#32 LOOP BLAKE 第2章 腐れ縁 第19話「ソルマン・ノルスタイン」
薄い暗がりの地下牢の中で檻の外側で四人の男達が一人の男に目を向けていた。その中で藍川竜賀がその男に向かって言い放った。
源太「また俺達にコテンパンにされに来たのか?グレイブ・トンプソン?」
グレイブ「ほざけクソガキ共!!今度は前回みたいに油断したりしねぇ…返り討ちにして殺してやる」
竜賀「お前はコイツと違って整形してないんだな?」
グレイブ「ああ……俺はここの牢屋にいる連中の監視係になったんだよ!だから整形する意味が無かったんだよ!」
竜賀「ま、それはそれは!“降格”おめでとうございます!大変おめでたいお話が聞けました!」
グレイブ「シャラップ!!…テメェらにあの時邪魔されて失態の責任で俺はボスから制裁を喰らった!!」
源太「この都市に攻撃を仕掛けといてやり返されたら被害者顔か?随分都合の良いこった…」
竜賀「俺の祖父が言っていた言葉を一つ教えてやる…“他人を撃って良いのは、他人に撃たれる覚悟のある奴だけだ”ってな…やり返さない相手だからって攻撃しても良いって考えなら、とんだお門違いだってことを思い知らせてやろうか?」
竜賀は再び刀を取り出し、鞘から剣を抜いた。
グレイブ「あの時から俺の身体にはテメェに負けた記憶が傷が残っちまってんだよ」
グレイブは親指で自分の背中を示した。
グレイブ「その記憶が甦る度にこの傷が疼きやがる…!!」
竜賀「あっそ?…俺はあの夜は随分美味しい御飯も食えて、エリックさんからマーカスさんとの熱い思い出話も聞けて最高の夜だったけどな?」
グレイブ「!!…殺すッ!!!」
グレイブは鎖鎌をブーメランの様に高速回転させ、竜賀達目掛けて投げつけて来た。しかし竜賀は一気にそれを躱して間合いを詰めてきた。
グレイブ「後にいる奴らのこと忘れているぜ小僧ッ!!」
グレイブの投げた鎖鎌が竜賀とマーカス、ジェイコブに向かって飛んでいった。しかし手前1メートルくらいのところで回転しながらピタッと止まった。鎖の行方を目で追うと鎖の真ん中を竜賀の右手が掴んでいた。
竜賀は右手で鎖をグイッと引っ張り、グレイブ目掛けて投げ返した。
竜賀「オラ!!お返しだ!!」
再び高速回転しながら戻ってくる構を、今度はグレイブがもう一つの鎌で受け止めた。
ガシャン!!
グレイブ「ッ!!?」
竜賀「自分の武器に気を取られてる暇なんかあんのか?」
竜賀は地面に落ちていた鎖の塊を掴み上げ、ゴチャゴチャに縺れた状態でグレイブの顔に向かって投げかけた。
グレイブ「グオブ!!??」
鎖がガチャガチャと絡まって、身動き取れなくなっているグレイブが何とか身体と武器を自由を確保する為に必死に悶えていた。竜賀はその隙を見逃さなかった。
竜賀「どりゃあああ!!!」
ドゴッ!!
グレイブの腹に目掛けて強烈な蹴りをぶち込んだ。視界を自身の武器である鎖に奪われていたグレイブは不意を突かれバランスを崩し地面に倒れてしまった。
そこで倒れて悶えているグレイブに向けて竜賀は刀の切先を向けた。
源太「おい!竜!何考えてんだよ!?」
竜賀「……コイツが動けなくなる方法だよ」
ブス!
竜賀は刀の切先数㎝だけグレイブの太腿に突き刺した。
グレイブ「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!??」
竜賀が刺した刀をすぐ引き抜くと、グレイブの太腿から血が溢れ出てきた。
グレイブ「痛えええええええええええええ!!」
やっと鎖鎌を解いて自由の身になったグレイブは止めどなく溢れてくる血にパニックになっていた。しかしその様子を冷めた目で見ていた竜賀は見下す様にグレイブに言い放った。
竜賀「……はぁ…もういい…もしここの檻の鍵を持ってんならソレ置いて、さっさとあの隠し通路から逃げろ…」
グレイブ「はぁ…!はぁ…!…何だと…!?」
竜賀「聞こえなかったのか?これ以上ここでお前なんかと戦っても何の価値もねぇって言ってんだよ」
グレイブ「ッ!?…」
竜賀「次の戦るってんなら今度こそ俺はお前の命を奪うからな…?」
グレイブは悔しい思いで竜賀を睨み付けたが、竜賀と目が合ってしまうと言葉を詰まらせてしまった。
グレイブ「………〜〜〜クソッ!!」
グレイブは自分の服の布を引きちぎり、傷の付いた足をその布で縛って、立ち上がった。そして足を引きずる様に隠し通路に向かって歩き出した。
グレイブ「はぁ…はぁ…鍵なら…ジェイコブの奴が持ってらぁ…」
竜賀「あっそ…じゃあしばらくジェイコブは借りていくな?」
グレイブ「…好きにしろ」
竜賀「源太!聞いたか?鍵はジェイコブが持ってるらしい…ソイツに命令してこの檻の鍵全部外していってもらおうか!」
源太「ああ!!」
源太はジェイコブの身体を無理矢理起こし、ジェイコブに聞いた。
源太「この檻の鍵はどこにある?答えろ!」
ジェイコブ「…俺の胸ポケットにあるカードキーだそれをそこのパネルにかざせば自動的に鍵は開く…」
近くに立っていたマーカスがジェイコブの胸ポケットに手を入れるとICカードの様な物が出てきた。
マーカス「コイツはここの檻のどれを開けられるんだ?」
ジェイコブ「全部さ…ソイツはグランドマスターキーだここの檻の全ての鍵の開閉はソイツ一つでこと足りる」
竜賀「そんな大事なモンを何でアンタが持っている?アンタみたいな下っ端の団員がそんなモン持ってて許されるもんじゃないだろ?」
グレイブは隠し通路の入口まで辿り着くと壁に隠されていたボタンを押した。すると石造り長階段がエスカレーターの様に足場が上昇し始めた。
ジェイコブはエレベーターに乗って上に昇っていくのを、横目で確認した後、竜賀に向かって言った。
ジェイコブ「ここの牢屋の巡回係りをかって出たのさ……グレイブは拷問係りをやりたがっていたがな」
竜賀「自分から言ってやらせてもらえる程ブルガント団の組織図ってのはガバガバなのか?」
ジェイコブ「……フン…まぁ人手不足ってのはいつも付き纏ってる問題ではあるわな」
マーカス「だからお前もそうやってことあるごとに顔を整形しているって訳か?その状態じゃお前の名前も本当かどうか怪しいもんだな?」
ジェイコブ「そうだな…俺は自分の本当の名前なんざ知らねぇ…」
源太「え?」
ジェイコブ「俺の名前は組織に付けられたモンだ…いつか俺達ブルガント団がこの国を完全に掌握した時に誰もが俺達を恐れる様にする為に…グレイブだって…本当は俺の兄貴なんかじゃねぇんだよな…」
竜賀「そんな…」
ジェイコブ「ただ…親に捨てられたって境遇がたまたま被ってたから兄弟の様に仲が良くなったってだけだ……顔も整形してもらう時に双子みたいになる様にサラザールに頼んでこうしてもらってんだよ…」
源太「……」
ジェイコブ「笑えるだろ?ずっと嘘の兄弟ごっこやってる大人だってな」
源太「笑わねぇよ」
ジェイコブ「?」
源太「俺も同じさ…俺は自分の本当の名前を知らないスラム街上がりの元実験動物さ」
ジェイコブ「…だったら何でお前は…」
源太「そんな俺でもまともに付き合ってくれる…そんな素敵な出会いがちゃんとあったからだよ」
源太は隣にいた竜賀の肩をポンと軽く叩いた。
竜賀「まぁでも…人生の最初の出会いなんてほとんど運みたいなとこあるけど、それだけが人生の全てじゃない」
ジェイコブ「…」
竜賀「人生の答えは一瞬の出来事で決まるものじゃない、自分の人生の一秒一秒の積み重ねの中から答えを導き出さなければならない」
ジェイコブ「……」
マーカス「フン…小童が一端の事言うじゃねぇか?」
竜賀「なんちゃって♪…今の言葉、実は爺ちゃんの受け売りでした」
マーカス「ップ!…ハッハッハッハッハ!こりゃ良い!」
ジェイコブ「…フ……俺もきっと…答えを完璧には見つけられてねぇってことか…」
ジェイコブはエリックに言われた言葉を思い出しながら呟いた。
ジェイコブ「いいぜ……案内してやるよ…」
源太「?どこに??」
ジェイコブ「エリック・ブラックの元さ…今は大分衰弱しているがな」
そして、ジェイコブは足を引き摺りながら三人を案内しようとした。
竜賀「ちょっと待って!まずここの牢獄に閉じ込められてる人達を解放したいから予備のマスターキーとか持ってない?」
そういうとジェイコブは別のポケットに手を突っ込みゴソゴソと探していた。
ジェイコブ「コイツがスペアマスターキーだ」
竜賀「サンキュー!」
マーカス「竜賀!捕まってる人達を解放するのは良いが、その人達をどこに逃がす気だ?」
竜賀「さっきの通路は狭過ぎるからシカゴ支部の下側から逃がすつもりだ」
マーカス「何!?」
源太「馬鹿かお前!!今シカゴ支部はブルガント団に内部から襲われて大混乱が起きてんだぞ!!そんなことしたら一般人が逃げる時に巻き添え喰らっちまうぞ!」
竜賀「だから牢屋から出ていく時に彼等に頼んでおくつもりだ…暴れ回ってるブルガント団員一人当たりに対して数人がかりで押さえ付けろって言っておくよ」
マーカス「この戦いに一般人の適能者も容赦無く巻き込もうってのか…?」
竜賀「その人達の中にもし反対する人がいるんならこう言ってやるよ…『自分の住んでる都市を裏切った奴を余所者に任せて何にも悔しくねえのかよ』ってな」
源太「……お前ってかなり性格悪いよな?」
竜賀「そこは強かってことにしとけ」
???「一体外で何があったんだ?」
突然檻の中から声が聞こえてきた。中に閉じ込められていた男が話してきたのだ。
竜賀「……とにかくここは俺に任せて早く源太とマーカスさんはジェイコブを連れてエリックさんのとこに!」
マーカス「分かった…!!」
そして三人は地下牢の先へ行ってしまった。竜賀は檻の中から話しかけてきた男に向き合って、改めて話し合った。
竜賀「さっきの質問だったな…『外で何があったか?』だよな?今ブルガント団がマクシム連合のシカゴ支部の地下から連合の隊員達を一斉に襲ってる」
???「本当か!?…畜生!!…こんな時に!俺は何もできねぇ!!」
竜賀「…貴方…名前は?」
ジョン「ジョンだ!…ジョン・シスラーだ!」
竜賀「Mr.シスラー…貴方はこの都市の住人なのか?」
ジョン「そうだ!マクシム連合に登録していただけで連合の隊員にはならなかった…だが俺はこの大好きな都市で十数年以上も住んでいる」
竜賀「そっか…今からここの鍵を全部開ける…戦えない人はそこの隠し通路から出て、戦いが終わるまで安全な場所に避難しておいてくれ」
ジョン「しかし!!」
竜賀「ただ!…戦う意志のある者はこの先にあるシカゴ支部の地下からブルガント団をぶっ潰す!協力したい者だけ着いて来い…これは強制じゃない」
ジョン「…俺は戦えるぜ…!!」
竜賀「オーケー」
竜賀はそう言うと檻に取り付けられていた装置にカードーキーをかざし、ロックを解除した。竜賀は更にジョンや他の人達の手錠の鍵もカードで解錠していった。
竜賀「Mr.シスラー!貴方は檻にいる人達に今言った状況を説明していってくれ!俺は皆の鍵を解錠していく!それと!」
竜賀は隠し通路に入ろうとした女性の一人捕まえて引き止めた。
竜賀「申し訳ないんだけど貴女はここに残って下さい!」
女性「!?何でよ!!私は戦えないわよ!?」
竜賀「戦えない人が地上に安全に避難する為には必ず避難誘導が要ります!貴女にはその役目を担って頂たいんです!」
女性「!…解ったわ」
竜賀「それとそこの貴方にはそこの通路の曲がり角で人をここに案内して欲しいんです」
男性「何で俺まで!」
竜賀「通路でパニックになるのを防ぐ為です!ちゃんと順番通りに並んで案内すれば必ず全員助かります」
男性「…解った」
竜賀「人が誰も来なくなったと感じたら誘導していた人達に伝えてすぐにここから離れて下さい!良いですね?」
皆「OK!!」
竜賀「それじゃあ皆さんお願いします!Mr.シスラー!急ぎましょう!」
ジョン「おお!!」
竜賀はそう言うと急いで檻と囚われている人達の手錠の鍵を次々と解錠していった。すでにジョンに説明と受けた者達は迅速に牢屋から出ていき、そうでない者達には自分の口から彼等に状況を説明する。この作業がどれくらいかかるか分かわなかったが、少なくとも十数回には収まらないだろうと確信していた。少なくとも100回は超えるだろうと思って急いで動いていた。
竜賀「これで大分片付いただろ…」
竜賀は巨大迷宮の様に広い地下牢の檻を全て開け人が残っていないのを確認して源太達の向かった出口へ急いだ。
ジョン「ヘーイ!!」
竜賀「あ!ジョン・シスラー!」
ジョン「こっちも全員避難誘導終わったよ!」
竜賀「サンキュー!こっちも全員の鍵は解錠し終わったよ!」
ジョン「オーケー!それじゃあこっちも早く脱出しよう!」
竜賀・ジョン「「伽霊覚醒!!」」
竜賀とジョンは伽鍵礼符を発動し全速力で走った。
そしてしばらく走っていると檻の中から源太が出て来た。
竜賀「源太!!」
源太「竜!!そっちも終わったか!?」
竜賀「ああ!色々皆に力を借りながらな…それよりそっちは!?」
源太「ああ…」
マーカス「エリック!!エリック!!しっかりしろ!!」
鍵の開いた檻の中でエリックは身体中痛め付けられたような傷があちこちにあり、すっかり衰弱し切っていた。マーカスはそんな親友に必死に呼びかけていた。
マーカス「エリック!俺はここにいるんだ!戻って来たんだぞ!なのに!こんなとこで終わっちまっていいのかよ!目を覚ましてくれよ!親友!!」
エリック「………マ…マー…カス…」
エリックの口から微かな声が聞こえてきた。竜賀も源太も聞こえた声にびっくりして檻の中に入った。
源太「嘘…さっきまで全然呼吸もできてなかったのに…」
竜賀「…マーカスさんの必死の呼び掛けがエリックさんの意識を取り戻したんだ…」
マーカス「…良かった…!!馬鹿野郎…!!俺に何も言わねぇまま勝手に死のうとしてんじゃねぇよ…」
エリック「…良か…った…戻って…来て…くれて…」
マーカス「当たり前だろ!お前だけ残して行くなんて…やっぱり俺にはできなかった」
エリックは目を薄く開いて首をゆっくり動かして、竜賀と源太の存在を認識した。
エリック「…そっか…小僧共が…俺の親友を…連れて…来てくれたのか…本当に…ありがとうな…」
竜賀・源太「「どういたしまして」」
竜賀「それよりも早くホテル『ローグ』に連れていってゆっくり治療しましょう!」
マーカス「あ…ああ」
ノルスタイン「無事に戻れると良いですね〜♪」
竜賀達は突然響き渡った陽気な声のする方向に顔を向けるとそこには派手な装飾の服を着た細身の男が立っていた。
竜賀「これまた変なのがやって来おった」
源太「どこの誰やねん…」
あまりに突拍子な格好で可笑しな喋り方をするその男を見て竜賀も源太も口調が可笑しくなっていた。
ノルスタイン「Ohーーソーリー♫…わた〜〜くしの名前はソルマン♪…ソルマン・ノルスタインとーーも〜〜しまーーす♫」
竜賀はダラダラと面倒臭そうに檻から外に出て来てソルマンの前に立った。
竜賀「……竜賀…藍川竜賀だ」
ノルスタイン「おおーーそれはアナ〜〜タのお名前でしょうか??♩」
竜賀「そうだ…アンタもブルガント団の一員って認識で良いんだな?」
ノルスタイン「Oh〜〜⤵︎当たらーーずしも遠〜〜からず♪…とだけ言っておきましょ〜〜かねー♫」
竜賀「?」
ノルスタイン「わた〜〜くしはブルーーガント団の幹部なので〜〜す♪そこらへんの団員と同ーーじにしな〜〜いでいただきた〜〜いですねーー♩」
竜賀「!」
源太「!!」
ノルスタイン「これで〜〜も隠密や暗殺が超ーー得意ですんで〜〜♩組織から大変チョーーホウされていま〜〜す♫」
源太「暗殺が得意ってんならこんなとこに堂々と来ないで背後から攻撃すれば良かったんじゃねぇ?」
ノルスタイン「Noーー♪たまにはマッショーーメンから挑〜〜むのも面白そーーうじゃな〜〜いですかーー♫」
一人だけ愉快そうな声を出しながら話しかけてくるノルスタインを竜賀は警戒しながら話しかけた。
竜賀「ノルスタイン…エリック・ブラックをあのホテル『ローグ』から連れ出した犯人ってのは…アンタだったってことで良いんだよな?」
ノルスタインは目を細めて竜賀をじっと見つめたがすぐ気を取り直して聞き返した。
ノルスタイン「な〜〜ぜそう思ーーうので〜〜すか?♫」
竜賀「ブルガント団はかなりの真正面からの戦闘を好む連中ばっかりだと思うんだけどさ……それだと国盗りなんか絶対成功するはずがない…正攻法が通用するのは圧倒的な“数”を持っている側だからな」
ノルスタイン「ホウ?♪」
竜賀「少数の組織が国盗りを成功させるには、組織の部下をかなり統率・管理できる者、そして作戦の裏で根回しができる隠密機動の者がいる……そんな手練はそうそういない」
ノルスタイン「………」
竜賀「するとアンタが後者である可能性が高い…違うか?」
ノルスタインは嬉しそうに手を叩き拍手した。
ノルスタイン「ブラボーー♪」
竜賀「…」
ノルスタイン「ここまでわたーーくしを評価していただ〜〜けるなーーんてとてもカンゲ〜〜キでーース♪確かにあな〜〜たがおっしゃるよーーにわた〜〜くしがブルガント団隠密機動ーー隊のリーダーをたんと〜〜させていただいておりまーーす♫」
竜賀「そして…シカゴの都市中の適能者達を…こんな牢獄に幽閉していったのも…アンタだな?」
ノルスタイン「YEEEES♪その通〜〜りでーーす♫」
竜賀「…」
ノルスタイン「あ、そうそう…そこにいるご老人の誘拐と尋問もわた〜〜くしが行いまーーしたよ♪」
マーカス「何!?」
ノルスタイン「エリック・ブラ〜〜ック氏は…貴方ーー方三人のゆ〜〜くえに関して口を割らーーなかったんで〜〜すよ♪誰も決ーーしてこんなフ〜〜ウに御老体を痛ーーめつけたいなんて思〜〜いませんでしたよ♫」
竜賀「だったら…別にここまでする程じゃねぇだろ…」
ノルスタイン「我〜〜が組織の適能者数人がーー叩〜〜きのめさせらーーれたことをボ〜〜スが怒っておーーられました〜〜♪その気ーーになれば〜〜こーーんな都市を破壊で〜〜きるブルガントが決ーーして派手に国盗りのパフォーマンスを行わな〜〜い理由があーーりま〜〜す♫」
源太「どういうことだ?その理由ってのは!?」
ノルスタイン「そ〜〜もそもブルガーーント団が何故〜〜そこま自分たーーちの存在を〜〜世間に公にーーせず、いかにも影で糸を引〜〜いている謎ーーの巨大組織の様にえーーん出して〜〜いるのか?♫」
竜賀「それもたった数百人規模の組織でか?それをわざわざ部下の顔をいちいち整形させ…交代させながら都市で暴れさせ…住人を誘拐していく」
ノルスタイン「フフン♪」
竜賀「そこまで慎重に動けるのは大組織のリーダーとしては立派だけど……よくよく考えたら慎重過ぎる」
ノルスタイン「フッフフフフフ♩やはり貴方もそ〜〜感じられまーーすか?♫」
竜賀「こんなシカゴみたいな大都市をここまで冷静に、慎重に、焦らず、慌てず侵略させる様にしているお前らのボスの…真の敵ってのがいるはずだ!それは誰だ!」
ノルスタイン「フッフッフッフッフ♬…ひじょ〜〜にざーーんねーーんで〜〜す♩アナ〜〜タの様に勘の鋭ーーい方を味方にで〜〜きずに、敵として消ーーすことになろうとは♫」
ノルスタインは竜賀に左手を向けた。
次の瞬間ノルスタインの左手から空気を歪める程の衝撃波を竜賀は見た。
竜賀「皆下がれッ!!」
竜賀は咄嗟に刀を抜いたが、衝撃波はそれを超える速さで襲いかかってきた。
ドンッ!!!
辺り一面が衝撃波の影響で砂埃が一気に舞った。
ノルスタイン「…さっきのしつも〜〜んに答えていませーーんでしたね〜〜♫」
砂埃が晴れる竜賀は地面にうつ伏せに倒れていた。その背後では三人も地面に倒れていた。竜賀は痛みに堪えながらもゆっくり立ち上がった。
ノルスタイン「Mr.ブルガントの最大の宿敵……最も忌むべき存在…それはこの国、アメリカ合衆国そのもので〜〜す♫」
To Be Continued
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