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夜ノ森駅へ
その2 2024年4月6日 土曜日
承前 新たに定められた「特定帰還居住区域」で、人の通行が可能なところはまだほんのわずかだ。本当は小さな漁港跡がある小良ケ浜に行きたいのだが、それはまだ無理そうだ。なんにせよ13年間この場所で留め置かれた土地だ。
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細道にはバリケード、幹線道路には有人のゲートを設けて人の立ち入りを管理している。帰還前の土地に作業員以外の姿を見ることはないし、巡回パトロールの車両とすれ違うのはいつものことだ。雨が強くなってきた。
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国道6号線から東側ほぼ400メートルほどの距離を保ちながら、夜ノ森に向けて歩いている。ここから国道を走る車の往来が見渡せる。帰還困難区域を走る代行バスの車窓から見えた家電量販店は、今も行き場を失ったままだ。ここが夜ノ森駅への入口だったことを確認する。
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昨年4月1日に「特定復興再生拠点区域」の規制が解除され、現在この区域の居住人数は83名となっている*。街道の桜は五分咲き程度だが、「世の森桜まつり」のステージの歌声に吸い寄せられるように人が集まってくる。自分は場違いな気がしてその場を通過した。続く
*2023.11.30の記事より
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