むかしの上司に想いをはせる
新卒入社した SIer の会社で、2年目から10年ほど上司が同じ人だった。
その人はプレイングマネージャーで、開発プロジェクトにどっぷり入り込んで、アプリ設計をバリバリやっていた。夜中2時、3時によくメールが飛んでいた。Web 基盤技術をリードしてきた人で、アーキテクトとして社内でも一目置かれていた存在だった。
その人の元で、私はプログラマからアプリケーションアーキテクトまで、色々と経験させてもらった。いい感じで階段を徐々に登らさせてもらったと思う、今になってふりかえると。ありがたい。
細かいことをとやかく言われることはなく、放任主義で自由にやらせてもらっていた。技術選定やアーキテクチャ設計についても厳しいレビューはなく、「これを導入したい」と提案したら、いくつか確認されたくらいだった。
私とその上司との年の差は17歳くらいだったと思う。
遠い存在だった。
上司と部下という関係性は確固たるもので、確実に隔たりはあった。疎遠だとか、冷たい関係だというわけではないが、距離感は決して近くはならなかった。サシで飲むこともなかったし、飲みたいとも思わなかった。飲んだとて、二人だと会話が続く自信はなかった。
二人だけで会話するのは、半期ごとの目標設定面談、評価面談のみだった。それだけで十分だった。
私はリスペクトはしているし、おそらく上司からも信頼されていたと思う。ただ、一定の距離感は10年経っても埋まらなかったし、埋まらないことに不満もなかった。そういう距離感でよかったのだ。
今の感覚で考えると、その距離の遠さはありえないと判断されるかもしれない。マネージャーとして毎週や隔週で 1on1 をやることは当たり前だという感覚は自分にはあったりするのだが、時代の変化だな。
風のうわさでは、そろそろ定年退職するとかしないとか…