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15時17分、パリ行き/クリント・イーストウッド監督

クリント・イーストウッド監督の『15時17分、パリ行き』。居ても立ってもいられず公開初日に見てしまった。何しろイーストウッドは私の「ヒーロー」なのだから。彼の映画を見ることこそが私の喜びなのだ。
https://wwws.warnerbros.co.jp/1517toparis/about/

時に共和党支持が取りざたされ『アメリカン・スナイパー』がリベラリストの批判にさらされようと、それは「映画とは何か」を解さない者の戯言であり、『アメリカン・スナイパー』にせよ『ハドソン川の奇跡』にせよ、イーストウッド監督は常に「普通の人間」であるところの「ヒーロー」の姿を描いていて、そのことこそが彼の映画にとって重要なのだ。

最新作『15時17分、パリ行き』は、ごく普通の、というよりは普通にすら満たない少年時代を共に過ごした三人の男たちが、同じ列車に乗り合わせたテロリストの男に立ち向かうストーリだ。特筆すべきは、彼ら三人を男たち演じるのがその当事者本人であるという、イーストウッド監督の映画の中でも「事件」のような話だというところにある。しかも演技の素人である彼らが、自分自身の役を見事に演じきっている。それを単なるドキュメンタリーではなく「イーストウッド映画」として見られるとは、まさに奇跡のような話ではないか。

アメリカには「良心」というのがあって、それは「アメリカ人の良心」とはちょっと違うのだけれども、それがイーストウッド監督の描く真のアメリカン・ヒーローの姿であり、そのこと自体が私たちに「勇気」を与えてくれる。クリント・イーストウッドの映画はいつでも必見だ。

監督:クリント・イーストウッド  出演:アンソニー・サドラー | アレク・スカラトス | スペンサー・ストーン
2018年3月4日鑑賞

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