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「Demiちゃんが行く!」#26 写真家 緒方秀美 私小説 "5年間暮らしたN.Y.から東京へ次のステージ"

こんにちは。N.Y.で見つけたデミの写真の世界は「今が全て、この一瞬が永遠」目の前のエモーションを撮るという至ってシンプルな事でした、エキサイティングは事を探しに熊本、東京、N.Y.に行ったけど自分自身の無限の可能性を感じて進む事、自分が一番エキサイティングだと分かった時に次のステージに行くことを決めました。

第26話 ”5年間暮らしたN.Y.から東京へ次のステージ"


5年間暮らしたN.Y.から東京に戻ったデミの新しい出発が始まった。住居はN.Y.で知り合った日本人アリスが富豪の娘で東京に三軒家を持っていて、その中の一軒に住んでいいと言ってくれた、豪華な家だけど格安な家賃で住める事になった、マネージャーはデミがNew Yorkで観光旅行者を案内する仕事で知り合ったマネージャー業の人にお願いして全て準備オッケー、あとは個展さえ終われば大忙しだと思い自信満々で個展開催した。写真展は凄く良かったとは多くの人から言ってくれるものの、仕事は全く入ってこない!!あれ~~このgreat photographerをほっとくの?じゃあ自らみんなの所に出向いて行こう。そう思ったデミは広告年間という業界紙にアートディレクターの連絡先が、あいうえお順に書いてある、12人のポートレイト モノクロ写真だけ持ってアートディレクター連絡先『あ』から『ん』まで毎日連絡して順番に営業に言った、New Yorkじゃ英語ができない時でもこれやってたんだ、日本語が通じるだけでも楽勝と思った。だけど営業も会ってくれる人はよく俺の所にこのモノクロ写真だけ持って営業に来たな!!もっと仕事経験してから来いとバカにする人もいた。写真は雰囲気あって良いけどカメラマンの経験がないからな仕事あげられないという人もいた。そう言われて落ち込んでると、今はこれだけの写真みせられても直ぐには仕事できないけど、もっと日本で仕事の経験積んだら仕事しましょうね、雑誌の仕事だったら文藝春秋が新しい雑誌CREAを出すみたいだよ、創刊号のアイディアねってると思うから営業にいってみたら、と親切に教えてくれる人もいた。日本での仕事の経験がないから仕事あげられと言われる事が多かったけど、最初は誰でも経験がないのに何て事言うんだ!!まぁじゃあ日本での最初の経験とらないとね!と思い文藝春秋社のCREAにアポイントメントを取って編集長に会いに行く。案の定あたらしい雑誌へのネタを探している様子、そこでデミのアイディアを出してみた「私N.Y,に面白い友達がいるんです、黒人のゲイで男の子の時はとてもカッコィーし、女装して女になった時はゴージャスでセクシーな女になってダイアナ ロスの歌でパフォーマンスする」彼の名前はShelton.女になった時はPrincess Diandra 彼を「性の幻想者」としてひとり二役で撮影してNew Yorkのクラブシーンについてインタビューしませんか?
他にどんな雑誌もやった事ない内容ですよ。とデミのアイディアは直ぐに採用されて6ページのカラーページは、男のSheltonが女になったShelton-Princess Diandraに求婚する、自分が自分に求婚するストーリーの写真。SheltonをN.Y.から東京によべるのはデミだけ撮影できるのもデミ、東京での最初の仕事はこうして始まった。6ページ撮影の経験ができたから、それを持って次の段階、また仕事ができて次の段階、音楽関係の撮影も雑誌やレコード会社の仕事もその要領でやっていった、だけどバンドブームとやらでデビューする新人バンドは多く、撮影の仕事はもらえても中々デミの心に響く音楽をやっているアーティストには出会えなかった。
日本を5年も離れたせいか、東京で流行っているという事に興味がわかない。
撮影は当然のごとく流行にのったテイストを要求される、それに応えようとデミは音楽関係やファッション関係の仕事を一生懸命に撮影し、カメラマンとして生計はたてられる様になった、仕事も徐々に増えてきたけどNew Yorkで感じた燃え上がるようなエモーションを撮る撮影までにはいたらなかった。
そんな時にある雑誌の仕事で最近デビューしたBlanky Jet Cityというバンドの撮影が入り、3人のミュージシャンにスタイリストが流行のスタイリングをする内容の撮影だった。スタジオでライティングを組んで待っているとドアを開けて3人が入ってきた瞬間に空気が変わった、デミがNew York で感じてた鋭いエネルギーを出す3人のミュージシャン、久しぶりにドキドキした。

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