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【書籍】勝負を決めるのは日々の生活:米倉健司氏が考えるボクシングの教訓

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp392「12月15日:どんな生活を送っているかで勝負は決まる(米倉健司 ヨネクラボクシングジム会長)」を取り上げたいと思います。

 米倉健司氏は元プロボクサー。元日本フライ級王者です。1963年、ヨネクラボクシングジムを開設し。柴田国明、ガッツ石松、中島成雄、大橋秀行、川島郭志の5人の世界王者を育てました。



 川島郭志選手は高校生の時に全国大会で優勝し、プロボクサーとしての道を歩み始めました。しかし、プロ入り直後に2回のKO負けを経験します。ボクシングを経験した人ならわかることですが、KO負けは肉体的にも精神的にも大きなダメージを与え、判定負けとは全く異なるものです。KO負けを経験すると、次に戦うことが怖くなり、自分が倒されてマットに横たわっている光景が頭に焼きつきます。この段階で多くのボクサーが引退を考えますが、川島は諦めずに続けました。

 一方、川島と同じ年の鬼塚勝也選手は、プロ入り後も無敗を維持し、日本チャンピオンおよび世界チャンピオンの座を獲得しました。

 川島選手は3歳からボクシング一筋で生きてきた人物であり、鬼塚の成功を横目に見ながらも、自分の道を貫きました。鬼塚選手とは異なり、川島は二度のKO負けを経験し、プロキャリアのスタートで大きな挫折を味わいましたが、ボクシングへの情熱を失うことなく続けました。川島選手の母親は、彼が世界王者になる前に亡くなりました。非常に優しい母親であったため、彼女の存在が川島にとって大きな支えであり、彼が勝利を求める理由の一つでした。このような背景が、川島選手の情熱と執念を他の誰にも負けないものにしたのです。

 ボクシングの本質は昔も今も変わりません。リングの中では、その選手がどのように生きてきたかが全て表れます。不真面目な生活を送る者は、リング上での成功を収めることはできません。ボクシングのトップレベルでは、実力差はほとんどありません。そのため、その日のコンディションや選手の生活習慣が勝敗を左右する要因となります。世界チャンピオンクラスのボクサーたちは非常に謙虚であり、才能があっても努力を惜しまずに続けています。彼らは謙虚さを失わず、努力を続けることで、たとえ負けたとしても引退後の人生で成功を収めることができます。

 例えば、一流のボクサー同士の試合を観戦すると、選手たちは決して相手の目から視線を外しません。殴られている瞬間であっても、相手の目を見続けます。これは、彼らが真正面からボクシングに取り組んでいる証拠であり、情熱と執念を持って続けることで必ずチャンスが訪れるという信念があるからです。私の経験から言えることですが、この一回か二回のチャンスを物にするかどうかが、チャンピオンになれるかどうかの分岐点となります。

 この考え方は、ボクシングだけでなく、どんな人生においても共通しています。どの分野においても、情熱と執念、そして謙虚さを持って努力する人間は、最終的に成功を収めます。世界のトップレベルで活躍するボクサーたちは、常に謙虚さを忘れず、どんなに強くても才能があっても、素直さと謙虚さを持って努力を続けることが重要です。謙虚さを失わない選手は、たとえ試合に負けても、引退後の人生でもしっかりと前を見据え、次の人生を成功させることができます。

 川島選手のように、困難な状況でもボクシングに対する情熱と執念を持ち続けることが、最終的に成功を収める鍵となります。彼の物語は、どんなに困難な状況にあっても、情熱と執念、そして謙虚さを持って努力し続けることの大切さを教えてくれます。ボクシングの世界だけでなく、人生のあらゆる面においても、同じことが言えるのです。成功を収めるためには、情熱を持ち続け、困難に立ち向かい、努力を惜しまないことが重要です。そして、成功を収めた後も謙虚さを忘れずにいることが、真の意味での成功をもたらすのです。

人事の視点から考えること

 米倉氏の言葉から、ボクシングと人生における成功の秘訣が浮き彫りになります。それは、情熱と執念、そして謙虚さを持って努力し続けることです。どんなに困難な状況にあっても、自分を信じ、前向きに取り組むことで、必ず道は開けます。この教訓は、ボクシングだけでなく、ビジネスや個人的な成長においても適用できる普遍的な真理です。川島選手のように、どんな逆境にも立ち向かい、自分の道を切り開いていく姿勢を持ち続けることが、真の成功を手にするための鍵となります。

情熱と執念の力

 ボクシングの世界では、情熱と執念が成功の鍵となります。川島選手が二度のKO負けから立ち直り、再びリングに立ち続けたのも、この情熱と執念のおかげです。情熱とは、目標に向かって突き進むエネルギーであり、執念とは、どんな困難にも屈せずに挑み続ける強い意志です。この二つが揃うことで、どんな逆境にも立ち向かい、成功を収めることができるのです。

継続的な努力と成長

 ボクシングの世界では、常に自己改善を図り続けることが求められます。川島選手も、二度のKO負けを経験した後も、トレーニングを続け、技術を磨き続けました。この継続的な努力が、彼の成功の基盤となりました。どの分野においても、継続的な努力と成長は重要です。常に新しい知識やスキルを学び、自分を磨き続けることで、成功への道が開けます。

失敗から学ぶ

 失敗は成功の母とよく言われますが、ボクシングの世界でも同様です。川島選手は、二度のKO負けから多くの教訓を学び、それを次の試合に活かしました。失敗から学び、それを次のステップへの糧とすることが、成功への道を切り開くための重要な要素です。失敗を恐れずに挑戦し続け、その経験から学ぶことで、成長し続けることができます。

自己信頼と他者への尊敬

 成功するためには、自己信頼と他者への尊敬が重要です。川島選手は、自分の能力を信じ続け、他の選手から学ぶ姿勢を持ち続けました。自己信頼は、自分の目標に向かって進むための原動力となり、他者への尊敬は、自分の成長を促進するための重要な要素です。どの分野においても、自己信頼と他者への尊敬を持ち続けることで、成功への道が開けます。

長期的な視野と目標設定

 ボクシングの世界では、短期的な目標だけでなく、長期的な視野を持つことが重要です。川島選手も、目の前の試合だけでなく、将来的な目標を見据えて努力を続けました。ビジネスや人生においても、長期的な視野を持ち、明確な目標を設定することが成功の鍵となります。短期的な成果に一喜一憂せず、長期的なビジョンを持ち続けることで、持続的な成長と成功が可能となります。

最後に

 米倉氏の言葉と川島選手のストーリーから、ボクシングと人生における成功の秘訣が明らかになります。それは、情熱と執念、謙虚さを持って努力し続けることです。どんなに困難な状況にあっても、自分を信じ、前向きに取り組むことで、必ず道は開けます。この教訓は、ボクシングだけでなく、ビジネスや個人的な成長においても適用できる普遍的な真理です。川島選手のように、どんな逆境にも立ち向かい、自分の道を切り開いていく姿勢を持ち続けることが、真の成功を手にするための鍵となります。

情熱と執念を持ってボクシングに取り組むボクサーの姿を描いています。彼の集中した表情と汗まみれの顔から、厳しいトレーニングに励んでいる様子が伝わってきます。背景にはモチベーショナルなポスターやボクシング用具があり、古風なジムの雰囲気が漂っています。この画像は、日々の努力と真摯な態度が成功の鍵であることを象徴しています。どんなに困難な状況でも、情熱を持ち続けることで目標に到達できることを示しています。


1日1話、「生き方」のバイブルとなるような滋味に富む感動実話を中心に365篇収録されています。素晴らしい書籍です。

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