレンボイムの第3楽章を聞きながら思ったのは、この楽章の雰囲気がワーグナーに似ているということです。トリスタンの第2幕、パルジファルの第2幕と多少通じるところがあるのではないでしょうか。クライマックスを重ねてくところは、トリスタンの前奏曲の雰囲気とも似ています。

第4楽章は速めのテンポで進みますが、ここだけは感銘はイマイチでした。今後も何度か聞きこんでみます。

バレンボイム/シカゴのブルックナーですが、なかなかの演奏だということが分かりました。これは全部聞いてみたくなる演奏です。他の曲もトライしてみようと思います。

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