さらば、愛の言葉よ/ジャン=リュック・ゴダール監督
ゴダールの『さらば、愛の言葉よ』を早速見てきました。
3D映像は不思議な技術であって、おそらく画面の横幅はスクリーンの大きさによって可変なのに対して、奥行きに関して言えばパースペクティブを強調するように距離が長く取ってあるようで、例えば宇宙空間のような広大な空間表現には向いているのかもしれないが、普通に撮ってはいけないような「暗黙の了解」的なタブー構図があるようなのだ。例えば人を正面から撮る。手前の手の位置から奥の顔の位置までの距離が異常に長く見える。そういう日常のショットを3Dで撮った時の映像のコラージュ感がゴダールの3D映画か。ヴェンダースの3Dではそうそういう使い方はしなかった。
ゴダールの映画自体、映像も言葉も全てコラージュからできているようなものであれば、この『さらば、愛の言葉よ』はまさにゴダールによる究極のゴダール映画だろう。普通に2Dで見れば本当に美しい映像なのだろうと想像できるが、敢えての3D。あな恐るべし。字幕も3D。
監督:ジャン=リュック・ゴダール 出演:エロイーズ・ゴデ | カメル・アブデリ | リシャール・シュヴァリエ
2015年2月2日鑑賞
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