特別史跡 西都原古墳群
宮崎県内の自然公園に関する情報発信の仕事のため、機会を見つけていろいろ写真や動画を撮影してくるのですが、先日は西都原古墳群の空撮動画を撮影してきました。
すぐに使用する写真や動画はかなり限定的なので、ビジュアルアーカイブ(映像の記録保管用)としてまとめ、せっかくなので、西都原古墳群の簡単な紹介動画を付け加え、Youtubeにアップロードしました。
西都原古墳群の概要紹介なので、さほど深掘りした内容ではありませんが、よろしければご覧いただけると幸いです。
宮崎県のほぼ中央に位置する西都市には、日本最大級の古墳群である西都原古墳群が広がっています。この古墳群は、西都市街地の西方にある「西都原台地」とその周辺の中間台地や沖積地に位置し、標高約60~70メートルの平坦な洪積層の台地上に点在しています。その広がりは東西2.6km、南北4.2km、指定面積は58haを超え、319基の古墳が確認されています。
西都原古墳群は、3世紀末から7世紀にかけて築造され、前方後円墳31基、方墳2基、円墳286基が現存しています。また、南九州に特有の地下式横穴墓や全国に広く分布する横穴墓も混在しており、古代の多様な埋葬文化を伝えています。
この地域は、1912年から1917年にかけて日本で初めて本格的な学術調査が行われた地としても知られています。調査結果は、日本の考古学研究に大きな影響を与えました。
広大な古墳群全体を展示物と捉えたフィールドミュージアム「西都原考古博物館」は近代的な美しく見応えのある博物館ですが、入場無料です。
開館して20年が経つ博物館ですが、近代的かつ神秘的な雰囲気の中で、出土した土器や人骨等を見学することができます。
西都原古墳群は、国の特別史跡に指定されており、「風土記の丘」第一号として保存・活用が図られています。
春には桜や菜の花、夏にはひまわり、秋にはコスモスと、四季折々の花で彩られます。その静寂な自然環境の中で、訪れる人々は古代の雰囲気を感じながら憩いとレクリエーションの場として楽しんでいます。
2021年8月撮影した空撮映像も Youtubeにて公開しているのですが、NHKスペシャル「古代史ミステリー 第2集 ヤマト王権 空白の世紀」にて、ちょっとだけ使用されました。
番組内では、宮崎や西都についてはさほど触れられていませんが、日本のルーツ、ヤマト王権の謎に迫る面白い特集です。
宮崎県は、天孫降臨の地として高千穂町や高千穂峰(高原町)が有名であり、日向市美々津は初代天皇である神武天皇お舟出の地として日本海軍発祥の地とされていたり、日本が誕生する神話には深い繋がりがありますが、そのずっと後の弥生時代末期から古墳時代にかけての謎だらけの期間「空白の四世紀」においても、日本最大級の古墳群が現在の西都市に築造されており、日本の誕生に大きく関わっている可能性があると考えると、何だかワクワクします。
この時代、ヤマト王権と朝鮮半島の百済は交流があったことが番組でも紹介されていますが、宮崎県の美郷町は、百済国の王族たちが日本に亡命して移り住んだという伝説があります。もしかしたら、古墳時代の日本の中心は宮崎県だったのかも... なんてことは一切番組では言われていませんが、そんな空想を描きながら見てみると面白いかもしれません。
最近は、ドローンの映像やGoogleマップの航空写真を誰でも簡単に見れるようになりましたが、西都原古墳群がこんなにもはっきりと形が残る古墳が多いということは、県内でも知らない人はまだまだ多いような気がします。
花の時期やイベントが行われている時以外の西都原古墳群は、人も多くなく、ひっそりとした静かな公園です。美しい散策コースが整備されているので、地元の人がウォーキングや散歩を楽しんでいます。
古代の人々に思いを馳せながら、美しく神秘的な西都原古墳群をぜひ見学してみてください。
西都原古墳群での無人航空機の飛行・空撮について
西都原古墳群での無人航空機の飛行及び空撮は、事前の許可が必要です。西都原イベント広場の上空は、西都市商工観光課(0983-43-3222)、古墳群の上空は宮崎県西都土木事務所(0983-43-2221)へお問い合わせください。
映像の提供・使用について
TNAソリューションデザイン株式会社までご連絡ください。
http://www.tna.co.jp
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