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【work】 豚の鼻には花
過去に作ったものを紹介していきます。
これは作品として作ったものではなくて以前僕がやっていたお店の看板として作ったものなんだけど、結構気に入っているので紹介します。
あれは確か2005年だったか、愛媛県松山市のアーケード、銀天街の裏にある路地でTシャツ屋さんを始めた頃。 松山には大街道と銀天街というアーケード街があり、その周辺に商圏が形成されていました。 当時はまだラフォーレ原宿松山店というショッピングビルが大街道の入り口で営業していて、松山のファッションの中心として賑わっていました。
僕がお店を開いたのはその大街道とL字型に交わるもう一つのアーケード街、銀天街の裏路地。 小さな個人商店が点在するエリアでした。 アーケード街というのは雨風をしのげてなかなか便利なものではあるんですが、人の流れをその外に向かわせにくい特性もあります。
潤沢な資金もなく、取扱商品もオリジナルデザインのものだけという僕のお店は、それほど集客力があったわけではなくなかなか新規のお客さんに足を踏み入れてもらうのに苦労しました。 お店自体も元飲食店(居酒屋とかお寿司屋さんだったのかな)で、木製の引き戸を開けないと店内に入れないため、初めてのお客さんを迎えるハードルが高かった。
普通はそこで目立つPOPとか大きな文字の看板を用意するものだと思うんだけど、僕は文字情報で興味を引くことをあまり楽しいと思わないしダサいと感じていたので、お店の看板としては文字情報は店名のみをプリントしたTシャツ型フラッグを2階の外壁に設置し、白く塗装した入口の扉にも緑色で店名の『grass green closet』とだけ表示していました。
しかし、当然それだけでは人の足を止めるには足りず、ウィンドウのディスプレイに目を止めてくれる人はそこそこあれど店内へ足を踏み入れる人は多いとは言えませんでした。 いろいろ考えて試してはみたんだけどやはり大きなPOPなどで興味を引くことはしたくなくて、それならいっそのこと謎のオブジェでも置いて面白がってもらおうと、この豚の頭を作りました。 なぜ豚なのか、鼻に花を挿すなんていうダジャレっぽいものにしたのかは、当時僕が作っていたデザインがスタイリッシュさと少しのユーモアをベースにしていたことが発想の元だったように思うけど、はっきり覚えていない。
そんな経緯で作ったこの豚は、期待したように通行人たちの目に止まるようになり、写真を撮ったり笑い声が聞こえてくるようになりました。 集客効果としてはそれほど強力ではなかったけど、このおかしな看板を見てお店に入ってくれた人たちは僕の商品も楽しげに手を取ってくれていました。 この豚がお店の看板になったのは2006年のことでした。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、件の豚を見てみましょう!
![](https://assets.st-note.com/img/1675206924004-jPSWvzkxxE.jpg?width=1200)
割とリアルです。
発泡スチロールを削り出した原型にキルト芯で柔らかさを足し、表皮はビニールコートされた布地で作ってあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1675207116793-ZQomZyE4i2.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1675207148039-odlIYdBwgK.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1675207179018-FqGBG6odlx.jpg?width=1200)
2023年のいま、すでに実物は失われているけれどこうして写真は残っているので楽しい思い出の一つとして残しておくことにしました。
次は何を紹介しようかな。
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