チチの日記は、読み込めばバックグラウンドのstoryが浮き上がってくる。あたしは夢中になってその世界にのめり込んでいく。
その日記には「漂泊幾花」という表題が付けられていた。まるで、小説のようにつづられている体裁だった。
でも、それをひもとくのが、なんだか怖い気もするのだ。
なぜならば、所々破かれたページが存在するからだ。しかし、それは類推するしか無いだろう。
しかし、その資料は補完される事でもある。歴史は一面からは捉えられないのが常道なのだ。
ひょっとしたらハハの日記も見つかるかもしれないからだ。
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読めば赤面するような内容だ。しかしそこに卑猥さは感じられない。
だけど、急にチチとハハが身近なものに感じ始めた。あたしがこの世に生まれる過程にはこういういきさつがあったのだということを感じ取れたからだ。
だから、あたし自身もどこか吹っ切れるような気もする。
そして、あのけちんぼ和尚が言うように「すべてをありのままに受け入れる」ということがしっくりと心の中に入ってくるのだ。
そうか、これが十七清浄句なのかもしれないと・・。