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【書籍】起業初心者のための成功マニュアル:営業力ゼロからの挑戦ー竹内明仁さん

 『経験ゼロでもわずか6か月で軌道に乗る起業の手引き: 営業が大の苦手なのに自然と顧客が増える3つの法則』(竹内明仁さん)を拝読しました。本書は、経験ゼロでも営業が苦手な人が、6ヶ月で軌道に乗るための起業の手引き書です。竹内氏は、独立開業11年目の経営コンサルタントで、企業や個人事業主の支援を通して、事業の持続発展をサポートしています。

 多くの起業家が早期に廃業してしまう原因として、短期的な利益にばかり目を向け、長期的な視点が欠けていることを指摘しています。そして、事業を継続し発展させるためには、「何をやるか」「どのようにやるか」だけでなく、「あり方」つまり「事業に取り組む姿勢と人生観」が重要であると説いています。

 本書では、この「あり方」を起点に、営業が苦手でも自然と顧客が増える3つの法則を紹介しています。

  1. 自分軸(コンセプト)を持つこと

  2. 傾聴から始めること

  3. 固定観念を除去すること

 各章では、これらの法則を様々な視点から解説し、読者が集客、経済的安定、顧客獲得、固定観念の克服など、起業における様々な課題を乗り越えられるよう、具体的なアドバイスや実践例を提示しています。

 第1章 では、集客がうまくいかない理由として、コンセプトが定まっていないこと、効果的な販路開拓方法がわからないこと、ターゲット顧客が明確でないこと、実践事例の検証とフィードバックがないこと、顧客の抱える問題・課題解決への道筋がわからないことの5つを挙げ、それぞれの解決策を提示しています。
 例えば、コンセプト作りでは、自身の思いを書き出し、クレド(ミッション・ビジョン・バリュー)を作成することを勧めています。また、販路開拓では、ITによる自動集客ではなく、信頼関係を築くことを重視し、顧客ターゲットを明確にすることを推奨しています。

 第2章 では、経済的に安定しない理由として、自分の強みがわからないこと、同業者に対する優位性を築けないこと、顧客から感謝される提供価値を見つけられないこと、経験がないことで弱気になり納得の報酬設定ができないこと、「やりがいを感じながら自分も成長できること」に本気でないことの5つを挙げ、それぞれの解決策を提示しています。
 例えば、自分の強みを見つけるためには、100個書き出すことや、過去の経験や成功事例を棚卸しすることを勧めています。また、同業者との差別化については、商品やサービスではなく、人柄や仕事への姿勢で差別化することを提案しています。

 第3章 では、早期の顧客獲得を阻む固定観念として、テクニックを使うのを後回しにすること、営業が苦手という思い込み、経験がないこと、目の前の利益に固執すること、自分目線で考えることの5つを挙げ、それぞれの克服方法を提示しています。
 例えば、テクニックよりも信頼関係の構築や価値提供を優先すること、経験がないことを新しい視点や発想を持つ強みと捉えること、長期的な視点で顧客満足度を高めることを重視することなどを勧めています。

 第4章 では、起業直後から顧客に困らないための実践5か条として、コンセプト作りから始めること、営業ではなく思いの拡散を重視すること、従来の常識を疑うこと、短期と長期を同時に見据えること、顧客の悩みやお困りごとの解決に集中することの5つを挙げ、具体的な実践方法を解説しています。
 例えば、思いの拡散では、共感を得るためにストーリー性を重視することや、エレベーターピッチの練習をすることを勧めています。

 第5章 では、初めての起業で成功するために今すぐすべき5つのステップとして、自分の思いを明文化すること、思いが通じやすいアプローチ先を選ぶこと、自分の価値観と相性の良い顧客の特徴を決め、狙いを絞ること、壁打ちの相手を見つけること、明文化した自分の思いを日々の活動で振り返ることの5つを挙げ、具体的なステップを解説しています。例えば、思いの明文化では、ミッション・ビジョン・バリューを作成する具体的なプロセスを紹介しています。

 本書は、起業後6ヶ月で生活の基盤を築くことを目標としており、月収20~30万円を達成するための具体的なステップも紹介しています。また、読者特典として、著者の無料セッションも用意されており、大変お得感もあるででしょう。

自身の学び

 私自身も、中小企業の人事支援を実践していますが、本書を拝読し、共感する点が多かったです。特に以下の点が参考になりました。

  1. 「あり方」を明確にする重要性
     本書では、事業を始める前に、まず「なぜこの事業をするのか」「何のためにするのか」「どのような価値観で行動するのか」という「あり方」を明確にすることの重要性を説いています。私自身も、支援を始めるにあたって、自分のスキルや経験を活かして、どのような価値を提供したいのか、どのような働き方をしたいのかを深く考えることから始めました。この「あり方」を明確にすることで、迷走することなく、自分の軸を持って進んでいくことができると実感しています。

  2. 傾聴と共感の重要性
     営業が苦手な人にとって、顧客とのコミュニケーションはハードルが高いものです。本書では、「営業の基本は聴くこと」であり、「共感傾聴」によって顧客との信頼関係を築くことができると述べられています。
     私自身も、顧客の話をじっくり聴き、共感することで、より良いサービスを提供できるよう努めています。

  3. 固定観念の除去
     本書では、「経験がないこと」を強みとして捉え、新しい視点や発想でビジネスに臨むことを勧めています。私自身も、新しい挑戦において、過去の経験にとらわれず、柔軟な発想で仕事に取り組むことの重要性を感じています。だれでも最初は経験がありませんので。

  4. 長期的な視点を持つこと
     目先の利益にとらわれず、長期的な視点で顧客満足度を高めることの重要性も、本書で強調されている点です。私自身も、一時的な収入源としてではなく、長期的に成長できるキャリアとして捉え、顧客との信頼関係を築くことを大切にしています。

 本書で紹介されている「思いの拡散」や「セルフ・ブランディング」といった考え方も、自分のサービスを多くの人に知ってもらい、共感を得る上で非常に参考になります。特に、おなじみの「エレベーターピッチ」は、短時間で自分のサービスを魅力的に伝えるスキルを磨く上で効果的だと感じています。

 また、本書で紹介されている事例は、支援を開始したばかりの人にとって、具体的な行動指針となり、モチベーションを高めてくれるものです。

 本書を拝読し、「あり方」を明確にし、「傾聴」と「共感」を大切にし、「固定観念」にとらわれず、「長期的な視点」で行動することで、必ず成功への道が開けると思います。私自身も継続して学び続けたいと思います。

起業の手引書の主要なコンセプトを視覚的に表現しています。各章のテーマに基づいた小さなオフィスセットアップが描かれており、第1章ではコンセプト作りとターゲット顧客のメモがあり、第2章では強みの特定と市場の差別化が示されています。第3章では固定観念の克服をブレインストーミングツールで表し、第4章ではストーリーテリングによるアイデアの拡散が描かれています。第5章では目標の明確化と顧客適合性の強調がされています。背景には、都市の景色が見える大きな窓と植物があり、現代的で快適なオフィスの雰囲気を醸し出しています。

2024/8/04に実施された竹内さんのスペースです。素晴らしい内容です。


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