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i-新聞記者ドキュメント-/森達也監督
森達也監督の『i-新聞記者ドキュメント-』を見てきました。
http://i-shimbunkisha.jp
ところで、望月衣塑子記者ってどれぐらいの人が知っているのでしょう。あの官房長官の会見で何度も質問を繰り返し話題になった人。でももしかしたらそのことすら知らない人もいるのかもしれません。
以前『新聞記者』という映画が公開され、それはフィクションではありますが、東京新聞の社会部記者である望月氏の同名の著作がもとになっていて、ただ内容は興味深くも映画としては主演の、シム・ウンギョンと松坂桃李の熱演以外は(政治的な内幕を描いたこと以外は...という意味で)まあ...。
さて、今回の『i-新聞記者ドキュメント-』。さすがの森達也監督です。カメラは手持ち1台もしくは2台での撮影のようなのですが、完成度の高い優れた映画でした。そういえなミキ・デザキ監督の『主戦場』も素晴らしいドキュメンタリーでしたが、映画の作り手としてはプロフェッショナルな森監督のスタイルは卓越していると言えます。
ちなみに「 i 新聞記者」の「i」は、怒り、喋り、食べる「人」である衣塑子の「i」であり、主体としての個人「i」(weではなく)についての映画です。
私たちは「政治の私物化」を目の当たりにする日々を過ごし、その中で「報道の自由」とその「役割」が問われています。それは報道に携わる人だけのことではなく、私たち一人ひとりが主体となり、私たちの権利としての「自由」をこの手に取り戻すため(もちろん「表現の自由も」そう)、そして憲法から引用すれば「不断の努力を」持ってそれを保持しないといけないわけです。すべてのお友達にお勧めしたい映画(メディアの人にも官僚の人にも)。
監督:森達也 出演:望月衣塑子
2019年12月1日鑑賞
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