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80年代 天才女優の出現で映画界に新風が… 時代はKADOKAWA 後編

こんにちは、Hideです🍿

1970年代後半、出版界から映画界へ乗り出してヒット作品を連発した角川映画でした。

自社で出版している小説を実写映画化して本の拡売に繋げる手法。

しかし、映画収入で利益を出す為に、方向転換して起用した天才女優達の演技が、角川映画を若者からも支持を得られるようになりました。

その角川3人娘の長女的な薬師丸ひろ子の活躍が凄まじかったですね。

前編に引き続き、80年代に放映した私の好きな角川映画作品を紹介していきます。

あくまでも私の趣味嗜好での選出なので、ご了承下さい(笑)

数多くのヒット作を世に送り出した角川映画

「里見八犬伝」1984年公開 製作:角川春樹事務所 監督:深作欣二 脚本:鎌田敏夫 深作欣二

配給収入23億2千万円(’84邦画1位)制作費10億円

1981年に「セーラー服と機関銃」を大ヒットさせた薬師丸ひろ子が、人気をあるうちに次回主演作をと角川事務所として考えたが、

セーラー服と〜当時高校2年生だった薬師丸は、大学進学を目指していた為、1年間の休養宣言をして受験勉強に専念した為、83年からの製作になってしまった。

大学進学後に「探偵物語」にも主演している。

原作は鎌田敏夫の「新・里見八犬伝」で脚本も担当している。

受験と探偵物語の撮影で多忙だった薬師丸の撮影開始可能時期に併せて脚本製作を始めた。

社長の角川氏が、薬師丸と真田広之の共演で映画を作りたいとの意向で、キャスティングが決まった。

里見家の姫 静姫役に薬師丸ひろ子、静姫を守る八犬士の中心剣士役犬江親兵衛役に真田広之。

里見八犬伝は、元々室町時代に滝沢馬琴によって著された作品で、私の子供の頃はNHKで人形劇として放送され、映画になるほど人気番組であった。

坂本九がナビゲーション役として、物語を盛り上げていた。

妖怪が出てきたり、8人の犬士と呼ばれる、8個の球に導かれた剣士達が、里見の姫を守るというストーリーだが、完璧にSF映画である。

この物語のメインになる八犬士は、この映画では光の軍団と呼ばれ、皆バラバラに生活をしていたが、100年前に里見家の伏姫が死に際に八つの玉を遺し、八犬士を導く。

八つの玉には、それぞれ字が刻まれている
仁 義 礼 智 忠 信 孝 悌
八徳と呼ばれ各文字には深い意味がある

里見八犬士は、姓に犬の文字が付く
犬江親兵衛(仁)犬村大角(義)犬坂毛野 女性(礼)犬川荘助(智)
犬山道節(忠)犬飼現八(信)犬塚信乃(孝)犬田小文吾(悌)

映画の原作を書いた鎌田敏夫氏も、角川氏から脚本執筆の際には滝沢馬琴の原作をベースに「スターウォーズ」や「レイダース」、「フラッシュゴードン」、「アメリカングラフティー」があって欲しいと要望があった。

私も公開後にビデオで見ましたが、時代劇を超えたスケール感がありましたね。

おおよその、物語は知っていましたが、実写映像ということもあり、全く違う雰囲気に感じましたね。

豪華なキャスト陣も映画を華やかでしたね。

スターウォーズや特撮物みたいで、子供の頃に観たヒーロー物を感じさせてくれてワクワクしながら観れた映画です。

NOBODYが担当したロック調なバック音楽も物語に合っていました。

主題歌と挿入歌もアメリカのシンガージョンオバニオンの「里見八犬伝(英語:I Don't Want This Night To End)」、「八剣士のテーマ (White Light)(英語:Hakkenshi's Theme (White Light))」、ともに作詞作曲はジョーイ・カーボーン。

時代劇ではあるが無国籍でファンタジーの要素を含んだ超娯楽大作だった。

日本人の人格的な良い部分を、SFという架空の世界の中で見事に描いている。親子で楽しめる良い映画だと思います。

映画公開と同時に発売されたビデオソフトの売れ行きも良く、新しい映画の売り方をした角川氏は凄いですよね。

今でも孫達にも観せたい映画ですね。

「晴れ、時々殺人」1984年公開  製作:角川春樹事務所 監督:井筒和幸 

興行収入:3億9千万円

赤川次郎原作のミステリー小説を、角川三姉妹の次女渡辺典子が初主演した映画。

私は当時、公開直後ビデオで観ました。

小柄で美人の渡辺典子が可愛かった印象が残っています。

ストーリーは2度の殺人事件に間接的に巻き込まれてしまい、殺人犯の話を信じて、かくまってしまい、また新たな殺人が起きてしまうといったストーリーだが…

渡辺典子は小柄な美人で、演技も上手いのですが、他の二人(薬師丸と原田)の独特な不思議な魅力が強過ぎましたね。

渡辺はその後も何本か映画の主演をつとめている。

主題歌も映画と「晴れ、時々殺人キルミー」で渡辺典子が歌手デビューしている。トップ10入りしてヒット。

顔も綺麗でしたが、歌も上手かったですよ。

テレビドラマを主戦場にしたら、歌も合わせてもっと、売れっ子になっていたのになぁ〜と今になると思います。

角川3人娘は、薬師丸が私と同学年で、他の二人もそれと近い年齢なので、同世代として今も青春の中で出会った女優達でした。

ちなみにこの映画には、殺人犯役で若き日の太川陽介と、外科医役で松任谷正隆が出演している。

しかしながら音楽は、宇崎竜童が担当している。

角川氏が3人娘を主役にした映画で、新たな試みをしていたのかなと思っています。

「Wの悲劇」1984年12月公開 監督:澤井信一郎 製作:角川春樹事務所

配給収入:15億5千万円

原作は夏樹静子「Wの悲劇」となっているが、映画のストーリーは「Wの悲劇」の舞台劇を演じる若い役者達の青春群像を描いた物語となっている。

主演は、演劇女優を目指す若手劇団員を演じる三田静香役に薬師丸ひろ子。

スター女優羽鳥翔役に三田佳子、劇団の中心俳優五代淳役に三田村邦彦、同若手劇団員菊池かおり役には、若き日の高木美保がキャスティングされている。

恋人役?森口昭夫役の世良公則が良い味を出している。

脇を固める俳優陣も豪華だ。

それまでは、ちょっと特殊な役が多かった薬師丸ひろ子が、普通の青春映画を演じたのが、逆に新鮮に見えて、好きな映画でした。

演劇公演の為、宿泊しているホテルでスター女優の羽鳥(三田佳子)が恋人との情事中に、相手男性が心筋梗塞で腹上死する。

スキャンダルを嫌がった羽鳥が、若手の静香(薬師丸)に次の東京公演から主役を現在の演じているかおり(高木美保)と交替して抜擢するのを条件に身代わりを依頼し、静香は承諾しマスコミに矢面に立つ。

東京公演で、初めての大舞台で全身全霊で役柄を演じきり、観客や劇団員から賛辞と称賛を受ける。

終演後、取材陣の前に降板させられたかおりが現れ、事の全てを暴露して静香をナイフで刺すが、森口(世良)が静香を庇って刺される。(軽傷で済んだ)

静香は、森口からのプロポーズを断り、一からやり直し女優としての再起することを誓い、森口から拍手を受けたところで映画は終わる。

大人の世界に翻弄された若手女優の苦悩を薬師丸ひろ子が見事に演じた。

私の中で今までの薬師丸に対してのイメージが大きく変わった映画でした。

好きな作品の一つです。

「Woman "Wの悲劇"より」の主題歌も薬師丸ひろ子が歌唱してオリコン1位になっている。

「彼のオートバイ、彼女の島」1986年4月公開 製作:角川春樹事務所 監督:大林宣彦

配給収入:9億5千万円

オートバイ好きの片岡義男原作の長編恋愛小説を大林宣彦監督が映像化した。

原田知世の姉、原田貴和子をミーヨこと白石美代子役でヒロインに起用。

彼女に惹かれるバイク好きのライダーに、コオこと橋本巧役に竹内力、その恋人役に角川3人娘の一人の渡辺典子が出演している。

ミナミの帝王で萬田銀次郎役のイメージがついた竹内力で雨が、若い時は爽やかな役を演じていたのですよ(笑)

広島県尾道や、愛媛県今治市の景色の良い中を走るバイクシーンが美しかったです。

この映画を知ってはいましたが、観たのはDVDでしたので、かなり月日が過ぎてからです。

コオ(竹内力)東京からオートバイの旅で、立ち寄った信州の混浴の温泉で、裸のミーヨ(原田喜和子)と出会い、文通を始める。

コオの影響でオートバイに興味を持ったミーヨは、二輪の中型免許を取得し、やがてコオと同棲するようになる。

大型免許を取りたいと訴えるミーヨにコオはまだ早いと喧嘩になるが、痺れを切らしたミーヨは、教習所に通い念願の大型二輪免許を取得する。

ミーヨと仲直りしたコオはツーリングしながら、「彼女の存在はこの島のようで、俺の存在はオートバイのようだ」と気づく。

雨の中のツーリング中に、ミーヨはトラックとの事故で命を落としてしまう、ところで映画は終わる。

オートバイを愛する若者が運命に導かれるように、出会った女神の様な彼女だったが…

風を切って走るオートバイはライダーとしては気分最高だが、背中合わせに尊い命を乗せて走っているのだな。

とまるで警察の交通課の人間のような感想を持ってしまった映画でした。

現在私は、クロスバイク(自転車)で職場に通っていて、風になった気分を味わえるのが、オートバイの魅力ですね。

オープニングの場面で、温泉入浴シーンで原田貴和子のフルヌードシーンが見れますが、美しい絵画の様でした。

主題歌「彼のオートバイ、彼女の島」作詞:阿久悠 作曲:佐藤隆 も原田貴和子自身が歌っている。

挿入歌でも、原田ももう1曲と同作詞作曲で竹内力と渡辺典子の曲も良い場面で起用されている。

三浦友和もコオの最初の恋人渡辺典子演じる沢田冬美の兄役のライダーで出演している。

竹内と原田の出演シーンを多くして、他の出演者の場面を極力抑えている感じがした。

とにかく綺麗なオートバイから見た風景とオートバイを愛する二人の描写が印象に残った映画でした。

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