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#38 LOOP BLAKE 第2章 腐れ縁 第25話「主を見捨てた怪物」

 明朝みょうちょう朝陽あさひっすらそらあおくなっていくシカゴの大都市だいとし瓦礫ガレキやまあふかえっているなか都市まちなかたたかっている二人ふたり姿すがたがあった。

竜賀りゅうが「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 瓦礫ガレキだらけの都市まちひびわた大声おおごえびかかる少年しょうねん藍川あいかわ竜賀りゅうが両手りょうてにぎった日本刀にほんとうでアレックス・ブルガントにりかかっていった。

アレックス「チッ!!調子ちょうしるなよ小僧こぞう!!!」

  ピシャアアア!!!

 アレックスはにぎっていた小槌こづちるって稲妻イナズマ発生はっせいさせていた。電撃でんげき直角ちょっかくがりながらも、獲物えものねらヘビよう竜賀りゅうが目掛めがけてんでいった。

竜賀りゅうが「っらああ!!!」

 しかし、竜賀りゅうが身体からだ電撃でんげき直撃ちょくげきしても攻撃こうげきいきおいはまったおとろえることはなかった。

 竜賀りゅうがふかみからはなたれる斬撃ざんげきはアレックスの身体からだまと磁力じりょくよろいあとすうミリとうところまでんでいた。竜賀りゅうが怪力パワーされアレックスはらずらずのうち数歩すうほうしろがっていた。

アレックス「コイツ…たいした怪力パワーしてんじゃねぇか…そのとしにしてはなぁ!!」

  ドゴォ!!!

 アレックスもけっしてやられっぱなしではいなかった。竜賀りゅうががここぞの大振おおぶりの一撃いちげきれるタイミングを見計みはからって小槌こづち電気でんきまとわせ、竜賀りゅうが顔面がんめん目掛めがけて小槌こづちたたんだ。

竜賀りゅうが「グアァ!!?」

アレックス「めるなよ小僧こぞう多少たしょううで自信じしんがあるかもしれねぇが、おまえとはくぐけて死線しせんちがうんだよ!!これが経験けいけんだ!!」

 アレックスはひるんだ竜賀りゅうがつづけに連続れんぞく攻撃こうげきくわえた。竜賀りゅうが竜ノ鱗りゅうのうろこ効果こうかをまだ持続じぞくしていたとはいえ、連続れんぞく攻撃こうげき手数てかずおおさに戸惑とまどっていた。

竜賀りゅうが(これじゃ反撃はんげきできねぇ…けど!一発いっぱつ一発いっぱつはそんなにいてるワケじゃねぇ!ちから強引ごういんる!!)

 なんとかアレックスの連続れんぞく攻撃こうげきって、斬撃ざんげきたたもうとした。しかし、その瞬間しゅんかんすらもねらわれていた。無理むり矢理やりんできたときアレックスはわざせた。すると竜賀りゅうが完全かんぜんにバランスをくずしてしまった。

竜賀りゅうが「な!!?」

アレックス「これがただしいわざってヤツ小僧こぞう

  ドゴォォン!!!

 小槌こづちおおきくりかぶって、すきだらけの竜賀りゅうが背中せなか特大とくだい電撃でんげきまとった小槌こづちたたんだ。

竜賀りゅうが「ガアアア!!??」

アレックス「よくかったか小僧こぞう?…アメリカでも屈指くっし犯罪はんざい組織そしきのトップに適能者デュナミストと…経験値けいけんちあさ適能者デュナミスト小僧こぞうがた絶対ぜったいてきちからってヤツをな!!」

 アレックスの一撃いちげきらった竜賀りゅうがいたみでひるみはしたものの、両足りょうあしでしっかりかたなをしっかりにぎめた。

竜賀りゅうが「はぁ…はぁ…はぁ…がたちからがなんだ…!!そんなもんが強敵きょうてきからげる理由りゆうにしてたら、いつまでってもよわいままなんだよ!!」

アレックス「…ハッ!…つくづく根性こんじょうしてる小僧こぞうだな?いや…それ以上いじょう勇気ゆうきもある…つくづくうしなうにはしいおとこだったぜ」

竜賀りゅうが「ま…だまだわっちゃいねぇ!!」

 竜賀りゅうがかたなげ、またアレックスにかった。しかし、かたなはアレックスにとどかなかった、どころか1m手前てまえ地面じめん重力じゅうりょくせられるよう竜賀りゅうが地面じめんたおんでしまった。

竜賀りゅうが「ぶお!!?」

  グシャ!!

 竜賀りゅうがはさっきまでの身体からだ身軽みがるさがすべえ、なまりよう身体からだおもさがのしかかっているのをかんじた。

竜賀りゅうが「ぐ……な…なんで…!!?」

アレックス「小僧こぞう…まさかおまえなにわかっていないまま伽霊能力このチカラ使つかっていたのか?道理どうりでペース配分はいぶんがおかしかったワケだ!」

 アレックスは地面じめんたおんでまったうごかなくなった竜賀りゅうがげた。竜賀りゅうがはノルスタインのときとは、まったちがおもたいりをらって窒息死ちっそくしするかとおもった。

竜賀りゅうが「〜〜〜〜ッ!!?」

アレックス「くるしいか?くるしいだろうな?そりゃそうだ!なんせ霊段階ステージAエース効力こうりょく完全かんぜんれた状態じょうたい適能者デュナミストりをらったんだ。内臓ないぞうのどっかが破裂はれつしてるか、ほねれてるだろうからなぁ」

竜賀りゅうが「な……に…」

アレックス「ここまで俺様オレサマたのしませてもらったれいおしえてやるよ…伽霊能力ギアルスキル使つかため源力エネルギーは“無限むげん”や“無尽蔵むじんぞう”じゃねぇんだよ。それがたとえ…こころでもな」

竜賀りゅうが「……!!?」

アレックス「おまえいま俺様オレサマことにくいか?俺様オレサマこところしたいほどうらんでいるか?」

竜賀りゅうが「あ…ったりまえ…だ…テメェ…だけは絶対ぜったいゆるす…わけには…いけねぇんだ…」

アレックス「そうだ…かってんだ…“あたま”ではな?」

竜賀りゅうが「!!?」

アレックス「だが“こころそこ”からがってくるような“にくしみの感情かんじょう”はとっくにせてるだろ?そうだ…俺達おれたち適能者デュナミスト最大さいだい弱点じゃくてんはこれなんだよ」

竜賀りゅうが「まさか…霊力ギーラー正体しょうたいってのは…」

アレックス「ああ、おさっしのとおりだ…最近さいきんのマクシム連合れんごう研究けんきゅうわかったことでもある適能者デュナミスト源力エネルギーである“霊力ギーラー”の正体しょうたいは“人間にんげんこころちから”なんだよ!!」

竜賀りゅうが「それ…じゃぁ…おれは…」

アレックス「ああ、そのとおりだ…こころちから霊力ギーラー切れリミット能力チカラどころか身体からだ満足まんぞくうごかせなくなっちまったんだよ…つーかこんなザマになるまで伽霊能力ギアルスキル起動きどうさせつづけるなんざ、よっぽど俺達おれたちことにくんでたんだろーよ…だが」

 アレックスは小槌こづちげて、伽霊能力ギアルスキル使つかえなくなった竜賀りゅうが目掛めがけてかみなりとそうとした。

アレックス「これでわりだ」

ルーカス「まだわっちゃいねぇよ!!」

 竜賀りゅうがあたまうえちて電撃でんげきおおきなつつんだ。

アレックス「!!?魔法の筒マジカル・シリンダーか!!?」

 アレックスはそれに気付きづいた瞬間しゅんかんいそいでそのはなれようとした。

ルーカス「もうおそい!!」

  ドン!!!

 魔法の筒マジカル・シリンダー電撃でんげき吸収きゅうしゅうしたのとほぼ同時どうじべつ位置いちにあったもうひと魔法の筒マジカル・シリンダーから電撃でんげきはなたれアレックスにかってんでた。

アレックス「シット!!」

  バリバリィィッ!!!

 電撃でんげき直撃ちょくげきするすんでのところで電磁デンジバリアを発動はつどうし、ながした。しかし、追撃ついげきはそれだけではわらなかった。遠距離えんきょりからみず弾丸だんがんんでた。

  ドキュンッ!!

アレックス「ぐあ!!?」

 アレックスは背後はいごからみず弾丸だんがんたれ、ひざいていると今度こんどひかりむちがアレックスにかっておそかった。

  バチィィィッ!!!

 ひかりむち小槌こづちはじかえそうとしたがきゅう予想よそうちがうごきをしてきたのに対応たいおう出来でき小槌こづちたたとされた。

アレックス「〜〜!!クソッタレ!!」

レスリー「ここまでのようだな…」

メリアン「もうこれで貴方アナタくなったわよ」

 アレックスは周囲しゅうい見渡みわたしてみるとマクシム連合れんごう隊員たいいんたちがぞろぞろと集結しゅうけつしていた。

アレックス「さっきの磁限爆マグネットボムでくたばってなかったってのか…!!」

レスリー「あのとき俺達おれたち自分じぶんたち一般人いっぱんじん安全あんぜん避難ひなん、そして爆発ばくはつ影響えいきょうけたブルガント団員だんいん確保かくほするのを優先ゆうせんしていたんだよ」

シャンサ「この都市まちにブルガントだんがいるって可能性かのうせいがあったときから、アレックス・ブルガントの情報じょうほうあつめられるだけあつめてたのさ…おまえ都市まちばした伽霊能力ギアルスキル情報じょうほうがあったときから、どんな対応たいおうをすればいのかも全員ぜんいん予習済よしゅうずみだ」

レスリー「残念ざんねんなことは、そこにいるインディアナ支部しぶ二人ふたりにはその情報じょうほうわたっていなかったため対応たいおう出来できていなかったことだ」

ルーカス「我々われわれかろうじて藍川あいかわ光男みつおしかまもれなかった…しかし竜賀りゅうがくん伽霊能力ギアルスキル発動はつどうさせて自分じぶんまもってくれていたおかげたすかっていたんだ」

アレックス「クソ!!…貴様キサマ全員ぜんいんアレをらったフリしてやがったのか!!」

  ザンザンッ!!!

 アレックスががって武器ぶきろうとすると、突然とつぜん鎌鼬かまいたち小槌こづちばし、アレックスの背中せなかおおきなキズけた。

アレックス「グアアアアアアアアア!!!」

 背中せなかいたキズから大量たいりょうながれているアレックスはクビ斬撃ざんげきんで方向ほうこうまわすと、そこには藍川あいかわ光男みつおっていた。

アレックス「たかが…無適能者アンチステージ風情ふぜいにこんなキズけられるとはな…!!」

光男みつおクズ分際ぶんざいで…おれ大切たいせつ息子むすこなにをする」

 藍川あいかわ竜賀りゅうが父親ちちおやである光男みつお右手みぎて日本刀にほんとう藍風あいかぜ」をにぎめていた。光男みつおには今迄いままでたことのないよういかりの感情かんじょうかびがっていた。

ルーカス「Mr.ミスター藍川あいかわいタイミングです!このままあのおとこをノックアウトしてしまいましょう!」

光男みつお「…一応いちおうっとくが、アンタたちにもこっちはおこっているんだ…時間じかんかせぎのため息子むすこオトリにしていたんだからな…!!」

メリアン「そこはもうわけなくおもっているわ!だからこそかならずブルガントだん一人ひとりのこらず逮捕たいほしましょう!」

レスリー「この少年しょうねんかせいでくれた数分すうふん我々われわれ絶対ぜったい無駄ムダにしてはならない!!ここまでんでコイツにげられたとあってはマクシム連合れんごう名折なおれ!!んでも確保かくほせよ!!」

隊員たいいんたち「「「了解ラジャー!!!」」」

源太げんた竜賀りゅうが!!大丈夫だいじょうぶ!?」

 マクシム連合れんごう隊員たいいんたち人混ひとごみの隙間スキマから猿渡さわたり源太げんたた。そしてたおれている竜賀りゅうがもとった。

源太げんたりゅうちゃん!!意識いしきある!?おれこえこえる!?」

竜賀りゅうがこえてるよ…こえてるけど…身体からだが…全然ぜんぜんうごかねぇ…」

ルーカス「源太げんたいますぐ竜賀りゅうがれてここからはなれろ!こっからは大人おとなたち手加減てかげん出来できない生々なまなましいころいになっちまう…」

レスリー「まだ子供こどもせられないモンなんでな!」

メリアン「光男みつお!!貴方アナタもここからはなれてください!!あのたち一緒いっしょに!!」

光男みつお「……わるいがここは一緒いっしょたたかわせてもらう…!!息子むすこをあそこまでいたけられてだまっていられるほど理解りかいある父親ちちおやじゃあないからな…!!」

 光男みつおはメリアンの言葉ことばさからうよういかりのこもったこえ反抗はんこうした。

光男みつお「アレックス・ブルガントの野郎ヤロウきたまま地獄じごく業火ごうかつづけるくらいのことをしなけりゃ、こっちはいかりがおさまらねぇんだよ!!」

レスリー「それはこっちもおなじですよ…俺達おれたちあいするこの大都市だいとしシカゴシティをここまで滅茶苦茶メチャクチャにしてくれやがって…!!絶対ぜったい後悔こうかいさせてやる!!」

ルーカス「さぁどうするブルガント!!ここでたたかうか!!それとも大人おとなしくつみつぐなため自首じしゅするか!!こたえろ!!」

アレックス「自首じしゅだと?そんな真似マネ出来できるか!ここでお前等まえら全員ぜんいん皆殺みなごろしにするっつったよな!」

メリアン「さっきの言葉ことばのがしているようね…竜賀りゅうが時間じかんかせぎだったって…」

アレックス「なに?」

メリアン「このおもっていた以上いじょうってくれていたおかげもあって、こっちはアンタがおもっている以上いじょう対策たいさくることができたし、アンタのお仲間なかま確保かくほすることができたのよ」

アレックス「なん…だと…」

ルーカス「随分ずいぶん間抜まぬけだな…あの爆発ばくはつ損傷そんしょうしたブルガント団員だんいんいそいで俺達おれたち確保かくほしたが…どいつもこいつも怪我ケガしてて使つかいモンにならなくなってたぜ」

レスリー「一時いっときくだらない感情かんじょう折角せっかく仲間なかま大怪我おおけがわせて自分じぶんクビめるとはな…貴様キサマはリーダーのうつわじゃなかったってことだ」

アレックス「ケッ…権力けんりょくいぬってのはマウントがれた途端とたん饒舌じょうぜつになる小物こものどもあつまりってのは相変あいかわらずだな」

 アレックスの台詞ゼリフにカチンときたマクシム連合れんごうのメンバーはいかりに表情ひょうじょうゆがめたが、レスリーがそれをすぐにせいした。

レスリー「みみすな…あんなモノはやす挑発ちょうはつだ…この状況じょうきょうなにもできないから言葉ことば口撃こうげきしてきているだけだ」

アレックス「なにもできないだと…められたモンだな!!」

 アレックスは地面じめんたたけ、地面じめんからくろ砂粒すなつぶかたまりちゅうかべていた。

メリアン「これは…」

光男みつお砂鉄さてつか?」

シャンサ「ご自慢じまん磁力じりょく操作そうさ地中ちちゅうにある砂鉄さてつ制御コントロールしているんです!!」

アレックス「これは俺様オレサマ得意とくいわざだ!!かわせるモンならかわしてみやがれ!!」

 アレックスのあやつ砂鉄さてつ巨大きょだいとうよう渦巻うずまきながら、徐々じょじょ電気でんきびていった。バリバリとおとてながらものよううねがる砂鉄さてつ大蛇だいじゃてんのぼっている様子ようすはこののモノとはおもえなかった。

アレックス「テメェら全員ぜんいんねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 くろ砂鉄さてつとうから無数むすうヘビように、砂鉄さてつほそかたまり一斉いっせいにマクシム連合れんごう隊員たいいんたち目掛めがけておそかってきた。

レスリー「防御ぼうぎょ武隊ぶたい!!まえへ!!」

 レスリーのこえ合図あいず数人すうにん適能者デュナミストたちひかりたて発動はつどうさせ砂鉄さてつかたまり一気いっきふせった。

レスリー「つづいて能力のうりょく無効化むこうか武隊ぶたい!!やれ!!」

 そして、そのたて背後はいご地面じめん一斉いっせいいて、地面じめん電気でんきながんだ。するとアレックスの頭上ずじょうにあった砂鉄さてつかたまりえた。

アレックス「な…んだと…!」

ルーカス「さっきいてなかったのか?おまえ対策たいさく出来できてるってよ」

シャンサ「ブルガントだんたいする伽霊能力ギアルスキル対応たいおうはこの5ヶげつかんやってきたつもりよ」

ケネスター「当然とうぜんまえたいしても例外れいがいじゃなくな!」

 砂鉄さてつしたであろう隊員たいいんまえてアレックスにかって不敵ふてきはなった。

ケネスター「おれ絶縁膜インスレーター電気でんきねつだけじゃない…磁気じき遮断しゃだんできるシールドだ!ご自慢じまん磁力じりょく電撃でんげきふせぐことができるんだよ」

レスリー「まぁ…限定げんてい条件じょうけん面倒臭めんどくさいけどな」

ルーカス「とにかく…もうこれでテメェのけだ…大人おとなしく降参こうさんしとけ」

アレックス「ウルセェ!!このままテメェらにめられたまま…」

 そのときアレックスの左手ひだりてからひかりあふはじめた。

アレックス「な…なんだ!?」

ルーカス「一体いったいなにこってるんだ!?」

 アレックスの左手ひだりてからひかり徐々じょじょおおきくなり周囲しゅういあかるくらししていった。その様子ようす何事なにごとだとわんばかりにらしてているなか光男みつお一人ひとりだけがドッと冷汗ひやあせをかいていた。

光男みつお「これはマズい…!!全員ぜんいんここからいそいではなれるんだ!!!とにかくいそいで!!!」

メリアン「え!?なになに!!?」

光男みつお「さっきウイリー・べドナーはこのせいでんだんだ!!!」

 しかし、その言葉ことば全員ぜんいんとどいたか、いなか、アレックスのてのひら霊媒印コモンベスタから巨大きょだいひかりかたまりそらのぼっていった。

 そのひかりかたまりちゅうにピタッと静止せいしした。そして黄金おうごんひかりはまるで巨大きょだい大蛇だいじゃかたちっていった。

 その様子ようす全員ぜんいんがポカンと見上みあげていた。光男みつおはなんとかワレかえって大蛇だいじゃしてしまったアレックスのもとってそのむなぐらをつかげた。

光男みつお「おい!!あの怪物かいぶつしたのはおまえだろ!!さっさとアレをめろ!!かえしがつかなくなるぞ!!!」

アレックス「な…!?なにしやがる!!アレはおれ能力チカラしたモンだ!!お前等まえらおそうことはあっても、おれがいすことなんざありはしねぇんだよ!!」

 アレックスはむなぐらをつかんでいた光男みつお無理むり矢理やりがし、そらかんでいた大蛇だいじゃかって大声おおごえはなった。

アレックス「ヘイ!!俺様オレサマ伽霊獣ギアルモンスターよ!!俺様オレサマこえけ!!おまえあるじであるアレックス・ブルガントのこえを!!」

 そしてひかかがやいていた大蛇だいじゃひかりうすくなり全貌ぜんぼうえるようになった。一目ひとめ感想かんそう全員ぜんいんほぼ一緒いっしょだった。ヘビ百足ムカデ合体がったいさせたなにかだった。銀色シルバーかがやウロコおおわれたなが胴体どうたいよこから百足ムカデおもわせる細長ほそながするどつめのあるあし何本なんぼんえていた。そしてあたまヘビをしておりさき二股ふたまたけたしたをチロチロとしながら、ひとみたてれている眼球がんきゅう獲物えものさぐようにキョロキョロとうごいている。そしてあたまからは百足ムカデ触角しょっかくようなモノがえておりニョロニョロとうごめいていた。

光男みつお「こんなモノが………」

メリアン「?」

光男みつお「こんな化物バケモノつくすことが…アンタたち適能者デュナミストたちう…進化しんかだってのか…?こんな…」

アレックス「そうだ!!」

光男みつお「…!!」

アレックス「これが!!お前等まえら無適能者アンチステージ未適能者ステージゼロにはけっして辿たどけない人間にんげん限界げんかいだ!!!これで俺達おれたちえらばれし適能者デュナミスト未来みらいへのおおいなる進歩しんぽ可能かのうにするのだ!!!ハーーーーッハッハッハッハッハッハ!!!」

 そらかってデカいわらごえげているアレックスはおおきくひろげ、大蛇だいじゃけた。

アレックス「さぁ!!伽霊獣ギアルモンスターよ!!こえけ!!ここにいる連中れんちゅう皆殺みなごろしにせよ!!!」

???「だれかって指図さしずしてやがんだクソ人間にんげんが」

 あきらかに怪物かいぶつのいる位置いちからうなよう声色こわいろしゃべるのが、ハッキリ全員ぜんいんこえた。

レスリー「え…???」

ルーカス「しゃべった???」

???「グルルルル……ギャオオオオオオオオオォォォ!!!!」

 怪物かいぶつ巨大きょだいくちおおきくひろげてえると、周囲しゅうい建物たてものがガタガタふるえるほど振動しんどうかん光男みつおたち一斉いっせいみみふさいだ。ビリビリを周囲しゅういふるえているのをかんじながらもうえ見上みあげると怪物かいぶつそらから一直線いっちょくせん地上ちじょうかってんでた。

 ルーカスはマントをるって光男みつおとアレックスのまえて、んで大蛇だいじゃ怪物かいぶつをマントではらおうとした。それをていた光男みつおはルーカスに必死ひっしさけんだ。

光男みつお「ルーカス!!あぶない!!」

ルーカス「問題無いノープロブレムッ!!!!」

 ルーカスのっていたマントをはためかせると、さっきまでローブくらいのひろさくらいだったマントが一瞬いっしゅんで10mくらいのおおきさにわった。

光男みつお「でかッ!!?」

 んで怪物かいぶつおおきなきばさらしてたところに、ルーカスの巨大きょだいなマントのどなかようまわした。

   ボフッ!!!

 もうスピードで突っ込ツッコんで怪物かいぶつがまるで分厚ぶあつ体操たいそうマットに着地ちゃくちしたようおとてて、マントにたった。

ルーカス「うおらああぁ!!!」

 ルーカスがもう一度いちどマントをると、怪物かいぶつちかくのビルによううつり、こっちをまたねらようつきでにらんでいた。光男みつおはその様子ようすふたたびアレックスにつかかりめた。

光男みつお「おい!!いい加減かげんにしろよ!!あのヘビ怪物かいぶつはおまえうことなんざきやしねぇんだよ!!さっさとあの怪物かいぶつせ!!じゃないとあの怪物かいぶつみんなおそまえにおまえをまず最初さいしょころしにかるんだぞ!!おれはこのでハッキリたんだ!!」

アレックス「馬鹿バカな!!俺様オレサマ能力チカラした伽霊獣ギアルモンスターあるじである俺様オレサマからころすだと?そんなはなししんじられるか!!」

デイビッド「またるぞ!!」

 そのこえにハッとかえると怪物かいぶつふたたびアレックスにかってかろうとかまえていた。アレックスはその様子ようすをおかましにまえ怪物かいぶつ必死ひっしうったえかけた。

アレックス「おい!!伽霊獣ギアルモンスターよ!!おまえあるじである俺様オレサマこえけ!!」

怪物かいぶつおれ一体いったい何時いつ貴様キサマを…あるじなどとみとめた?」

アレックス「へ??」

怪物かいぶつ貴様キサマおれ能力チカラ勝手かってりて使つかっていただけの無能むのうだ…おれ貴様キサマ自身じしんちからなど…一度いちどみとめてはいない…」

アレックス「なにを…」

怪物かいぶつ「まだ気付きづいていないのか?無能むのうめ…貴様キサマ左手ひだりててみろ…」

 怪物かいぶつ言葉ことばどおりにアレックスは左手ひだりてひらいそいでてみた。するとアレックスのかお途端とたんさおになった。ふるはじ顔中かおじゅうからあせがドッとしていた。

アレックス「…………い……」

ルーカス「は?」

アレックス「………俺様オレサマの…霊媒印コモンベスタが…えてる…」

ルーカス「なに?」

アレックス「伽霊能力ギアルスキルが……使つかえなくなってる…」

 その言葉ことば周囲しゅういにいたマクシム連合れんごう隊員たいいんたち愕然がくぜんとなっていた。適能者デュナミストにとって伽霊能力ギアルスキル使つかえなくなることそれが一体いったいなに意味いみするのか。

怪物かいぶつ「だからってんだろ…おまえ能力チカラじゃない…元々もともとおれ能力チカラをおまえ物顔ものがお使つかってただけだ…おまえはさっき自分じぶんから能力チカラ使つかいこなすことを放棄ほうきしたんだよ」

 怪物かいぶつうなごえなかすこしだけつめたくはなよう口調くちょうまじえてアレックスにはなった。


To Be Continued

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