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画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密/カロリーヌ・シャンプティエ監督

恵比寿で『画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密』をみました。監督はカロリーヌ・シャンプティエ。

印象派の女性画家ベルト・モリゾといっても知らない方も多いと思いますが、彼女は近年「画家として」再評価されています。「画家として」というのは、マネをちょっとでもかじった人なら知るように、モリゾはマネのモデル/ミューズとして有名で、2010年開催の三菱一号館の「マネ展」で日本で公開された『すみれの花束をつけたベルト・モリゾ』の本人です。

モリゾを撮る(描く)ということはマネを撮る(描く)こと。いきなり『オランピア』、そしてモリゾをモデルにした『バルコン』。マネのアトリエには彼の『草上の昼食』をはじめさりげなく数々の名品が散りばめられています。

19世紀後半のパリという状況で女性として画家として生きることとは。モリゾとマネとは師弟関係以上のものがあったと言われていますが、後にマネの「弟」と結婚するのです。もちろんこれも美術史では有名なことで、すでにドラマとして(美術史家的な妄想?)出来上がっているような話ですが、まさか映画化されるとは。最後にモリゾに手渡された「すみれの花のブーケ」を描いたマネの小品(ここは分かっておいてあげてくださいね)。

監督のカロリーヌ・シャンプティエは、最近では2013年の「不正義の果て」(クロード・ランズマン監督)、「ハンナ・アーレント」(マルガレーテ・フォントロッタ監督)、「ホーリー・モーターズ」(レオス・カラックス監督)の撮影監督を手がけ、今回が長編初監督作品。マネということはゴダールへのオマージュでもあるような気がしますね。女性監督らしいモリゾに寄り添った繊細な描写でした。

監督:カロリーヌ・シャンプティエ  出演:マリーヌ・デルテルメ | マリック・ジディ
2015年6月23日鑑賞

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hideonakane
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