簡素な玩具
「ガダラの豚」(中島らも著 1993年)を本箱の奥から出して読んでいました。
「木の切れっ端に布をまきつけただけの人形だった。布はもうすりきれてぼろ屑のようになっている。シオリはそれをしっかりと胸に抱きしめた。」という文がありました。
過酷な環境で生きる少女の様子を描写したものですが、一方で簡素なものでも想像力をもって遊べるとも解釈できます。
ところで、うちの猫は出来合いのオモチャではなく、お菓子空き袋を結んだだけのものに喜んで飛びついて遊んでいます。
自分が子どもの頃(1960年代)は精巧な玩具などなく、ゴム動力の模型飛行機やブリキのポンポン船などでいつまでも遊んだものです。