鳥の眼・虫の眼・魚の眼 そして心の眼
こんにちは、Hideです^_^
私が40代の働き盛りの頃、その時勤めていた会社で毎年支店長と面談があるのですが…
「鳥の眼・虫の眼・魚の眼」って聞いた事があるという人もおられるかもしれませんが〜
という三つの眼の話をされました。
一瞬、何ですか、それっ?って聞きたくなるような眼の事を切り出されたのです。
支店長曰くトップダウンとして今後の会社の指針を伝える、という事情で聞かされた話でした。
もう20年も前の話ですが、その時に聞いた事がその会社を退社した後もずっと頭の中に残っていて、これは冷静に物事を見る上で重要だな〜感じると思いまたので今回お話しします。
鳥の眼
鳥って、当たり前ですが空を飛んでいますよね。
ということは、鳥は私達人間が生きている姿を、空の上から見えているわけです。
現代でよく言う”上から目線”って事とは意味が違いますよ(笑)
ちょっと離れたところそれも上の方から見ると、また違った風景が見えますよね。
っていうか基本、飛行機にでも乗らない限り、下界を上から見下ろすなんてことはまずあり得ません。
せいぜい、東京タワーやスカイツリーとか、超高層ビルにでも登った時くらいです。
でも、そんな時に高い位置から下を見ると、確かに広い範囲で人や車が動いているのが見えます。
ちなみに、北海道では上空からヘリコプターで交通取り締まりを行うそうです。
広大な土地を誇る北の大地だから、そうでもしないと取り締まれないからだそうです。
話はそれましたが、普段から周りを広い視野を持って、イメージとして上から広域で物事を見なさい。とのいう意味と説明されました。
目の前の見える範囲だけで見るのではなく、少し上から見ているイメージで広〜く物事を見るように…と。
それを聞いて、最初もっと深い難しい話をされるのかと思いきや、あ〜そう言う見方か〜と感じました。
が、そう言う見方をすれば…なんて、それまで考えたこともありませんでしたから、正直興味深くて、後々生きていくのに参考になりました。
意外でしたね、正直。
虫の眼
これは、一気に視点が下界に降りてきたわけですが〜
虫は我々人間より体も小さいですよね。
当然ですが、そういうことであれば、当然人間の肉眼で見えない部分まで見る事が出来るわけです。
それを例えて、細かく物事を見る眼が必要だ、という事です。
意識しないと、そこまで細かく見ようとはしないですよね。
本当にざっと目につくところだけを見て、我々は認識して判断したりします。
”虫の眼”の意識を持てば、それまで気づかなかった部分にも目が行くようになり、見方も変化してきます。
見方も変われば、今まで見えなかった事が見える様になり、ちょっとだけ他の人より知る事柄も多くなってくるのです。
より深く物事を知ることが出来るのです。
生前、野村克也氏が”ID野球”と称して、データを活用した野球をチームに浸透させました。
それと同じ考えですね、虫の眼というのは。
データという傾向を数値化したものは、細かく観察して記録しないと得られませんから。
そこの原点は、細かく相手を見る眼を持たないと出来ません。
野村監督が言うには「データを持つことは、戦力ともなるが、試合に臨む選手の意識が変わってくる」と、続けて「試合をする前に、相手の事を少しでもわかっていれば、それだけ相手より優位に立っている気持ちになれる」そうです。
良い意味で”上から目線”でゲームに入れるということです。
データは、相手の癖や傾向が数字にはっきりと現れます。
人は「無くて七癖」と言って無意識のうちに決まった行動をしてしまうものです。
打者なら得意なコースや不得意な球種とか、バッターによって違ってきます。
それをデータとして、まとめたものを数値化して、事前にわかっていれば少しでも自分が有利になった気がしますよね。
いや実際に相手の情報があれば、絶対的に優位な気持ちが芽生えます。
それと一緒で、細かく見る眼を持てば、見えなかったものが見えれば気持ちも変わってきます。
私も30代前半、輸入タバコの営業をしていましたが、過去にどの商品がどのくらい売れたのが、月毎に数字ではっきりとわかるのです。
今ではそんな事は当たり前ですが、30年前では画期的な事だったのです。
流石アメリカの商品を扱っているカンパニーだなぁ〜
最新鋭のデータを取り入れた営業をしているのだな〜と驚きましたね。
そのデータも、出荷数は卸会社から得たものですが、その他顧客毎の情報は全て営業マンが集めたものでした。
立地や顧客の細かい情報に関しては、実際行って自分の目で確かめるしかないのです。
AIが発達しても、基となるものは人が集めるしかないのです。
今後はロボットが出向く様にになるかもしれませんが…
細かく見る眼を養うということは、自分の情報収集力を高めたり、人を見る眼を養う事が出来ます。
なので鳥の眼に続いて、この”虫の眼”も非常に役にたつものなのです。
魚の眼
魚の眼?って、聞いた時一番わかりずらかったですね、最初。
魚って海流に乗って移動します。
本能的に自然に海の流れを感覚で認識出来るのです。
じゃあ人間が”魚の眼”を何に取り入れれば良いの?
と感じましたが、実はこの魚の海流を本能的に読む力を人間社会に照らし合わせると、”時流”を読む事なのです。
時代の流れ、つまりトレンドを読んだり、現在の時代の傾向など…
まずは現在何がどういう理由で起こっているのかを知り、今後どのように世の中が動いていくかをいち早く察知できれば、迅速に的確な行動が出来ます。
現在の状況や、今後の動向を見たり読む力を持てれば、自分にとって強力な武器になるはずです。
特に現代社会は、日進月歩で全てが変わっていきますから。
時流を的確に読めれば、確実に自分自身の考え方や動き方も変わってきます。
どうしたいかにもよりますが、時流に合わせてこうしていこうとか、逆にこうすれば不足しているものを補えるとか戦略が練れるでしょう。
ただ、私が感じるには、この”魚の眼”っていうのが、一番難しいところかな〜って感じています。
なかなか、時代の流れを読めるかっていうと掴みきれない部分が多いし、見る眼だけを養っても、併せて勉強もしていかなければ、実際には時流なんてそうそう簡単には読めないものです。
現在の世の中の動きや、自分がわからないことも勉強してしっかりと把握しないと、本当の意味では全て理解できませんからね。
本気で時流を読む眼を養いたいなら、必要な事を気づいて勉強もしていかなければいけませんね。
私も日々色々勉強していきます。
心の眼
これはプラスアルファですが、ここは意外と見逃しがちです。
プラスアルファとは言っても、現在周りを見ているとこの部分を見てない人が多い。
物質的にも情報にも恵まれているというか、溢れすぎています。
バーチャルなはずの事が、まるで現実の様な感覚にも陥ってしまいがちです。
現実と仮想の区別がついていない現代人って意外と多いんじゃないかな〜って感じます。
”心の眼”とは、私が思うに人を見る眼力だと思います。
物理的な事って、現在のスマホ等のツールを使えば、最も簡単に得られてしまいます。
しかし、生身の人間を見るって意外と一番難しいものです。
一人一人個性があるし、それぞれ考え方や見方や、行動の仕方も違いますから…
これまで挙げた3つの眼を自分が手に入れることが出来たとしても、しっかりした心の眼を持てないと、全てが上手くいかなかったりしてしまう。
人間社会において、一番ややこしく複雑なものが、人間関係というものでしょう。
長年生きてきて、そこは大いに感じるところです。
いくら優秀なスキルを持っていても、人の中で生きている以上、そこがしっかり出来ないと、素晴らしい能力も活かせなくなるからです。
しかし、全て完璧な人間なんているわけないので、そこを補い合うのがまた人間です。
だからこの”心の眼”が重要になってくるわけです。
私は、総合的に能力に長けた人間よりも、一つのことにかなでている人の方を優先する思考が強いです。
しかし、その類まれなるスキルを持っていたとしても、拾い上げてくれる機会に恵まれなければ生かすことは出来ません。
では、そうすればよいのか?
少なくても良いので、自分が信頼出来てお互いに頼りあえる仲間を持つ事です。
うちの父は生前、”男の財産は人脈だ!”まさにそこは今の時代になっても適用する部分ではないかと思います。
自分を生かす為でもありますが、世の為人の為なんて大袈裟な言い方するほど、自分は立派でもないし偉くもない人間ですが、何か自分が少しでも誰かの役にたてたら良いなとはいつも思っています。
大勢の人に貢献出来なくたって、目の前の一人に何か出来る事から始めれられればと思います。
最初から、大きな事をできる人間はいないのです。
大勢から評価されても、目の前の人に対して何かをしてあげられなければ、その人は凄いと言えるのでしょうか?
と私は感じています。
「小事が大事を生む」と野村克也氏の名言がありますが、その通りだと思います。
目の前の小さな事が出来ないや奴に、大きな事大勢の役にたつことなんて出来やしないのです。
何事も小さな事の積み上げだと、イチローも言っていましたが、そう思いますね。
我々は、仙人でもなければ、天才でもない、大谷だって日々の自己管理と努力なくして世界の二刀流にはなっていなかったのです。
別に、総理大臣になったり会社で出世して偉くなることや、ノーベル賞や芥川賞を取ったりレコード大賞をとる有名人文化人になることが人として偉いわけではないのです。
いや逆に何もしないでいる人で、まるで誰の為にもなっていない人だって良いのです。
だって、生きているだけで、あなたに存在価値はあるのですから。
少しでも自分を向上させたいと思うなら、これまであげた4つの目を養えば、少なくても貴方の生き方は変わってくるはずです。
誰のためでもなく、自分自身が豊になる為です。
豊って、金持ちになることじゃないですよ、本当に生きているだけで自分が価値があると感じられるようになる為です。
ちょっと矛盾になった部分もありましたが、自分が本当の意味で少しでも楽しく生きていける様にする為の、一つの方法論として、今回の”鳥の眼””虫の眼””魚の眼””心の眼”を参考にしていただければ幸いです。
今までいくつもの会社を渡り歩いてきましたが、たまにこんな良い話を聞ける事もあります。
そんな些細な事でも、知ることが出来た事は人生においてラッキーな事です。
当時の教えてくれた会社と、その支店長に感謝したいと思います。
余談ですが、その良い話をしてくれた支店長は後に社長になりました。
皆さん誰もが知っている有名な会社です。
生きている事に感謝して、今後も小さな事にも心の眼で接して生きていきたいと考えています。
ありがとうございました。