会話、議論が楽しくなるコツ
越境ニュータイプによる越境思考ライフハック。
_
今回は、会話や議論において相手の話を聞き取る方法。
_
社会の中で生活していれば、他人との会話や議論は避けては通れない。家族ですら血を分けた他人であり、言葉で意思疎通をせずに阿吽の呼吸だけでは済まないし、仕事をする上では言うまでもない。
_
一方で世間を見渡してみると、会話や議論が噛み合っていないケースは少なからずあり、結果として疲れている人や、その行為から距離を置く人も増えているように思う。
_
”越境者”は、会話や議論についてそうでない人の何倍も注意を払う。なぜなら、国や人種、性別における常識、信仰や価値観における常識、行動における常識を”越境”した人は、”こちら側”の人に対して”あちら側”にいる自分について、理解してもらわないと色々と不都合があるからだ(”こちら”と”あちら”を区分するのは得てして”こちら”にいる人々なのだが)。
_
ポイントは下記の5つ。
_
1. 目的・意図を意識する
2. 背景を理解する
3. 大きく聞き、小さく問う
4. 好奇心の声を聞く
5. 諦めて感謝する
_
1. 目的・意図を意識する
それが議論ではなく、とりとめない日常会話であったとしても、すれ違い際の一瞬のやり取りだったとしても、レストランにおけるサービスパーソンとの業務的な受け答えだったとしても、目的や意図について意識する。
_
目的や意図を理解しておけば、会話や議論のゴールを設定できる。ゴールを達成していれば、ひとまず落ち着くことができるし、ゴールと異なる会話や議論をしていれば、軌道修正をしてゴールに向かうことができる。人間の脳は、物事が整理されることを望んでいる。脳が喜べば、身体も喜ぶ。
_
極端な話、「この会話には特に目的や意図はない」と意識することもあり得るし、何かの意思決定において妥協案を引き出したり、相手にこちらが原因で迷惑をかけたことについて誠意を示すことや、互いに抱える共通の問題について最適な解決策をできるだけ多く出す、ということもあるだろう。
_
理解、意思決定、妥協、伝達、指示、発散での創意工夫、整理、優先順位付け、挨拶、世の中にある会話や議論の目的や意志は、だいたいこのあたりで整理できる。何も会話、議論が始まった瞬間に深く悩んで考える必要はない。2の項目も含めて30秒くらいで判断する。進めていて間違っていれば再設定。その癖をつける。
_
2. 背景を理解する
会話や議論の背景については、その目的、意図ということで1で紹介した。この場合の背景とは議論や会話をする相手のこと。相手が過去から現在にかけてどのような状態にあるのかについて、自分の記憶から引き出せるものを引き出しておく。
_
性別、年齢あたりは分かっている、もしくは推し量ることができる。職業や具体的な仕事の内容・状態、家族構成・状態、趣味、価値観(何が好きで、何が嫌いか)、あたりについて現在の状況について脳のハードディスクからフラッシュメモリに引き出す。そして、現在の状態が過去の状態から変わっているものがあるかどうかについて注意しておく。なぜなら、その変化が議論、会話の主題になることが多いからだ。
_
背景を理解することで、会話、議論の主題そのもの、もしくはそれが提示された文脈を知ることができるため、やり取りされる内容を事細かに聞かなくても、ある程度類推・補足できる。場合によっては、やり取りが始まる前から、内容のほとんどを予測することすらできる。
_
そういう人いるよね?
これから話す内容を、話し始めた直後に言い当てる人。
彼・彼女の頭の中ではそれができている。
_
3. 大きく聞き、小さく問う
1, 2ができているとこれができる準備が整う。相手の話を理解しようとする際に、一字一句正確に聞くことに意識を集中している人がいるが、お勧めできない。大事なのは、その話の構造を理解すること。1, 2ができていれば、会話、議論の目的や意図と背景について仮説がある。会話や議論の内容はそこに向かっている”理由や論拠”であるはずだと”仮定”すれば、大きな文脈の中で理解できる。これが”大きく聞く”ということ。
_
会話、議論、すなわち対話なのだから相手に問い返す。問う時には、できる限り具体的にする。目的、意図を確認する、背景を確認する、それらについてまとめた仮説の正しさについて、理由や論拠についての理解の正しさについて、それぞれについての自分の意見(良い、悪い、理由)、対案について、問う。これが”小さく問う”ということ。
_
4. 好奇心の声を聞く
会話や議論をしていて、もう少し突っ込んで聞いてみたい、どうも自分の中で完全に理解できていないようなモヤモヤ感が残ったな、などの気持ちになること、少なくないだろう。それは自分の好奇心の声であり、その声に従ってその場でその瞬間に相手にぶつけている人どれくらいいるだろうか。それほど多くないように見受けられる。”我慢”してウヤムヤにする。
_
結果として、自分の好奇心は満たされず、相手にとっても話した内容が十分に伝わっていない(ということが相手自身にも分からない)状態になる。自分にとっても、相手にとっても誠実ではないよね?
_
5. 諦めて感謝する
4と矛盾するようだが、それでも会話や議論で相手と100%分かりあえることなどない。他人は他人。自分と他人とでは背景や目的、意図が異なるし、そこに至るまでの方法論についての価値観も異なる。これが前提。会話や議論は、相手との差を理解して、互いにどこまで歩み寄れるか、について結論を出すために行っている、という大前提を常に脇に抱えておく。
_
だから、最終的に目的、意図が完結されなかったとしても、執着せずに諦める。相手に時間を頂いたことについて感謝をして、距離を置く。感情的に嫌いになる必要などまったくない。今、この瞬間は諦めて、自分の人生を進め、また互いに歩み寄れる日が来るのを待てば良い。
_
この5点。
出かける時、コミュニケーションツールのウィンドウを開く時、スマホを持つことばかりに気を取られずに、ポケットの中に入れてみて。会話や議論そのものが、日常のエンターテイメントとして楽しくなるから。
_
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?