焼肉屋のバイトの思い出
その昔、
西麻布にある
有名な高級焼肉店で
バイトしていた。
ビル一つが
全てその店舗。
豪勢な景観とは
うってかわって
雑然とした厨房の洗い場が
自分の持ち場だった。
東南アジア・東アジアの
7カ国語が飛び交う中、
鉄板や網を磨いたり
ときには
豚足の泥を落としたりした。
夜8時から明け方4時まで
の8時間は
とても忙しく、
あっという間に時間が過ぎた。
ある日、着くと
洗い場は閑散としていた。
いるのは数名の日本人店員だけ。
聞くと外国人は一斉摘発されたとのこと。
全員、不法労働だった。
その晩の忙しさは
未だに覚えている。
無茶苦茶なことばっかりの
バイトだったが、
まかない飯は美味かった。
少しでも切れた肉は
提供できないとのことで、
高級肉を毎晩食べた。
食い物だけはあるから
しっかり食ってけ。
そんな言葉をよく聞いた。
懐かしいなぁ。