#063 夏こそ“抹茶”で集中力アップ!毎日使いたくなる抹茶マシン「Cuzen Matcha」をレビュー
【木村ヒデノリのTech Magic #063 】 夏といえばビールに麦茶と冷たい飲料が飲みたくなる季節だが、筆者がおすすめしたいのは断然「抹茶」だ。今回、紹介する「Cuzen Matcha」(空禅抹茶 )は抹茶の概念を変えてくれる製品だ。碾きたての抹茶を提供してくれるだけでなく、様々なレシピにも対応する。お茶に含まれるテアニンがコーヒーと比べてカフェインの作用を穏やかにしてくれるので、アイスコーヒーよりも飲みやすい一面も。何より爽やかな香りが夏にぴったりで思いのほか毎日使ってしまっている。
機能性はもとよりデザイン性が高く
インテリアとしても置いておきたい抹茶マシン「Cuzen Matcha」
茶葉は「Premium」と「Signature」の2種類、
旨味の深い前者に対して後者はザ・抹茶という味わい
1本で約20杯分の茶葉を一度に入れることができる
濃さは三段階で、一番濃い設定だと10杯程度抽出することができた
各所に使われている素材の質感も秀逸
コーヒーよりも抹茶という選択肢
筆者はデスクワークが多い職業柄、コーヒーは1日6~7杯ということも日常だった。なんとなく飲んでしまうコーヒーだが、飲んだ後に時間差でカフェイン過多の症状が出て困ることも多い。「カフェイン断ちする」という選択肢もあるが、適量のカフェイン摂取は良いとされる研究結果もある。
New York Timesに掲載された記事によると、世界中で行われてきた多くの研究で、1日に4~5杯(カフェイン約400mg)のコーヒーを摂取することで死亡率が低下するという結果があるらしい。また、コーヒーを適度に楽しむ男女両方に置いて自殺率が50%も低かったという興味深い結果もある。
一方で昨年夏にハーバード大学の研究チームが発表した論文には、現在病気の予防のためにカフェイン摂取が勧められるほどの実証はないという研究結果もある。諸説あるので一概には言えないが、「適量摂取」には一定の効能があるとも考えられるだろう。筆者自身はカフェイン摂取時集中できる傾向にあるので、適量を摂取しようと心掛けている。ただ、前述した通りコーヒーだと飲み過ぎてしまうことも多かったので、抹茶を試してみようということで今回の製品を購入したわけだ。
茶筅にはかなわないが、かなりリアルな抹茶が作れることに興味を持った
こうした経緯からCuzen Matchaで作った抹茶を試したが、これがコーヒーよりも断然良い。コーヒーと比較すると即効性はないものの、カフェインを飲んだ状態まで穏やかに進むように感じたからだ。頭もスッキリする上に、2杯3杯と続けて飲みたくなることもない。1日に2~3杯でとどめられて、香りも清々しい。苦味も少ないので、コーヒーよりも日常的に飲みやすいと感じた。
特に夏場は旨味のある抹茶の方がアイスコーヒーより美味しかった
ユーザー体験に響く抜群のデザイン性と味の良さ
ちょうど今年、シャープが販売していた「お茶プレッソ」という製品が生産完了になった。Cuzen Matchaと同様に抹茶が淹れられるものだが、比較してみるとユーザー体験という部分で大きな違いがあったので考えてみたい。
以前ヘルシオシリーズとして販売されていたシャープのお茶プレッソ
まずは実用性の部分。お茶プレッソは茶葉を挽く部分とお茶にする部分が完全に分かれていた。Cuzen Matchaが専用茶葉しか使えないのに対して、色々な茶葉が使えるものの、碾いた後に手動で粉をお湯が注がれるパーツに入れなければならない。また、そのパーツには茶筅のように攪拌機能はあるが、攪拌後はレバーで下に注ぐ仕様になっているため、せっかくの泡が失われてしまうのも難点だった。
対してCuzen Matchaはお茶プレッソのようにお茶を淹れるところまで完結させず、抹茶が水に攪拌された状態にするまでにとどめている。これによって手動工程を経ることなく抹茶を作れることはメンテナンス面から見てもすぐれている。
さらに、デザインを担当した枝廣ナオヤ氏によると「円窓の真ん中に置かれたカップの透明な水が撹拌され、抹茶と混ざりながら少しずつ緑色になるという演出も、UX上のポイント」とのこと。ワークフローの精査で実用性が高いCuzen Matchaだが、その真髄はお茶が作られる光景の美しさや、その時間にあるのではないだろうか。筆者も茶道の経験があるが、このマシンで淹れられるお茶はまさに「美しいお茶の作法」を見ているかのようだった。
ミニマルなデザインの筐体の中心に置かれたカップが
徐々に色づいていく光景は芸術レベル
枝廣氏へのインタビューではさらに踏み込んだ「つなぎ目のない筐体」や「グローバル化を見据えたデザイン」についても聞くことができた。つなぎ目を無くしたのは“抹茶の粉が非常に細かいことからメンテナンスが大変になる”という配慮とともに、デザインからも無意識に禅の心が感じられるように選択した形状だという。こうした筐体は成形が非常に難しいながらも、設計経験のある枝廣氏が開発者と試行錯誤で量産までこぎつけたと話す。他社にそういったデザインが少ないことを考えても、この製品の隠れた付加価値ということができるだろう。
現在はサンフランシスコを拠点に活動する枝廣ナオヤ氏。
担当したプロジェクトは、ハーマンミラー、ルンバ、
サムスン、カッシーナ、ダネーゼなど多岐にわたる
小さな家電からオフィス家具まで幅広いジャンルまで手がける同氏は、
クライアントが気づいていないようなユーザーの行動や考え、
使われる環境などにぴったり合うようなデザインを見つけることを
常に考えているそうだ
グローバルな視点に関しても、昨今の国内家電に見られないアプローチで素晴らしかった。国内需要のみを考えると、とかく家電のデザインやユーザー体験はおざなりになりがちだ。しかしCuzen Matchaはミニマルな筐体や茶筒をイメージした茶葉入れ、それぞれの素材、円窓の中に透明なカップをのせるという行為それぞれから『禅』を感じることができた。これらは言語化されなくとも世界のユーザーに日本の文化を感じてもらえるすばらしい仕様だ。単に抹茶を作るマシンなのではなく、抹茶を淹れる時間や体験を手に入れることができるのがCuzen Matchaの特徴だと言えるだろう。
「シンプルなデザインの中に視覚・体験の双方から
お茶の世界観が感じられる製品に仕上げた、
そういったことも含めて香り高い碾きたての抹茶を
楽しんでもらえたらうれしい」と枝廣氏
今後の展開に期待したい茶葉やレシピの充実
さらにすばらしいのが、抹茶を使ったレシピの充実具合だ。前述した通り、Cuzen Matchaではいわゆるエスプレッソのような「抹茶ショット」を作る仕様になっている。そのため、本体の清掃も最小限で済み、かつさまざまなレシピに応用することができる。また、パウダーモードで抹茶粉だけを作ることができるので、パンケーキに練り込んだりアイスクリームにかけたりするなど、様々な応用が可能。こうした点から抹茶として飲む以外の用途が増え、筆者の家ではほぼ毎日使うような状況になっている。
おいしい上にレシピも豊富なので毎日使いたくなる
特に好きなのはショットにお湯を注いだシンプルな抹茶と、スチームミルクを加えた抹茶ラテ。どちらもえぐみや苦味のない非常に美味しい飲み物になることから、茶葉の質の良さもうかがえた。
日々使っても汚れが最小限でメンテがしやすい
目安は1か月に1回程度、水分が残らないように清掃する
ただ、現状では主に鹿児島産の「Premium」と「Signature」の2種類しか茶葉のラインアップしかないのが残念ではある。まだ発売したての商品なので今後は「べにふうき」や「玉露」、そのほか茶道で使われるような高級茶葉のラインアップも大いに期待したい。夏飲むと病みつきになる美味しさなので、ぜひ試してほしい。
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