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#32 LOOP BLAKE 第2章 腐れ縁 第19話「ソルマン・ノルスタイン」

 うすくらがりの地下牢ちかろうなかおり外側そとがわ四人よにんおとこたち一人ひとりおとこけていた。そのなか藍川あいかわ竜賀りゅうががそのおとこかってはなった。

源太げんた「また俺達おれたちにコテンパンにされにたのか?グレイブ・トンプソン?」

グレイブ「ほざけクソガキども!!今度こんど前回ぜんかいみたいに油断ゆだんしたりしねぇ…かえちにしてころしてやる」

竜賀りゅうが「おまえはコイツとちがって整形せいけいしてないんだな?」

グレイブ「ああ……おれはここの牢屋ろうやにいる連中れんちゅう監視係かんしがかりになったんだよ!だから整形せいけいする意味いみかったんだよ!」

竜賀りゅうが「ま、それはそれは!“降格こうかく”おめでとうございます!大変たいへんおめでたいおはなしけました!」

グレイブ「シャラップ!!…テメェらにあのとき邪魔じゃまされて失態しったい責任せきにんおれはボスから制裁せいさいらった!!」

源太げんた「この都市まち攻撃こうげき仕掛しかけといてやりかえされたら被害者顔ひがいしゃヅラか?随分ずいぶん都合つごういこった…」

竜賀りゅうがおれ祖父そふっていた言葉ことばひとおしえてやる…“他人ひとっていのは、他人ひとたれる覚悟かくごのあるヤツだけだ”ってな…やりかえさない相手あいてだからって攻撃こうげきしてもいってかんがえなら、とんだお門違かどちがいだってことをおもらせてやろうか?」

 竜賀りゅうがふたたかたなし、さやからけんいた。

グレイブ「あのときからおれ身体からだにはテメェにけた記憶きおくキズのこっちまってんだよ」

 グレイブは親指おやゆび自分じぶん背中せなかしめした。

グレイブ「その記憶きおくよみがえたびにこのキズうずきやがる…!!」

竜賀りゅうが「あっそ?…おれはあのよる随分ずいぶん美味おいしい御飯ゴハンえて、エリックさんからマーカスさんとのあつおもばなしけて最高さいこうよるだったけどな?」

グレイブ「!!…ころすッ!!!」

 グレイブは鎖鎌くさりがまをブーメランのよう高速こうそく回転かいてんさせ、竜賀りゅうがたち目掛めがけてげつけてた。しかし竜賀りゅうが一気いっきにそれをかわして間合まあいをめてきた。

グレイブ「うしろにいるヤツらのことわすれているぜ小僧こぞうッ!!」

 グレイブのげた鎖鎌くさりがま竜賀りゅうがとマーカス、ジェイコブにかってんでいった。しかし手前てまえ1メートルくらいのところで回転かいてんしながらピタッとまった。くさり行方ゆくえうとくさりなか竜賀りゅうが右手みぎてつかんでいた。

 竜賀りゅうが右手みぎてくさりをグイッとり、グレイブ目掛めがけてかえした。

竜賀りゅうが「オラ!!おかえしだ!!」

 ふたた高速こうそく回転かいてんしながらもどってくるかまを、今度こんどはグレイブがもうひとつのかまめた。

  ガシャン!!

グレイブ「ッ!!?」

竜賀りゅうが自分じぶん武器ぶきられてるヒマなんかあんのか?」

 竜賀りゅうが地面じめんちていたくさりかたまりつかげ、ゴチャゴチャにもつれた状態じょうたいでグレイブのかおかってげかけた。

グレイブ「グオブ!!??」

 くさりがガチャガチャとからまって、身動みうごれなくなっているグレイブがなんとか身体からだ武器ぶき自由じゆう確保かくほするため必死ひっしもだえていた。竜賀りゅうがはそのすき見逃みのがさなかった。

竜賀りゅうが「どりゃあああ!!!」

   ドゴッ!!

 グレイブのはら目掛めがけて強烈きょうれつりをぶちんだ。視界しかい自身じしん武器ぶきであるくさりうばわれていたグレイブは不意ふいかれバランスをくず地面じめんたおれてしまった。

 そこでたおれてもだえているグレイブにけて竜賀りゅうがかたな切先きっさきけた。

源太げんた「おい!りゅうなにかんがえてんだよ!?」

竜賀りゅうが「……コイツがうごけなくなる方法ほうほうだよ」

   ブス!

 竜賀りゅうがかたな切先きっさきすう㎝だけグレイブの太腿ふとももした。

グレイブ「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!??」

 竜賀りゅうがしたかたなをすぐくと、グレイブの太腿ふとももからあふてきた。

グレイブ「いてえええええええええええええ!!」

 やっと鎖鎌くさりがまいて自由じゆうになったグレイブはめどなくあふれてくるにパニックになっていた。しかしその様子ようすめたていた竜賀りゅうが見下みくだようにグレイブにはなった。

竜賀りゅうが「……はぁ…もういい…もしここのおりカギってんならソレいて、さっさとあのかく通路つうろからげろ…」

グレイブ「はぁ…!はぁ…!…なんだと…!?」

竜賀りゅうがこえなかったのか?これ以上いじょうここでおまえなんかとたたかってもなん価値かちもねぇってってんだよ」

グレイブ「ッ!?…」

竜賀りゅうがつぎるってんなら今度こんどこそおれはおまえいのちうばうからな…?」

 グレイブはくやしいおもいで竜賀りゅうがにらけたが、竜賀りゅうがってしまうと言葉ことばまらせてしまった。

グレイブ「………〜〜〜クソッ!!」

 グレイブは自分じぶんふくぬのきちぎり、キズいたあしをそのぬのしばって、がった。そしてあしきずるようかく通路つうろかってあるした。

グレイブ「はぁ…はぁ…カギなら…ジェイコブのヤツってらぁ…」

竜賀りゅうが「あっそ…じゃあしばらくジェイコブはりていくな?」

グレイブ「…きにしろ」

竜賀りゅうが源太げんたいたか?カギはジェイコブがってるらしい…ソイツに命令めいれいしてこのおりカギ全部ぜんぶはずしていってもらおうか!」

源太げんた「ああ!!」

 源太げんたはジェイコブの身体からだ無理矢理むりやりこし、ジェイコブにいた。

源太げんた「このおりカギはどこにある?こたえろ!」

ジェイコブ「…おれむねポケットにあるカードキーだそれをそこのパネルにかざせば自動的じどうてきカギひらく…」

 ちかくにっていたマーカスがジェイコブのむねポケットにれるとICカードのようものてきた。

マーカス「コイツはここのおりのどれをけられるんだ?」

ジェイコブ「全部ぜんぶさ…ソイツはグランドマスターキーだここのおりすべてのカギ開閉かいへいはソイツひとつでことりる」

竜賀りゅうが「そんな大事だいじなモンをなんでアンタがっている?アンタみたいなした団員だんいんがそんなモンっててゆるされるもんじゃないだろ?」

 グレイブはかく通路つうろ入口いりぐちまで辿たどくとかべかくされていたボタンをした。すると石造いしづく長階段ながかいだんがエスカレーターのよう足場あしば上昇じょうしょうはじめた。

 ジェイコブはエレベーターにってうえのぼっていくのを、横目よこめ確認かくにんしたあと竜賀りゅうがかってった。

ジェイコブ「ここの牢屋ろうや巡回じゅんかいがかりをかってたのさ……グレイブは拷問ごうもんがかりをやりたがっていたがな」

竜賀りゅうが自分じぶんからってやらせてもらえるほどブルガントだん組織そしきってのはガバガバなのか?」

ジェイコブ「……フン…まぁ人手ひとで不足ぶそくってのはいつもまとってる問題もんだいではあるわな」

マーカス「だからおまえもそうやってことあるごとにかお整形せいけいしているってワケか?その状態じょうたいじゃおまえ名前なまえ本当ほんとうかどうかあやしいもんだな?」

ジェイコブ「そうだな…おれ自分じぶん本当ほんとう名前なまえなんざらねぇ…」

源太げんた「え?」

ジェイコブ「おれ名前なまえ組織そしきけられたモンだ…いつか俺達おれたちブルガントだんがこのくに完全かんぜん掌握しょうあくしたときだれもが俺達おれたちおそれるようにするために…グレイブだって…本当ほんとうおれ兄貴アニキなんかじゃねぇんだよな…」

竜賀りゅうが「そんな…」

ジェイコブ「ただ…おやてられたって境遇きょうぐうがたまたまかぶってたから兄弟きょうだいようなかくなったってだけだ……かお整形せいけいしてもらうとき双子ふたごみたいになるようにサラザールにたのんでこうしてもらってんだよ…」

源太げんた「……」

ジェイコブ「わらえるだろ?ずっとウソ兄弟きょうだいごっこやってる大人おとなだってな」

源太げんたわらわねぇよ」

ジェイコブ「?」

源太げんたおれおんなじさ…おれ自分じぶん本当ほんとう名前なまえらないスラムがいがりのもと実験動物じっけんどうぶつさ」

ジェイコブ「…だったらなんでおまえは…」

源太げんた「そんなおれでもまともにってくれる…そんな素敵すてき出会であいがちゃんとあったからだよ」

 源太げんたとなりにいた竜賀りゅうがかたをポンとかるたたいた。

竜賀りゅうが「まぁでも…人生じんせい最初さいしょ出会であいなんてほとんどうんみたいなとこあるけど、それだけが人生じんせいすべてじゃない」

ジェイコブ「…」

竜賀りゅうが人生じんせいこたえは一瞬いっしゅん出来事できごとまるものじゃない、自分じぶん人生じんせい一秒一秒いちびょういちびょうかさねのなかからこたえをみちびさなければならない」

ジェイコブ「……」

マーカス「フン…小童こわっぱ一端いっぱしことうじゃねぇか?」

竜賀りゅうが「なんちゃって♪…いま言葉ことばじつじいちゃんのりでした」

マーカス「ップ!…ハッハッハッハッハ!こりゃい!」

ジェイコブ「…フ……おれもきっと…こたえを完璧かんぺきにはつけられてねぇってことか…」

 ジェイコブはエリックにわれた言葉ことばおもしながらつぶやいた。

ジェイコブ「いいぜ……案内あんないしてやるよ…」

源太げんた「?どこに??」

ジェイコブ「エリック・ブラックのもとさ…いま大分だいぶ衰弱すいじゃくしているがな」

 そして、ジェイコブはあしりながら三人さんにん案内あんないしようとした。

竜賀りゅうが「ちょっとって!まずここの牢獄ろうごくめられてる人達ひとたち解放かいほうしたいから予備よびのマスターキーとかってない?」

 そういうとジェイコブはべつのポケットにみゴソゴソとさがしていた。

ジェイコブ「コイツがスペアマスターキーだ」

竜賀りゅうが「サンキュー!」

マーカス「竜賀りゅうがつかまってる人達ひとたち解放かいほうするのはいが、その人達ひとたちをどこにがすだ?」

竜賀りゅうが「さっきの通路つうろせまぎるからシカゴ支部しぶしたがわからがすつもりだ」

マーカス「なに!?」

源太げんた馬鹿バカかおまえ!!いまシカゴ支部しぶはブルガントだん内部ないぶからおそわれてだい混乱こんらんきてんだぞ!!そんなことしたら一般人いっぱんじんげるときらっちまうぞ!」

竜賀りゅうが「だから牢屋ろうやからていくとき彼等かれらたのんでおくつもりだ…あばまわってるブルガント団員だんいん一人ひとりたりにたいして数人すうにんがかりでさえけろってっておくよ」

マーカス「このたたかいに一般人いっぱんじん適能者デュナミスト容赦ようしゃもうってのか…?」

竜賀りゅうが「その人達ひとたちなかにもし反対はんたいするひとがいるんならこうってやるよ…『自分じぶんんでる都市まち裏切うらぎったヤツ余所者よそものまかせてなんにもくやしくねえのかよ』ってな」

源太げんた「……おまえってかなり性格せいかくわるいよな?」

竜賀りゅうが「そこはしたたかってことにしとけ」

???「一体いったいそとなにがあったんだ?」

 突然とつぜんおりなかからこえこえてきた。なかめられていたおとこはなしてきたのだ。

竜賀りゅうが「……とにかくここはおれまかせてはや源太げんたとマーカスさんはジェイコブをれてエリックさんのとこに!」

マーカス「かった…!!」

 そして三人さんにん地下牢ちかろうさきってしまった。竜賀りゅうがおりなかからはなしかけてきたおとこって、あらためてはなった。

竜賀りゅうが「さっきの質問しつもんだったな…『そとなにがあったか?』だよな?いまブルガントだんがマクシム連合れんごうのシカゴ支部しぶ地下ちかから連合れんごう隊員たいいんたち一斉いっせいおそってる」

???「本当ほんとうか!?…畜生ちくしょう!!…こんなときに!おれなにもできねぇ!!」

竜賀りゅうが「…貴方アナタ名前なまえは?」

ジョン「ジョンだ!…ジョン・シスラーだ!」

竜賀りゅうがMr.ミスターシスラー…貴方アナタはこの都市まち住人じゅうにんなのか?」

ジョン「そうだ!マクシム連合れんごう登録とうろくしていただけで連合れんごう隊員たいいんにはならなかった…だがおれはこの大好だいすきな都市まち十数年じゅうすうねん以上いじょうんでいる」

竜賀りゅうが「そっか…いまからここのカギ全部ぜんぶける…たたかえないひとはそこのかく通路つうろからて、たたかいがわるまで安全あんぜん場所ばしょ避難ひなんしておいてくれ」

ジョン「しかし!!」

竜賀りゅうが「ただ!…たたか意志いしのあるものはこのさきにあるシカゴ支部しぶ地下ちかからブルガントだんをぶっつぶす!協力きょうりょくしたいものだけいてい…これは強制きょうせいじゃない」

ジョン「…おれたたかえるぜ…!!」

竜賀りゅうが「オーケー」

 竜賀りゅうがはそううとおりけられていた装置そうちにカードーキーをかざし、ロックを解除かいじょした。竜賀りゅうがさらにジョンやほか人達ひとたち手錠てじょうカギもカードで解錠かいじょうしていった。

竜賀りゅうがMr.ミスターシスラー!貴方アナタおりにいる人達ひとたちいまった状況じょうきょう説明せつめいしていってくれ!おれみんなカギ解錠かいじょうしていく!それと!」

 竜賀りゅうがかく通路つうろはいろうとした女性じょせい一人ひとりつかまえてめた。

竜賀りゅうがもうわけないんだけど貴女アナタはここにのこってください!」

女性じょせい「!?なんでよ!!わたしたたかえないわよ!?」

竜賀りゅうがたたかえないひと地上ちじょう安全あんぜん避難ひなんするためにはかなら避難ひなん誘導ゆうどうります!貴女アナタにはその役目やくめになっていただきたいんです!」

女性じょせい「!…わかったわ」

竜賀りゅうが「それとそこの貴方アナタにはそこの通路つうろがりかどひとをここに案内あんないしてしいんです」

男性だんせいなんおれまで!」

竜賀りゅうが通路つうろでパニックになるのをふせためです!ちゃんと順番じゅんばんどおりにならんで案内あんないすればかなら全員ぜんいんたすかります」

男性だんせい「…わかった」

竜賀りゅうがひとだれなくなったとかんじたら誘導ゆうどうしていた人達ひとたちつたえてすぐにここからはなれてください!いですね?」

みんな「OK!!」

竜賀りゅうが「それじゃあみなさんおねがいします!Mr.ミスターシスラー!いそぎましょう!」

ジョン「おお!!」

 竜賀りゅうがはそううといそいでおりとらわれている人達ひとたち手錠てじょうカギ次々つぎつぎ解錠かいじょうしていった。すでにジョンに説明せつめいけたものたち迅速じんそく牢屋ろうやからていき、そうでないものたちには自分じぶんくちから彼等かれら状況じょうきょう説明せつめいする。この作業さぎょうがどれくらいかかるかかわなかったが、すくなくとも十数回じゅうすうかいにはおさまらないだろうと確信かくしんしていた。すくなくとも100かいえるだろうとおもっていそいでうごいていた。

竜賀りゅうが「これで大分だいぶ片付かたづいただろ…」

 竜賀りゅうが巨大きょだい迷宮めいきゅうようひろ地下牢ちかろうおりすべひとのこっていないのを確認かくにんして源太げんたたちかった出口でぐちいそいだ。

ジョン「ヘーイ!!」

竜賀りゅうが「あ!ジョン・シスラー!」

ジョン「こっちも全員ぜんいん避難ひなん誘導ゆうどうわったよ!」

竜賀りゅうが「サンキュー!こっちも全員ぜんいんカギ解錠かいじょうわったよ!」

ジョン「オーケー!それじゃあこっちもはや脱出だっしゅつしよう!」

竜賀りゅうが・ジョン「「伽霊覚醒ギアルアクセス!!」」

 竜賀りゅうがとジョンは伽鍵礼符キーカード発動はつどう全速力ぜんそくりょくはしった。

 そしてしばらくはしっているとおりなかから源太げんたた。

竜賀りゅうが源太げんた!!」

源太げんたりゅう!!そっちもわったか!?」

竜賀りゅうが「ああ!色々いろいろみんなちからりながらな…それよりそっちは!?」

源太げんた「ああ…」

マーカス「エリック!!エリック!!しっかりしろ!!」

 カギいたおりなかでエリックは身体中からだじゅういたけられたようなキズがあちこちにあり、すっかり衰弱すいじゃくっていた。マーカスはそんな親友しんゆう必死ひっしびかけていた。

マーカス「エリック!おれはここにいるんだ!もどってたんだぞ!なのに!こんなとこでわっちまっていいのかよ!ましてくれよ!親友ブラザー!!」

エリック「………マ…マー…カス…」

 エリックのくちからかすかなこえこえてきた。竜賀りゅうが源太げんたこえたこえにびっくりしておりなかはいった。

源太げんたウソ…さっきまで全然ぜんぜん呼吸こきゅうもできてなかったのに…」

竜賀りゅうが「…マーカスさんの必死ひっしけがエリックさんの意識いしきもどしたんだ…」

マーカス「…かった…!!馬鹿バカ野郎ヤロウ…!!おれなにわねぇまま勝手かってのうとしてんじゃねぇよ…」

エリック「…か…った…もどって…て…くれて…」

マーカス「たりまえだろ!おまえだけのこしてくなんて…やっぱりおれにはできなかった」

 エリックはうすひらいてクビをゆっくりうごかして、竜賀りゅうが源太げんた存在そんざい認識にんしきした。

エリック「…そっか…小僧こぞうどもが…おれ親友しんゆうを…れて…てくれたのか…本当ほんとうに…ありがとうな…」

竜賀りゅうが源太げんた「「どういたしまして」」

竜賀りゅうが「それよりもはやくホテル『ローグ』にれていってゆっくり治療ちりょうしましょう!」

マーカス「あ…ああ」

ノルスタイン「無事ぶじもどれるといですね〜♪」

 竜賀りゅうがたち突然とつぜんひびわたった陽気ようきこえのする方向ほうこうかおけるとそこには派手ハデ装飾そうしょくふく細身ほそみおとこっていた。

竜賀りゅうが「これまたへんなのがやっておった」

源太げんた「どこのだれやねん…」

 あまりに突拍子とっぴょうし格好かっこう可笑おかしなしゃべかたをするそのおとこ竜賀りゅうが源太げんた口調くちょう可笑おかしくなっていた。

ノルスタイン「Ohーーソーリー♫…わた〜〜くしの名前なまえはソルマン♪…ソルマン・ノルスタインとーーも〜〜しまーーす♫」

 竜賀りゅうがはダラダラと面倒臭めんどくさそうにおりからそとてソルマンのまえった。

竜賀りゅうが「……竜賀りゅうが藍川あいかわ竜賀りゅうがだ」

ノルスタイン「おおーーそれはアナ〜〜タのお名前なまえでしょうか??♩」

竜賀りゅうが「そうだ…アンタもブルガントだん一員いちいんって認識にんしきいんだな?」

ノルスタイン「Oh〜〜⤵︎たらーーずしもとお〜〜からず♪…とだけっておきましょ〜〜かねー♫」

竜賀りゅうが「?」

ノルスタイン「わた〜〜くしはブルーーガントだん幹部かんぶなので〜〜す♪そこらへんの団員だんいんおなーーじにしな〜〜いでいただきた〜〜いですねーー♩」

竜賀りゅうが「!」

源太げんた「!!」

ノルスタイン「これで〜〜も隠密おんみつ暗殺あんさつちょうーー得意とくいですんで〜〜♩組織そしきから大変たいへんチョーーホウされていま〜〜す♫」

源太げんた暗殺あんさつ得意とくいってんならこんなとこに堂々どうどうないで背後はいごから攻撃こうげきすればかったんじゃねぇ?」

ノルスタイン「Noーー♪たまにはマッショーーメンからいど〜〜むのも面白おもしろそーーうじゃな〜〜いですかーー♫」

 一人ひとりだけ愉快ゆかいそうなこえしながらはなしかけてくるノルスタインを竜賀りゅうが警戒けいかいしながらはなしかけた。

竜賀りゅうが「ノルスタイン…エリック・ブラックをあのホテル『ローグ』からした犯人はんにんってのは…アンタだったってことでいんだよな?」

 ノルスタインはほそめて竜賀りゅうがをじっとつめたがすぐなおしてかえした。

ノルスタイン「な〜〜ぜそうおもーーうので〜〜すか?♫」

竜賀りゅうが「ブルガントだんはかなりの真正面まっしょうめんからの戦闘せんとうこの連中れんちゅうばっかりだとおもうんだけどさ……それだと国盗くにとりなんか絶対ぜったい成功せいこうするはずがない…正攻法せいこうほう通用つうようするのは圧倒的あっとうてきな“かず”をっているがわだからな」

ノルスタイン「ホウ?♪」

竜賀りゅうが少数しょうすう組織そしき国盗くにとりを成功せいこうさせるには、組織そしき部下ぶかをかなり統率とうそつ管理かんりできるもの、そして作戦さくせんうら根回ねまわしができる隠密おんみつ機動きどうものがいる……そんな手練てだれはそうそういない」

ノルスタイン「………」

竜賀りゅうが「するとアンタが後者こうしゃである可能性かのうせいたかい…ちがうか?」

 ノルスタインはうれしそうにたた拍手はくしゅした。

ノルスタイン「ブラボーー♪」

竜賀りゅうが「…」

ノルスタイン「ここまでわたーーくしを評価ひょうかしていただ〜〜けるなーーんてとてもカンゲ〜〜キでーース♪たしかにあな〜〜たがおっしゃるよーーにわた〜〜くしがブルガントだん隠密おんみつ機動きどうーーたいのリーダーをたんと〜〜させていただいておりまーーす♫」

竜賀りゅうが「そして…シカゴの都市としじゅう適能者デュナミストたちを…こんな牢獄ろうごく幽閉ゆうへいしていったのも…アンタだな?」

ノルスタイン「YEEEES♪そのとお〜〜りでーーす♫」

竜賀りゅうが「…」

ノルスタイン「あ、そうそう…そこにいるご老人ろうじん誘拐ゆうかい尋問じんもんもわた〜〜くしがおこないまーーしたよ♪」

マーカス「なに!?」

ノルスタイン「エリック・ブラ〜〜ックは…貴方アナターーがた三人さんにんのゆ〜〜くえにかんしてくちらーーなかったんで〜〜すよ♪だれけっーーしてこんなフ〜〜ウに御老体ごろうたいいたーーめつけたいなんておも〜〜いませんでしたよ♫」

竜賀りゅうが「だったら…べつにここまでするほどじゃねぇだろ…」

ノルスタイン「〜〜が組織そしき適能者デュナミスト数人すうにんがーーたた〜〜きのめさせらーーれたことをボ〜〜スがいかっておーーられました〜〜♪そのーーになれば〜〜こーーんな都市まち破壊はかいで〜〜きるブルガントがけっーーして派手ハデ国盗くにとりのパフォーマンスをおこなわな〜〜い理由りゆうがあーーりま〜〜す♫」

源太げんた「どういうことだ?その理由りゆうってのは!?」

ノルスタイン「そ〜〜もそもブルガーーントだん何故なぜ〜〜そこま自分じぶんたーーちの存在そんざいを〜〜世間せけんおおやけにーーせず、いかにもかげいと〜〜いているなぞーーの巨大きょだい組織そしきようにえーーんしゅつして〜〜いるのか?♫」

竜賀りゅうが「それもたったすうひゃくにん規模きぼ組織そしきでか?それをわざわざ部下ぶかかおをいちいち整形せいけいさせ…交代こうたいさせながら都市まちあばれさせ…住人じゅうにん誘拐ゆうかいしていく」

ノルスタイン「フフン♪」

竜賀りゅうが「そこまで慎重しんちょううごけるのはだい組織そしきのリーダーとしては立派りっぱだけど……よくよくかんがえたら慎重しんちょうぎる」

ノルスタイン「フッフフフフフ♩やはり貴方アナタもそ〜〜かんじられまーーすか?♫」

竜賀りゅうが「こんなシカゴみたいな大都市だいとしをここまで冷静れいせいに、慎重しんちょうに、あせらず、あわてず侵略しんりゃくさせるようにしているおまえらのボスの…しんてきってのがいるはずだ!それはだれだ!」

ノルスタイン「フッフッフッフッフ♬…ひじょ〜〜にざーーんねーーんで〜〜す♩アナ〜〜タのようかんするどーーいかた味方みかたにで〜〜きずに、てきとしてーーすことになろうとは♫」

 ノルスタインは竜賀りゅうが左手ひだりてけた。

 つぎ瞬間しゅんかんノルスタインの左手ひだりてから空気くうきゆがめるほど衝撃波しょうげきは竜賀りゅうがた。

竜賀りゅうがみんながれッ!!」

 竜賀りゅうが咄嗟とっさかたないたが、衝撃波しょうげきははそれをえるはやさでおそいかかってきた。

   ドンッ!!!

 あた一面いちめん衝撃波しょうげきは影響えいきょう砂埃すなぼこり一気いっきった。

ノルスタイン「…さっきのしつも〜〜んにこたえていませーーんでしたね〜〜♫」

 砂埃すなぼこりれる竜賀りゅうが地面じめんにうつせにたおれていた。その背後はいごでは三人さんにん地面じめんたおれていた。竜賀りゅうがいたみにえながらもゆっくりがった。

ノルスタイン「Mr.ミスターブルガントの最大さいだい宿敵しゅくてき……もっとむべき存在そんざい…それはこのくに、アメリカ合衆国がっしゅうこくそのもので〜〜す♫」


To Be Continued

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