明日もあるから飯食って寝る。
2020/12/31 15時。Huluで東海オンエアと有吉の壁を見ていたらこんな時間になっちまった。ふと襲ってくる圧倒的な現実。コロナのせいで帰省できない男が、初めて迎える一人の年越し。少しでもスキがあると、去年の仕事や私生活でうまくいかなかったことがフラッシュバックする。それらを積み残したままの年越しすることに、絶望する。ここ数日、こういう状態になったらやると決めていることがある。スマホのアプリでラジオを立ち上げ、いつものコースを散歩する。こっちに引っ越してきてから見つけた川沿いの30分コースをイヤフォンから流れる深夜ラジオに耳を傾けながらただ足を動かす。ラジオパーソナリティのテレビ東京の佐久間宣行プロデューサーが今年の総括をしている。テレビ局のプロデューサーなのに、ラジオ好きが高じて平日の深夜3時から40代のこのおじさんが僕は大好きだ。カオスが具現化したような存在に自分の細かい悩みなんかどうでも良くなる。そんな佐久間さんが「ラジオがあってよかった。」と語っていた。コロナで一度は番組の収録ができなくなり、家からも出られなくなった。その時、ラジオという仕事があったから自分は保てたのだ、といった内容だ。「ラジオがあってよかった」、その言葉をそのまま僕の言葉としてお返ししたかった。「あなたのラジオがあってほんとに良かったです」。散歩から帰り、風呂に入ったらご飯の準備だ。2020年最後の晩餐は年越しそばと寿司。寿司は出来合いもものだが、そばつゆには少し工夫した。つゆ自体は市販だが、つゆ割り用のスープは自家製のものにした。クリスマスに食べた残したチキンの鳥ガラとほうれん草、レンコン、マイタケなどで出汁をとる。これで割ったそばつゆがなかなかイケた。何か物足りなかったのでおせち要員の(というかおせちの具の中で調理の必要がない)黒豆とカマボコを添える。彩り的に黄色が欲しいなと思っていたら、数の子買い忘れたことに気付いた。実家では数の子が必ず出る。主に父と弟が好んで食べる。なんだか急に食べたくなってきてしまった。そしてまた襲ってくる寂しさ。そいつをそばと一緒に胃に流し込み、ガキ使と紅白の往復を始める。これは実家ではできないことだ。実家の立地が山間いなので、テレビの電波が届かない。一人だとチャンネルも好きなタイミングで変更できて心の平穏が保たれる。そんなこんなで22時になったので、またラジオをつける。ももいろ紅白歌合戦の裏で、出番を終えた出演者をニッポン放送のアナウンサーとクリーピーナッツというアーティストが突撃してトークする。カオスだ。このまま年越しの瞬間まで、このカオスラジオを聴きながら過ごす。ラジオを聞いていたら、実家の恋しさもどこかに消えていた。中華街の方から爆発音が聞こえる。多分新年を祝う花火だ。一人の年越しも悪くない。そう感じた。とりあえず明日朝一で数の子を買いに行こう。
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