アクセント問題をやっていてバンドをクビになったことを突然思い出した
昨日から音声の聴解試験対策を開始。どうやって学習したらいいのかわからないので、とにかく手元にある赤本の「合格問題集」の聴解練習からやってみた。プレッシャーになるので「合格問題集」の「合格」をとってただの「問題集」でいいではないかと余計なことを考えながら、アクセントの練習問題から着手。
「初めての練習だから仕方ないよ。ドンマイ、ドンマイ」なんて言葉には「空いた穴があったら入ります」と答えるしかない状態。50年以上も日本人をやってきて、毎日使っている日本語のアクセントがこうもわかっていないものかと我ながら笑うしかない。
問題をやっていて、赤ペンで次から次へと”×”をつけながら、高校時代やっていたバンドをクビになったことを突然思い出した。
バンドではギターとコーラスを担当していたが、当時あこがれていた氷室京介になれるはずもなく、ただ格好だけ真似していた。「エアーギター」というものが周知されてない時代に、ボクは時代を先駆けていたのだった。
一応バンドだから、ライブをやる。ライブではボクがいつも注目の的である。
曲もいよいよさびに突入というところでコーラスに入る。
音もリズムも外す”氷室京介”
不思議そうな目で見る聴衆 と 冷たい目で見るバンド仲間。
PA(音響をコントロールしてくれる人)さんも「これは面白い」と演奏音声を”カセットテープ”に録音してくれた。
我慢に耐えかねたバンド仲間が、ボクのために会議を開いてくれる。
「せっかく声をかけてもらって、一緒にバンドをやってきたけど、新しいメンバーが入るから」
と、ボクはバンド”創設者”にもかかわらず、容赦なく戦力外通告。
決して甘くない、ただ苦いだけの経験だった。もちろんPAさんが録音してくれた”カセットテープ”は、遠くの昔にこの世から姿を消した。
これで話は終わらない。
音楽的センスのないことは自覚していたものの、外国語の習得には関係ないと思っていた。しかし、センスのなさは中国語学習でも発揮された。
日本語のアクセントは実質高いか低いかの2つだが、中国語でよくマンダリンと言われる普通語は、4つの使い分けがある(声調)。
中国語は発音が正しくても、この声調が違うとうまく伝わらない。だから一生懸命発音練習をして、多少は発音がよくなっても一向に伝わらないことが多々ある。声調がおかしいからだ。
日本語は多少アクセントがおかしくても、日本語母語者であれば、意味はわかる。しかし、中国語は声調が違えば、語の意味も変わってしまう。だから発音はあっていても、声調が違えば、まったく違う意味になって中国人に伝わってしまう。
この声調の違いが、自分にはいくら聴いてもわからなかった。上の表みたいなのを使って理屈で理解しようとしても無意味。聴いてもわからないのだから、どれが正しいかわからないで話している。
ボクは中国の南の広東省というところに住んでいたことがある。広東省の標準語は広東語だ。普通語の声調は4つだが、広東語には9つある。ドレミファソラシドは8つだが、それ以上あるのだ。
広東語の音の複雑さに、広東省の人は宇宙人ではないかとボクは思ったことがある。広東語も練習したことはあるが、宇宙語はボクには無理だと三日であきらめた。
音楽センスのない自分にとっては、日本語教員試験の聴解問題は正直超難関だ。しかし三日坊主になるわけにはいかない。練習を繰り返してもそう効果は期待できない。
しかしながら、日本語のアクセントには一定のパターンがあるらしい。そのパターンをきちんと覚えるだけでも、音楽センスのなさをカバーできるかもしれないと自分を鼓舞している。