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#33 LOOP BLAKE 第2章 腐れ縁 第20話「藍川竜賀VSソルマン・ノルスタイン」

 薄暗うすぐら洞窟どうくつなか地面じめんかべおおきくるわせる大震動だいしんどうきた。あたりのいしにヒビを大量たいりょう砂埃すなぼこりった。砂埃すなぼこりなかたおれていた藍川あいかわ竜賀りゅうがはゆっくりがりながらまえにいるおとこにらけた。

竜賀りゅうが「…畜生ちくしょう…!!」

ノルスタイン「…ン〜〜〜〜フッフン♫」

 たおれている竜賀りゅうがはな嘲笑わらよう鼻唄はなうたうたっていたソルマン・ノルスタインがいた。

ノルスタイン「ワレらブルガントの首領ドン…アレ〜〜ックス・ブルガーーントの最大さいだい復讐ふくしゅう相手あいて〜〜♫それはこのーーアメリカ合衆国がっしゅうこく〜〜うくに仕組みシステムそのもーーのなんですよ〜〜♪」

源太げんたくに仕組みシステム…だと?…それって…」

竜賀りゅうが資本しほん主義しゅぎか…!!」

ノルスタイン「Oh〜〜イエエエス!!♪このきょだ〜〜いなくに自由じゆうーーういつわ〜〜りの言葉ことばをーーたてにして大勢おおぜい〜〜の人々ひとびとをーーくるし〜〜めつづけていまーーす♩」

マーカス「それがおまえらの行動こうどう原理げんりってことか…!?資本主義しほんしゅぎたいしての反乱はんらんこそが目的もくてきなのか!?」

ノルスタイン「ン〜〜フッフッフッフ♪この社会しゃかいはーー国民こくみんをかこ〜〜くな競争きょうそうなかれ、きのこーーったえらばれ〜〜し強者きょうしゃのみがじゆーーうをれられま〜〜す♫しかーーし!!♩」

 ノルスタインは言葉ことば強調きょうちょうするようにわざとらしくおおきくひろげた。

ノルスタイン「その反面はんめんこのしゃか〜〜いはその競争きょうそうけーーたものをじゃ〜〜くしゃにし、二度にどーーとたたかえないよう〜〜にたたつぶしまーーす♫」

竜賀りゅうが徹底てっていてき資本主義しほんしゅぎ国家こっかだからな…アメリカってのは…」

ノルスタイン「この社会しゃかいにおけ〜〜るじゆーーうは上位じょうい10%が〜〜90%の敗者はいしゃ死屍しかばねうえーーにっているモノで〜〜す♫だかーーらこのよう社会しゃかいをはか〜〜いするためーーにブルガントだ〜〜んはあつまーーったので〜〜す♬」

マーカス「……だからって…だからって!いままでこの都市まちんでいた住人じゅうにん生活せいかつおびやかされてもいってのかよ!」

ノルスタイン「その住人じゅうにんた〜〜ちは、そのような犠牲ぎせいうえーーっている♪さ・ら・に少数派マイノリティ適能者デュナミストたち徹底てっていてきめま〜〜す♫なのに自分じぶんた〜〜ちが今度こんどいやらーーれるがわったらが〜〜いしゃヅラでーーすか??♩ず〜〜いぶんつごーーがいで〜〜すねーー♬」

竜賀りゅうが「……だったらさ」

ノルスタイン「?」

竜賀りゅうが「さっきまでおりなかにいた適能者デュナミストたちなんでシカゴの都市まちめていたんだろうな?」

源太げんたりゅう…」

竜賀りゅうがなん差別さべつされているはずの適能者デュナミストたちはこの都市まちをアンタたちからかえしたいなんてうんだろうな…」

ノルスタイン「無適能者アンチステージにたまし〜〜をった裏切うらぎものーーの気持きもちをはか〜〜れとでもーーうのでしょうか?」

竜賀りゅうが「……結局けっきょくそこがブルガント団オマエラの“限界げんかい”か…」

ノルスタイン「なに…?」

竜賀りゅうが自分じぶんため他人たにんわるのを期待きたいしてるだけの…そんなヤツらが支配しはいなんざできるワケねぇだろ」

マーカス「竜賀りゅうが…」

竜賀りゅうが権力けんりょくや、暴力ぼうりょくひと一時的いちじてきうことをくことはあっても…ひとの“こころ”までしばけるうことはけっしてできない……苦労くろうをしてれたくにおさめるにやすく、らくをしてれたくにおさめるにかたし、ってな」

ノルスタイン「Ohhhhh〜♬素晴すばらしーーお言葉ことばで〜〜すねーー♪教養きょうようゆたか〜〜なよーーですね〜〜♫」

竜賀りゅうがいやおれのおじいちゃんの言葉ことばだよ…だがこれが真実しんじつであり、現実げんじつでもある…おまえらブルガントだんがどれだけ暴力ぼうりょくって手段しゅだん使つかってくにとしても…ここまで“らく”な手段しゅだんだれ納得なっとくしないやりかたくにおさめようとしたら…どんな結末けつまつむかえるかなんていやってうくらい歴史れきし証明しょうめいしてきたんだよ」

 ノルスタインはいままで余裕よゆうそうな表情ひょうじょうせていたのが、すこしだけまゆをひそめた。

ノルスタイン「では〜〜その歴史れきしというーーのをワタ〜〜クシたちせてくださーーい♬」

 てるよう言葉ことばはなちノルスタインは竜賀りゅうがたちかってうでよこった。竜賀りゅうがなにかヤバいのがんでると直感ちょっかんし、いそいで闇雲やみくもかたなるった。それがこうそうした。

 竜賀りゅうがたちおそったなにかは竜賀りゅうが中心ちゅうしん扇状せんじょうぷたつになって、かべ地面じめん破壊はかいした。

ノルスタイン「つくづくかんするど〜〜い子供こどもですねーー♩」

マーカス「な…なんなんだ一体いったい…!?」

竜賀りゅうが「はぁ…!はぁ…!はぁ……“おと”か?」

ノルスタイン「Ohhhh…素晴すばらしいですね〜♫そのとおりでーーす♩」

源太げんたおとってどういうこと?」

竜賀りゅうが「“おと”を“衝撃波しょうげきは”にえて俺達おれたちけてはな能力チカラ…それがコイツの能力チカラ正体しょうたいだよ」

ノルスタイン「ン〜〜〜フッフッフッフ…すこしちがーーいますね〜〜♫」

源太げんた「!?」

竜賀りゅうがちがう?」

ノルスタイン「そもそ〜〜もきみは“おと”とはなんなのかりかーーいしてま〜〜すかーー?♫」

竜賀りゅうが「……空気くうき振動しんどう…」

ノルスタイン「正解せいかいで〜〜す♫しかーーし衝撃波しょうげきはではな〜〜いのでーーす♩衝撃波しょうげきはと〜〜は音速おんそく大気たいきにあーーつりょくがかか〜〜ったさいまれるきゅうげーーきな圧力あつりょく空気くうきのへ〜〜んかのなみ衝撃波しょうげきはいまーーす♪」

源太げんた「……なるほど…さっぱりわからん」

竜賀りゅうがわかってないんかい…」

ノルスタイン「ワタ〜〜クシがやっているのはーーうなれば“波動はどう”でーーす♪」

マーカス「波動ハドウ?」

ノルスタイン「空気くうき簡単かんたんかたち空間くうかんめたじょ〜〜たいで振動しんどうさせ高速こうそくでいどーーさせる♩それがワタ〜〜クシの“波動はどう”で〜〜す♪」

竜賀りゅうが「つまり振動しんどうする空気くうきかたまりはな能力のうりょくってことか…」

ノルスタイン「せいか〜〜いでーーす♪ですから〜〜音速マッハほどのスピーードなどせませ〜〜んし、周囲しゅういもの一斉いっせい破壊はかいするなーーどはぜ〜〜んぜんできませーーん♬」

 ノルスタインはせつけるようてのひらうえいびつ球体きゅうたいかたち波動はどうつくってせた。

竜賀りゅうが源太げんた、マーカスさん…ここはおれまかせてくれませんか?」

マーカス「…たたかうんだな?」

竜賀りゅうが「はい」

源太げんたおれでもかるくらいヤバいてきだぞ」

竜賀りゅうが「ああ…でもだれかがのこって相手あいてをしなけりゃいけねぇくらい、このおとこ危険きけんぎる」

ノルスタイン「ほう?♫」

竜賀りゅうがいまブルガントだんのマクシム連合れんごうへの攻撃こうげきおさえたいのに、このおとこ能力チカラ戦況せんきょう一気いっきにひっくりかえされる可能性かのうせいがかなりたかい…だったら1ぷん1びょうでもながくコイツをここで足止あしどめすることが勝率しょうりつげるならおれがやる」

マーカス「しかし!!」

源太げんた「マーカスさん!!ここは竜賀りゅうがとおりにしましょう!!」

 源太げんた伽鍵礼符キーカードし、自分じぶんうで巨大きょだいさせエリックとマーカスの身体からだ鷲掴わしづかみしげ、おくはしってった。

ノルスタイン「Ohhhhh〜〜♪ターゲットをさらにけなければならーーなくなりま〜〜したーー♬」

竜賀りゅうが自分じぶん生命いのち心配しんぱいしな」

 竜賀りゅうがはゆっくり源太げんたから視線しせんをノルスタインにもどしながらった。

竜賀りゅうが「アイツがそばにいると邪魔じゃまだったからな……」

ノルスタイン「なにがですか?♫」

竜賀りゅうがまってんだろ…おまえころすにはな」

ノルスタイン「……なんだ…そんなもできるんじゃねぇか」

 竜賀りゅうがかたなげたかとおもいきやもうスピードでノルスタインにかって突進とっしんしていった。かたな切先きっさきをノルスタインの目掛めがけて刺突つきはなった。

竜賀りゅうが「……シッ!!」

ノルスタイン「ワォ!!」

 ノルスタインはかろうじて竜賀りゅうが攻撃こうげきをギリギリかわしたが体勢たいせいくずされたおれかけていた。竜賀りゅうがはその一瞬いっしゅん見逃みのがさずつぎ攻撃こうげき仕掛しかけようとした。そのとき

ノルスタイン「あま〜〜〜〜い!!!♬」

 竜賀りゅうがあたまうえからノルスタインの左手ひだりてろされた。竜賀りゅうがはそれをギリギリでかわし、いそいで後退こうたいしたがノルスタインの左手ひだりて地面じめんれた瞬間しゅんかん

  ドガアアン!!!

 地面じめん爆発ばくはつしたように、つち端微塵ぱみじんんだ。ノルスタインはよろめきながらも体勢たいせいなおしていた。

ノルスタイン「ン〜〜〜フッフッフッフ♫せーーーかいッ!!♩けてせーーかいで〜〜すよーー♫」

 竜賀りゅうがかろうじてけていたはずかおからながれていた。ひたいからながれてくるはいらないように竜賀りゅうが右目みぎめじていた。

竜賀りゅうが「アホってんじゃねぇよ…けれてねぇよ…しっかりたってるわ」

ノルスタイン「バカっちゃダ〜〜〜メでーーすよ〜〜♫その程度ていどではたーーったことにはな〜〜りませんよーー♪」

竜賀りゅうが「あんなくずした体勢たいせいからでもここまで正確せいかく標的ひょうてきかって攻撃こうげきてられるなんて相当そうとうたたかれしてなきゃできない」

ノルスタイン「ン〜〜〜♬うれしーーことをってくれま〜〜すねーー♩」

竜賀りゅうが「ブルガントだんにはたいしたことのないチンピラ適能者デュナミストばっかりのあつまりだとおもってたのに、ここまでできるヤツがいるのはびっくりだわ」

ノルスタイン「♪」

竜賀りゅうが「アンタもと軍人ぐんじんじゃねぇのか?」

ノルスタイン「するど〜〜いでーーすねぇ〜〜♫そうでーーす♬ワタ〜〜クシは元々もともとイギリス出身しゅっしん母親ははおやつイギリスけいアメリカじん軍人ぐんじんでーーす♩もっとも〜〜所属しょぞく暗殺あんさつ専門せんもんのーー隠密おんみつ機動きどう〜〜でしたがねーー♪」

竜賀りゅうが「ここまで能力のうりょくめぐまれていながらみちをどこではずしたのか…ものすごになるんだがな」

ノルスタイン「…みちですか……アナ〜〜タがおもえがーーいているみちなど、圧倒的あっとうてきちからまえでははかな〜〜いまぼろしぎませーーん♪アナ〜〜タは努力どりょくをすれーーばかならゆめかな〜〜うとしんじーーているのかもしれ〜〜ませんが♪それはすべ戯言ざれごとでーーす♫」

竜賀りゅうが権力けんりょくってこと?」

ノルスタイン「そのと〜〜りでーーす♪」

竜賀りゅうが「ここは自由じゆうくにアメリカのはずなのにな?」

ノルスタイン「表向おもてむきでは〜〜そうっているだけーーで実態じったい不自由ふじゆう〜〜と不公平ふこうへい不平等ふびょうどうなーー現実げんじつ蔓延はびこ〜〜っているざんこーーくなしゃか〜〜いなのでーーす♬」

竜賀りゅうが「そんな社会しゃかいを…アンタたちえたいのか?」

ノルスタイン「そうで〜〜す♪ブルガントだーーんにはそのよ〜〜な社会しゃかい落伍らくごーーしゃたちあつま〜〜っていまーーす♫努力どりょくではどうしよ〜〜もできなーーい資本しほん主義しゅぎとはばかりの権力けんりょくあらそいには〜〜いぼくしてしまったものたちでーーす♩」

竜賀りゅうが「……随分ずいぶんアンタ正直しょうじきだね」

ノルスタイン「?」

竜賀りゅうが自分じぶんたちのことを落伍者らくごしゃとか敗北者はいぼくしゃなんてうなんてよ…」

ノルスタイン「……」

竜賀りゅうが事実じじつをちゃんとめてんのは評価ひょうかするけど卑屈ひくつなのはわねぇんでな」

ノルスタイン「…ほぅ?」

竜賀りゅうが「そんな自分じぶん過小評価かしょうひょうかして一生いっしょうえたいってんなら勝手かってにすればいけど、だからってほか関係かんけいだれかまでんですんなってんだよ…!!」

 竜賀りゅうがはそれだけのこすとノルスタインのかお目掛めがけてふたた刺突つきはなった。

ノルスタイン「馬鹿バカひと〜〜つおぼえのよーーにおな攻撃こうげきば〜〜かり仕掛しかけーーても、かわせま〜〜すよーー♪」

 おな軌道きどう刺突つきをまたヒョイとけたノルスタインは竜賀りゅうがよこまわんで、返技カウンター仕掛しかけようと波動はどう発動はつどうしようとしていた。しかしそれを見越みこしていたかのように竜賀りゅうがはノルスタインのけた方向ほうこう身体からだひねりながら、かたないた。

竜賀りゅうが「まだだ!!!」

  ギイィィィン!!!

 しかし、竜賀りゅうが二撃目にげきめねらった横薙よこなぎはノルスタインの脇腹わきばら寸止すんどめされていた。竜賀りゅうが自分じぶんかたなると、やいばとノルスタインの脇腹わきばらあいだちいさな波動はどうがあったのをつけた。

竜賀りゅうが「…!!?」

 竜賀りゅうがいそいでてき攻撃こうげきからのがれようとうしろ退いた。受身うけみなんとかって体勢たいせいなおし、ふたたびノルスタインにおそかった。しかし、

ノルスタイン「まったく♪りませ〜〜んねーー♬」

 竜賀りゅうが連続れんぞく攻撃こうげきをノルスタインはった状態じょうたいつづけた。正面しょうめんからの攻撃こうげきまったかいしていないよう表情ひょうじょう斬撃ざんげき波動はどうめられている竜賀りゅうがはイラついている表情ひょうじょうにじてきた。

竜賀りゅうが「〜〜〜ッ!クソッ!!」

ノルスタイン「も〜〜めましょーー♪無駄ムダで〜〜すよーー♬アナ〜〜タの攻撃こうげきはワターークシにはきませ〜〜んが♩ワターークシの攻撃こうげきはアナ〜〜タにはくんでーーす♫」

 ノルスタインは両手りょうてげて竜賀りゅうがねらいをさだめていた。

  ドン!!ドン!!ドン!!ドン!!

 そしてノルスタインの両手りょうてから連続れんぞくでバスケットボールくらいの波動はどうかたまり交互こうごんでた。

竜賀りゅうが「!!?」

 竜賀りゅうがうしろがりながらはなたれた波動はどうかたな懸命けんめいたたっていった。しかし、った波動はどう分散ぶんさんされるとその余波よはがさらに周囲しゅうい破壊はかいしていった。

  ドカン!!ドドン!!ドカアァン!!!

竜賀りゅうが「ガハ!!」

 波動はどう余波よはらってしまった竜賀りゅうがしながらも、クリティカルヒットをなんとかしてつづけていた。

ノルスタイン「フッフッフッフッフッフ〜〜♪そんなものでーーすか!!?♫アナ〜〜タの実力じつりょくといーーうものは!!♩攻撃こうげきめることだ〜〜けに必死ひっしてきにーー一撃いちげきくわえられ〜〜ずわーーっていくのが!!♬」

 次々つぎつぎんで波動はどうかたまりかわつづけいる竜賀りゅうがかたなることをけっしてめなかった。

 そしてその一方的いっぽうてき攻撃こうげきを3ぷんかん竜賀りゅうがつづけた。

竜賀りゅうが「はぁ…!はぁ…!はぁ…!はぁ…!」

ノルスタイン「はぁ…はぁ…はぁ…しつこいで〜〜すねぇ…♪」

 竜賀りゅうがくちからながしながらもかまえをくずさず攻撃こうげきえている姿すがたは、ノルスタインにプレッシャーをあたえていた。序盤じょばん優勢ゆうせいであったはずのノルスタインの余裕よゆうそうなかおにはじんわりとしたあせにじていた。

ノルスタイン「ここまで攻撃こうげきら〜〜っているのにたおれない相手あいてなーーんてはじめてで〜〜す…♪」

   ドン!!ドン!!ドン!!ドン!!

竜賀りゅうが「はぁ…はぁ…はぁ…どうした?…さっきまでのすずしそうなかおから…!!…あせてんぜ…!!」

ノルスタイン「!?」

 ノルスタインは攻撃こうげきめ、自分じぶんひたいぬぐった。自分じぶんあせをかいている事実じじつ見開みひらいていた。

ノルスタイン「……な〜〜るほどーー♩…ワタ〜〜クシに波動はどうたせつづけーーて霊力ギーラー枯渇こかつねら〜〜っていく作戦さくせんでーーすか♪」

 ノルスタインはすこあせったようこえしていたが、竜賀りゅうが様子ようすこうとした。

ノルスタイン「しかもアナ〜〜タの目的もくてきはあくまで時間じかんかせためにここでワターークシの足止あしどめ♬…なら〜〜ばワターークシがすべきは…」

 ノルスタインは右側みぎがわにあったかべ右手みぎてさわると、まるでみずなかはいようかべまれていった。

 竜賀りゅうがかべなかえていったノルスタインに驚愕きょうがくした。

竜賀りゅうが「ノルスタイン!!どこきやがった!!?勝負しょうぶはまだわってねぇぞ!!」

 竜賀りゅうがあたりをキョロキョロしたが、さっきまでかんじていたノルスタインの殺気さっきくなったのを不思議ふしぎおもった。

竜賀りゅうが「はぁ…はぁ…どこった…?…ヤツ目的もくてきは…!?」

 竜賀りゅうがなにかにいたのか源太げんたたちあるいてったみちいそいではしってった。

竜賀りゅうが「まずい!!ってくれよ…!!」


 一方いっぽうそのころ源太げんた・マーカスの二人ふたりなが通路つうろをエリック・ブラックのかたかつぎながら懸命けんめいあるいていた。

源太げんた「…結構けっこうながいトンネルだな…でもあとちょっとでうえがる階段かいだんかエレベーターにはずですから頑張がんばってください!二人ふたりとも

マーカス「はぁ…はぁ…はぁ…クソッタレ!としりたくないもんだ!むかしはこんな距離きょりチョロいもんだったのによ…!!」

エリック「……へへ」

マーカス「なに可笑おかしいんだよエリック!」

エリック「それはこっちの台詞セリフだよ…わかときはこんな怪我ケガ…どうってことはかったってのに……としるとなおりも…おそくなっちまうのかね…」

マーカス「…へ!…そんだけ冗談ジョークえるようになりゃ大分だいぶ回復かいふくできてらぁ!」

エリック「……としると…いままでえてこなかった世界せかいの…くろ部分ぶぶんも…えてくるようになっちまう……それでゆめを…あきらめたり…妥協だきょうしたりして…自分じぶん誤魔化ごまかしちまって…」

マーカス「…それが…大人おとなになるってことなんだよな」

エリック「でも…本当ほんとうにそれが…大人おとなになる…ってことなんだったら…おれは…」

ノルスタイン「つけま〜〜したよーー♪」

 そこまでいかけた三人さんにん背後はいごからいきなりべつおとここえこえてきた。そうおもった瞬間しゅんかん

  ドゴン!!!

 三人さんにん突然とつぜん身体からだちゅうばされる感覚かんかくおちいった。そして気付きづいたときには地面じめんつよたたきつけられた。

源太げんた「〜〜〜いってーー!!?」

マーカス「い…一体いったい…!?」

 源太げんたいたみにえながらうしろると、そこにはノルスタインがっていた。

マーカス「ソルマン…ノルスタイン…!?」

源太げんたなんでおまえがここに?りゅうはどうした!?」

ノルスタイン「ン〜〜〜フッフッフッフッフ♬…今度こんどはアナーータがたのば〜〜んでーーすよ〜〜♪」

 ノルスタインは三人さんにんけてねらいをさだめようとした。しかしそのとき

   ドゴ!!

 ノルスタインの背中せなか渾身こんしんちからりをかましたちいさなかげがあった。

竜賀りゅうがなにやっとんじゃゴラアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!!」

ノルスタイン「ゴフ!!?」

 ノルスタインの身体からだ竜賀りゅうがばされいわかべたたきつけられた。

源太げんたりゅう!!」

エリック「…おお…!」

マーカス「無事ぶじだったのか!?」

竜賀りゅうが三人さんにんとも無事ぶじか?」

 竜賀りゅうがかたなをノルスタインにけたまま警戒けいかいかず、三人さんにんそば近寄ちかよって安否あんぴ確認かくにんした。

マーカス「あ、ああ…こっちはなんとか…」

 地面じめんたおれていたノルスタインはゆっくりがりながら、竜賀りゅうがにらけながらった。

ノルスタイン「いまのはきま〜〜したよーー♩ま〜〜さかこーーんなにはやくな〜〜んてねーー♪」

竜賀りゅうが「まぁ…こっちもアンタのプロ意識いしきってのをしんじてみたのさ…」

ノルスタイン「プロ意識いしき?」

竜賀りゅうが「ああ…もしあそこでおれとのたたかいにムキになって時間じかん無駄ムダにして、作戦さくせん失敗しっぱいさせてしまったら…アンタは幹部かんぶとしてしめしがつかない」

源太げんたりゅう…」

竜賀りゅうが「だからあの場合ばあいなになんでも作戦さくせん優先ゆうせんするべきだ…そうかんがえればアンタのやりそうなことなんかおのずとる」

ノルスタイン「な〜〜るほど♪」

竜賀りゅうが「だがアンタにとっての計算外けいさんがい事態じたいってのは…おれくわしたことだぞ!ソルマン・ノルスタイン!!」

ノルスタイン「?」

竜賀りゅうがおれはしつこいからな…どこまでげようが地獄じごくそこまでけてやらぁ!!」

ノルスタイン「ならば♬地獄じごくにはアナ〜〜タにってもらいましょーー♫そこの三人さんにんともにねぇ〜〜♪」

 ノルスタインはそううと竜賀りゅうがまえみずしずよう地面じめんなかはいっていった。

エリック「あれは…ヤツが…ホテルにだれにも気付きづかれずに侵入しんにゅうしたときに…使つかってた…伽霊能力ギアルスキルだ…」

源太げんたかべ地面じめんをすりける能力チカラか!?」

マーカス「じゃあヤツいまどこに!?」

 するとマーカスの背後はいご地面じめんからノルスタインがいてくるようあらわれた。竜賀りゅうが源太げんたはそれに気付きづかなかった。しかし、エリックはそれにだれよりもはやいた。

ノルスタイン「ワタ〜〜クシはここでーーすよ〜〜♪」

 ノルスタインがマーカス目掛めがけて波動はどうそうとしていたのに竜賀りゅうが源太げんたがやっと気付きづいてマーカスとノルスタインのあいだはいろうとした。しかし、タイミングがわなかった。

竜賀りゅうが「クソッ!!」

源太げんたえ!!」

ノルスタイン「…ね」

  ドン!!!

 しかしノルスタインのはなった波動はどうかたまりはマーカスとノルスタインのあいだってはいったかげ直撃ちょくげきした。そしてマーカスとそのかげ一緒いっしょにまとめて背後はいごかべたたけられ土煙つちけむりつつまれていた。

竜賀りゅうが源太げんた「マーカスさん!!」

 そして大量たいりょう土煙つちけむりなかれていくとそのなかからてきたのは、マーカスと、血塗ちまみれになったエリックであった。

竜賀りゅうが「……え?」

源太げんた「エリックさん…??」

 そしてエリックは地面じめんたおれてうごかなくなってしまった。それをかたわらでたマーカスはその残酷ざんこく光景こうけいしんじられないと表情ひょうじょう凝視ぎょうしした。

マーカス「そんな……ウソだ……ウソだろオイ…!!」

 マーカスは地面じめんひざいて親友しんゆうからだすってこそうとした。

マーカス「なぁ…きろよ…なぁ…おまえはこんなところでおとこじゃねぇだろ!!エリック!!きろ!!なぁ!!」

 しかしどれだけけてもピクリともうごかないエリックの身体からだはマーカスに現実げんじつたたけていた。

マーカス「なぁオイ!!ましてくれよ!!あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

ノルスタイン「……あーーあ♩…るようにってしまうものですねぇ…♫」

竜賀りゅうがゆるさねぇ……絶対ぜったいゆるさねぇぞテメェ!!!」


To Be Continued

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